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北海道紀行 その3

こんばんは。あるいはこんにちは、またはおはようございます。
私は大学院生なので夏休みといえども、出さねばならぬ論文の要旨作成の段階で詰み申しております。

札幌に帰りたいよ〜、あの湿度をかんじられないほど涼しい風が吹く札幌…芝生に座り込み俗世のことを忘れられる札幌…アイミスユウ。

あ、3日目は、私とSの2人行動なので、頼るKもおらず、ドタバタとゆるゆると行動しておりますし、またこれらのストーリーをKは知りません。おもろいねエ。1日目2日目とはまた違う感じの一日となりました。

まずは朝ご飯のことについて話そう。
昨日朝食を諦めた私たちですから、相当な気合と意気込みを持って食べようと前日から誓っていたのです。
しかし。しかし。
我々の共通の趣味として「キンプリ」というものがあって、その話が白熱し過ぎ、もはや議論ですかというレベルで討論に討論を重ね、寝たのは午前3時。キンプリ恐るべし。あなどるなかれキンプリ。ありがとうキンプリ。
まあそんなこんなで当たり前に早朝起床には失敗しました。

それでも私たちは諦めない。化粧なんかせず、とりあえず服を着て一階の朝食会場まで(エレベーターで)駈け下りました。
我々が昨日狙っていたふかしたじゃがいものエリア付近に席を取って、とにかく食べたいと思ったものをお皿に入れていきます。じゃがいも、昆布が巻いてあるおにぎり、わかめのサラダ、わかめ入りのお味噌汁、温泉卵、とろろ、たらこ、昆布で魚を巻いた甘く煮たやつ、最後にパイナップル。
おそらく。今気づきましたけども、昆布とかわかめの類を食べすぎてますね。何にも自覚ありませんでした。ていうか小樽でも謎に昆布買ってるしね。オルゴール館のオルゴールやガラス細工を差し置いて昆布買ってますから。
まあそんなこんなですぐには行動できないくらい満腹になり、部屋に戻ってまた昨夜のキンプリトークを振り返る。
まあまあまあ、キンプリのことなんて、何回考えてもええですからね。

さて。話は大きく変わりますが、私はラーメンを啜るのが本当に苦手です。というのも、勢いよく啜った時にそのラーメンたちが私の喉まで到達して、むせるとか、鼻から出るとかそういうのを想像してしまうから。
つまりラーメンに関わらず、麺類を啜るのが怖くて苦手です。
横にいたSは、下手やなぁ、◯◯(私の名前)は麺を啜ってから箸を動かすからあかんねん、麺と一緒に箸を上に動かすねん、やってみ。と私を教育してくれました。運動神経抜群のSと運動は何をやってもダメ、幼少期にボールを投げたら後ろに飛んでいくタイプの私との差がここでまた発生しました。麺を啜るのに運動神経が必要ってなんなん。

なぜこんな話をしたかといいますと、こんな真夏にも関わらずニンニクが大量に入った、食べるだけで汗が止まらない!系のラーメンを食べたりもできたからです。
二条市場のおしゃべり好きなおじさまに教えてもらった「けやき」というすすきのにあるラーメン屋さんにて30分弱並び、無事お目当ての味噌ラーメンを食べることに成功いたしました。
けれどもね、カウンターしかない小さなお店、こだわり強そうな店主がいるお店でね、悠長に麺啜りの練習なんてしてる場合じゃないんですわ、ということで、自己流で下手くそにすすらしてもらいました。

表紙とはちょっと違う画角のラーメン。野菜たっぷりで、
旅行に起こりがちな不摂生を全解消してくれる万能具合

ホテルから二条市場、そしてけやきまでは徒歩で移動しました。東西南北がよく分かる表記がしてあったり、碁盤の目状に区画整備されているので、3日目の私たちは、今自分がどこにいるのか、そしてどの方向に向かえば目的地があるのかなんとなく分かってきてそれが嬉しい出来事の一つでした。旅行先ってね、ここどこ!?マップ!え!?となるのが常ですから、ほうほうこれはさっきみたぞ...?ここを左では!?と推測しながら、しかもそれが当たっているというのは愉快なことでした。
このような調子で、わたしたちは次なる目的地かの有名な「六花亭」へと向かいました。

「六花亭 札幌本店」では、空港の売り場とは違って小分けで六花亭のお菓子を買うことができます。例えばあのレーズンバターサンド、箱で買うと少しお高いし、バターで胃がもたれちゃうわよという人は、一つだけ(たしか130円くらいだった)を買えばよいのです。
そうすると、おいしいなもう一つ食べたいなと感じる味覚の最高潮の状態でそのお菓子のことを記憶できます。

この小分けシステムのもう一つのメリットはお土産をいい感じに購入できるということです。北海道土産と言えば六花亭、六花亭と言えば北海道土産という式が成り立つように、北海道に降り立ったものはみな等しく六花亭をお土産に買おうとしますが、いや、うん高いよね!特に学生にはね。こんなにいっぱいいらないのだが。という葛藤を感じつつ買っていましたね。そんな過去とはもうおさらばでございます。
あの人にはバターサンドを1枚、水ごよみを足しとこか…とかいい感じに組み合わせて、かついい塩梅のお値段。

ここまで書いといてあれですが、この記事友人に見てもらいたくないな。私が相当なケチに見えますよね。ケチしたいわけじゃないのですがここがうまく言葉にできずもうする気もないです、ケチです。

私のケチ性を発動させた六花亭札幌本店

ここで買い物を終えた私たちは、少し早く、かつKには会えなかったが新千歳空港に向かうことにしました。
この日は滞在した3日間のなかで最も熱く、寝るのが遅かったということもあり、結構疲労していました。少しでも寝ようとJRに乗り込みましたが、なんか少し切ない気持ちもちらほら見えるような。
昔函館に住んでいて父親の仕事の都合で大阪にきたなぁとか、北海道なんか出たいとずっとずっと思っていたこととか、でも大阪の力強い空気とテンポの速すぎる関西弁、運動できないくせに入ったバド部、体育祭の映像を見て決めた高校、浪人したこと、大学に入って本格的にSとKと道が分かれていよいよ友達じゃなくなる日が来るのかもと思ったことを、え、今から死ぬんか、と、走馬灯ばりに過去を振り返りましたがそれもおそらく5分程度、気づいたら爆睡をかましていて空港着いたでとSに起こされました。

空港には信じられへん量のお土産屋さんがあり、先ほど六花亭小分けシステムのメリットを豪語していた私ですが、いや待ってここで...買うべきだったの...では...と思うものが色々目に入りました。
この時点の私たちはとにかく満腹で、海鮮丼とかラーメンとか、北海道likeな飯たちを食べたい欲が胃袋の限界度合いに敗北し続け、飲み物さえ飲まずぼーっとイオンのフードコートみたいなところに座ってピクミンブルームに勤しんでおりました。そこのアクリル板がハードすぎて、目の前にいるSの発言全てがミュートされてしまったので、いそいそと場所を変更し、なんとなく見ていたジェラートを食しました。

そのジェラートのおいしいこと!!!!オレンジのシャーベットとオレンジ風味のダークチョコレート味。Sはびっくりサイズのソフトクリームを食べていました。ここまで若干不機嫌だった(少なくとも私は)我々は完全に元気を取り戻し、いざ搭乗ゲートへ。ここも時間より相当早かったので、中入ってなんか食べようやとなりました。
8個入りのてまり寿司を買って食べたのですが、私とSの食べ進める順というか、最後に残しとくものが同じできゃはきゃは笑いました。ガハガハ笑うほどおなかに力が入らない疲労感。でもここで食べたお寿司がすごくおいしくて、飛んでいく飛行機を見ながら話すような話さないような空気がとても心地よかった。

空港で食べたジェラート。まさか写真に撮るとは思ってなかったが、あまりの美味しさに興奮してとったため画角が謎である。

飛行機に乗り込み、発泡スチロールに入った魚は上の荷物入れに入れないでくださいと言われたので、客室乗務員のかたに指示されるがまま、それらの魚たち(もちろん袋に入っている)を空いているイスに座らせシートベルトまでしてあげました。
Kからその日は札幌で花火が上がると聞いていたから、見える限り外を見ていたけれど、見えなかった。おいKよ、どんな花火やったか教えてくれ。
そこから大阪に着くまで、おそらく我々はまた爆睡をかましていて、ここからのことは本当にもう曖昧にしか覚えていません。ただただ疲れてたけども、旅行の終わるさみしさを感じていた。空港について電車に乗ってからはお互いにすごく疲れているはずなのに眠りもせず黙りもせずずっと話をしていた。
ここまで寂しいを連呼しているくせに、帰り際はあっけなく、こんどまたカラオケ行こな!ありがとう!と言って10秒も会話せず解散した。Sが近所のカレー屋の持ち帰りの常連になってたことを知った。なんの情報やねん。

このような感じで、どんどこどんどこ頭に流れてきたままに二泊三日の北海道紀行をお送りしました。頭に出てきたものをいい感じに言語にしてそして書くというのはすごく難しかったけど、これをSとKともちろん私がたまに振り返って、こんな細かいとこの情報はいらんねんとくすっとしたりできる種になればいいなと思う。

私が今こうやって自由に大学院生をやっているのはもちろん、両親の支えあってこそだが、この二人の存在が無かったらここまで自分の好きなことを極めようと思わなかったのではないか、っていうより今の自分自体存在しなかったのではないかと思う。本当に思う。
思い返せば二人とも、最初から仲良しでしたという関係性ではなく、ここに書くには長くなりすぎるしもったいないくらい色々な、色々なことがあったのですけども、だからなんでこんなに、なにが原因で、一体なにが私たちをこう11年間も結び付けているのか正直分かりません。こうやって思い出し書きしているときも、この3日間決して誰かが気を使ったり、誰かの話を積極的に聞こうとしたわけでもないし、逆に各々好き勝手にべらべら話をして、え、聞いてる?あなたなんの話してます?となる場面の方が多かったのに、なぜこんなに大切に思われているように感じるのだろうか。

だからこの北海道紀行は、私から見えた3日間。
SとKから見たらまた全く違う3日間だったのかもしれないし、絶対やってくれないけどこういう記事にまとめてとお願いして、書いてくれたら全然違うものが生まれるのだろうな。それってめっちゃ面白いことでは?
とにかくとにかく、3日間ありがとう、こんな数千字にまとめましたが、これを読んでくださった方に札幌はどんなところに見えたのだろう。まあなんでもいいや、すごく楽しかった、きっとこの旅行での出来事を、私たちがおばあちゃんやおじいちゃんになっても話すよね。
ぼけたりしても、これがあるから大丈夫。

see you again!


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