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行動経済学を使ってお金を稼ぐとはどういうことなのか?

いまから8年前フランスの偉大なる経済学者トマ・ピケティはある一冊の経済学書を世に出版した。

フランスで出版したのが2013年、日本でも2014年末に出版され大ベストセラーとなった。


☆☆☆


その本の名は「21世紀の資本」。カール・マルクスの資本論を21世紀版にまとめ上げた本である。

難解な経済学書であり日本語版は728ページもある書籍だ。

にも関わらず、世界で300万冊も販売され、日本だけでも13万冊も売れた、大ヒット経済学書である。


当時は一時的に日本のメディアも大々的に報道していた。

しかし皆なぜあの本が売れたのか?何が優れていたのかをご存知だろうか。

もうみんな忘れてしまったのではないだろうか。21世紀の資本にはシンプルな数式がある。

それがr>gだ。

r>gは現代資本主義社会の本質を表している。

トマ・ピケティが言いたかったことはこの数式に集約されているのだ。そして、過去300年間のr>gの歴史、言わば資本主義の歴史を世界に公開したことこそがあの書物を価値あるものと足らしめているのである。


特に21世紀のグローバル資本主義社会において、完全なるr>gの世界となったことを彼は伝えたかったのだ。

このr>gとは一体何を示す数式なのだろうか?

rとは資本収益率のことである。要は、資本家の資本(お金のこと、蓄えのこと、預貯金)の増加ペースを指す。

また、gとは経済成長率のことである。経済成長率とは、GDP(国民の所得のこと)の増加ペースを言う。

よってr>gとは、21世紀の先進国において、年間における国民の所得の増加ペース(GDPの伸び率)より、資本家の預貯金の増加ペースのほうが大きいということを指し示している。

これが21世紀の資本が暴いた社会の本質であり、あの本が大ベストセラーとなった本質的理由である。


働いてお給料もらっている労働者の給料の伸び率よりも、働いてない資本家の預貯金(主に株式や債券に投資されている)の増加ペースのほうが大きい。

資本収益率のほうが国民所得の増加ペース(これを経済成長率と言う)より大きいとは、そういうことなのだ。

働くとか一生懸命とかそういうの全部無意味で、最初金持ちかどうかで所得の増加ペースは確定してしまう。この世は生まれた場所による完全なる運ゲーである。

と彼は言っているのである。なぜ、こんなことが起きるのか。

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