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【シャニマス】愚者の独白を考察

初めまして。ショウゴと申します。

PW03が名盤過ぎたので歌詞を考察したいと思います。

もうすぐ夜が明ける時間
耳が痛いくらいの静寂
深淵を 立ち去れずいる
ずっと 探してる幻影

滲むような笑い方
訳を 聞けずいた迷い
音もなく 
蛹から羽化してしまったんだ
君は

幻の空へ この空は続いてるの?
濡れたような 真っ黒い翅
トラジックな出来事
でも涙 まだ君は知らずに
羽ばたいてるでしょう
羽ばたいてて
Ah どうか 幸せで

追記の「もしも」は空疎
だけど 空白に問いかけた
どうして世界 違ってたの
運命 姿(かたち)のない魔物

ふたりは恋だった
私は傍観者だった
いつだってそれでいい
抜け殻にも会えない朝

虚飾のない空は ただ名前を呼んだだけ
嘘つきな街の空が
押し付けた 疎外感
境界線の向こう 夜明けはある?
いっそ行きたかった
行けなかった
Ah 今日が 始まってく

誰の手もなかったオフィーリア
君の手はあったかい侭
ありますように

幻の空へ この空は続いてるの?
濡れたような 真っ黒い翅
楽園は Dreamy sympathy

悲しみを もう君は知らずに
羽ばたいてるでしょう
羽ばたいてて
Ah どうか 幸せで

https://sp.uta-net.com/song/320177/

iTunesで買ったので歌詞が分かりませんでした。
配信でも歌詞載せてくれ

しばらくしたらiTunesでも確認できました。うれしいですね。

それでは歌詞を細く見てみましょう。

もうすぐ夜が明ける時間
耳が痛いくらいの静寂
深淵を 立ち去れずいる
ずっと 探してる幻影

静かな真夜中。
君の「幻影」が見つからないから明日に行けない。生きられない。


最初の2行はそのまま静かな夜のことでしょうね。
深淵は暗闇と深い時間(深夜)で夜のことだと思いました。
「立ち去れず」はその出来事が強く心に残ってしまっている(過去に囚われているみたいなニュアンス)と、考えすぎて眠れない(今日を終われない)なども考えられます。が今回はこの世からの退席、即ち自殺だと思いました。
後の歌詞を見ていけばなんとなく自殺が仄めかされてるのがわかると思います。
死にゆく僕の独白です。

滲むような笑い方
訳を 聞けずいた迷い
音もなく 蛹から羽化してしまったんだ
君は

「君」は滲むように笑った。恋が成就した嬉しさが滲んだ笑顔。
だけどその理由は怖くて聞けなかった。
そして「君」は飛んでいってしまった。


時系列について。
訳を聞けずにいたから君は羽化してしまったという線も考えました。
が、「音も無く」を脈絡も無くと解釈したので私は訳を聞く前既に恋が成就していたと仮定します。
浮動性イノセンスでもそんな感じがしましたが恋仲になることを蝶と例えてるんですかね。

幻の空へ この空は続いてるの?
濡れたような 真っ黒い翅
トラジックな出来事
でも涙 まだ君は知らずに
羽ばたいてるでしょう
羽ばたいてて
Ah どうか 幸せで

生きていれば「君」がいる場所へ辿りけるのか。

僕にとっては「君」がいなくなるのは悲劇的だけど
「君」は僕の気持ちなんて知らずに行ってしまったんでしょう。
2人でどうか幸せに。


最初に「君」の幻影を探していたように本物の「君」はもう手に入らないから「幻」と形容してると思いました。
次の「真っ黒い翅」は「君」の美しさの形容だとは思いますがどうやら黒い蝶は不吉の象徴らしいですね。
問いかけの直後に持ってくる事で否定の意味もあるのかも。
黒い蝶=not、bat、非、不、無

「トラジック」は悲劇的なという意味だそうで。
これは素直に失恋のことでしょう。
「でも涙 まだ君は知らずに」
この悲劇を知らない=失恋を知らない=僕の好意に気がついてない、みたいな感じでしょうか。
先程述べた通り蝶を恋仲のメタファーとしてるなら「羽ばたいてるでしょう」はよろしくやってんでしょみたいな事ですかね。でも次に「羽ばたいていて」と純粋に幸せを願っていますね。偉い。
私には出来ません。
どうか 幸せで。

追記の「もしも」は空疎だけど 
空白に問いかけた
どうして世界 違ってたの
運命 姿(かたち)のない魔物

もしも「君」と結ばれたらなんて仮定は意味が無いけど。
どうして「君」と結ばれなかったのか。
それは運命のせい。


追記とは普通、本文とは関係の無い話をするらしいです。
ここでの本文が「君」の幸せを願うことなら追記は「君」と恋仲になりたかったみたいな内容でしょうか。
「空白に問いかけた」これは正しく独白ですね。
相手役のいないモノローグ。
書いてて思いましたけど相手役がいないってそれだけで失恋のメタファーになり得ますね。
その次のところで僕と「君」が結ばれなかったのは運命のせいだと言ってますね。
「君」とその相手には運命的な物語が繰り広げられていたのでしょうか。
僕の知らないところで。
君の運命の人は僕じゃない。

ふたりは恋だった
私は傍観者だった
いつだってそれでいい
抜け殻にも会えない朝

初めからこの恋は実るはずもなかった。
「君」の痕跡さえ無い明日。


「傍観者だった」は踏み込めなかったということでしょうか。
そして「それでいい」と。
お相手はよっぽどいい人なのでしょうか。
羽化して行った「君」の抜け殻さえ無い。
羽化していくのが恋なら、その抜け殻さえ無い僕は。
脈ナシ、だったのでしょう。

虚飾のない空は ただ名前を呼んだだけ
嘘つきな街の空が
押し付けた 疎外感
境界線の向こう 夜明けはある?
いっそ行きたかった
行けなかった
Ah 今日が 始まってく

昇ってく朝日が僕に否応無く疎外感を与える。
いっそ「君」を忘れて明日を生きたかったけど忘れられなかった。
もう朝になる時間。


難しいですここ。
今更ですが古典的知識は一切ないのでそういうメタファーを感じ取れません。己の感性だけが頼り。
さて、「虚飾の無い空」は星月さえ見えない真っ暗な夜かなと思いました。根拠はありませんが後との対比でここは僅かな明かりもない空としておくのが綺麗かなと。
あと単純に嘘偽りの無いという意味もありそうですね。
後の「嘘つきな街の空」と矛盾しますが。

「ただ名前を呼んだだけ」うーん。分からん。
文そのまま解釈すれば空が主語ですが空に向けて僕が「君」の名前を呼んだ、でも通る気がします。
ここでは前者としておきましょうか。
この暗闇でさえ名前を呼ぶだけ=暗闇も僕を受け入れてはくれない、みたいな。

「嘘つきな街の空が押し付けた疎外感」
星の明かりがない暗闇だと思ったら遠くの街は朝焼けに包まれている。
「いっそ行きたかった 行けなかった」
君を忘れて生きたかった。けどできないから死ぬ。

誰の手もなかったオフィーリア
君の手はあったかい侭ありますように

自殺に往く僕は誰にも想われない。
君はどうか生きていて。


古典的知識は一切ないって言っただろ!
さて、Wikipediaによればオフィーリアは戯曲『ハムレット』の登場人物。
ハムレットの狂気に(間接か直接か)あてられ自らも狂ってしまい、最期は溺れ死ぬ(墓掘り人は自殺に違いないと主張)という。
Wikipediaを見た限りオフィーリアが手を差し伸べる、差し出される話は無さそうだったので「誰の手もなかったオフィーリア」が何を指しているのか分かりません。
シェイクスピア自信ニキ助けて。
それでもにわか知識で無理やり解釈するなら
オフィーリアの死後、葬儀の場面で王妃ガートルードはオフィーリアにこそハムレットの妻になって欲しかったという。
兄レアティーズは妹オフィーリアの亡骸を抱き自分がどれほど妹を愛していたか宣言するまで埋葬は待ってくれと言う。
それを隠れて見ていたハムレットが自分の方が愛していたと挑戦する。
つまりオフィーリアは(生前の描写は分からないが少なくとも)死後複数の人間から好意を抱かれていたのだ。
「誰の手もなかったオフィーリア」とは自殺した後も誰からも好意を抱かれない、求められないという意味ではないだろうか。
「君の手はあったかい侭ありますように」は死んで冷たくなる自分との対比で生きていて欲しいということになると思います。

幻の空へ この空は続いてるの?
濡れたような 真っ黒い翅
楽園は Dreamy sympathy

憐れんで欲しい。


前2行は前述の通り。
sympathyとは憐れみ、同情。
日本で使われてる共感的な意味と比べて少しダークな意味ですね。
楽園は夢のような憐れみ。
楽園とか夢とか言ってるので多分死んで安らかな夢を見たいみたいなことでしょ。

まとめ

身も蓋もない言い方すると好きな人とられてヘラって自殺しようとする人の話でした。
この独白は遺書のことかもしれませんね。

ちなみに独白とは相手役のいないセリフ。
相手のいない、失恋と重なる部分もありますね。

さて、具体的な根拠を示せずに考察と言っていいべきか不安ですが皆様の考えの一助となれば幸いです。

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