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この医学書・看護書がすごい!2021【北大路書房】

※『この医学書・看護書がすごい!』って何?という方は、まずはこちらをお読みください。
※とにかく推し本を知って欲しい!その一心のみで作成しております。医書担当歴4年で専門知識に乏しいところは多々ございますので、各出版社の公式サイトにて補完をお願いします

心理学、教育、福祉、保育に関する専門書を刊行されている京都の出版社です。医学・看護学は心理学と密接な関係があり、切り離すことはできません。

さて、北大路書房営業担当のイチオシはこちら!

『アファンタジア:イメージのない世界を生きる』

こちら、なんと本日(12月27日)発売の新刊です!

アファンタジアという言葉、みなさんご存知ですか?
私は初めて知りました。頭の中でイメージを視覚化できない状態を指すことをアファンタジアと表すようになったのは、ほんとうについ最近のこと(2015年)のようです。

営業担当の推しどころは、

「リンゴを思い浮かべて」と言われても暗闇が広がるばかり。頭のなかにイメージがない、という人が一定数いることが知れる本、くわえて、イメージのない世界とは一体どんな世界なのか想像する上で手がかりとなる本となっています。
また、当事者のインタビューを集めた本ですので、専門書としては比較的読みやすいところも特徴です。科学読物として読んで頂くのも面白いと思います。
 世間一般的に病気をもって「いる」人、「いない」人、障害が「ある」人、「ない」人と単なるあるなしで区別、差別してしまいがちですが、本書は「イメージの見え方には多様性があり、見える人同士、見えない人同士の間でも一人ひとり違う見え方、世界の映り方、生き方がある」と唱えているやさしい本です。

自分が見えているものが全てじゃない。当たり前だと思っていることが、人によってはそうではない。でも頭の中で固定観念があるから、気づきにくいことですよね。
リンゴなんて容易に想像できる。想像できないってどういうこと?となりますが、それはアファンタジアの当人たちもです。

自分たちにとって当たり前だと思っていたことが、他の人たちと違うことを知った時、彼らはどう感じたのか。子供の頃、そして日常をどう過ごしているのか。想像力はあるのか。夢を見るのか。記憶はできるのか。

その問いに対して多数の当事者たちの声が、この本にはおさめられています。読むことで、アファンタジアの理解が進むと同時に、そもそも認知とはなにかについても奥深く知ることができます。

まだアファンタジアの研究は始まったばかり。でも50人にひとりはアファンタジアの持ち主とも言われてます。多様性が叫ばれる時代、理解の幅を広げるためにも読んでおきたい一冊です。


そして、売り場担当のイチオシはこちら!

『「隠す」心理を科学する』

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まずい!と思った時、咄嗟に嘘をついたことありませんか?

それがよくないことだと思っているのに、嘘をついて隠してしまう。生まれてから一度も隠し事をしたことがないというひとはいないでしょう。

それは自分が不利にならないようにするための保身からくるものであったり、大切な相手を守るためであったり、色々な要因から生まれます。

この本は「隠す」心理について、対人コミュニケーションや子供の嘘、そして動物や鳥類の隠す心理など、多方面に渡って書かれているだけではなく、「隠す」心理の生理反応まで記述されています。

知識として得ておくと、医療現場においての患者さんとの関わり合いにおいてヒントとなりえるかもしれません。心を科学的に探究する面白さへと誘う一冊です!

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