十割そばと、二八そば

十割そばをご存じでしょうか?
そばは蕎麦粉を練って作られるものですが、十割そばは他に何も使わず、ただただ蕎麦粉だけで形成された麺です。そば本来の風味を邪魔するものがなく、そばという食材を楽しむことに対してはもっとも近い精製法といえるでしょう。

ところがその十割そば、職人に要求する腕前が高すぎまして。
そばはそう簡単に練られるものではありません。趣味でそば打ちをする一般人程度では上手いこと繋がることなく、ぶつぶつと途切れるそばになってしまいます。歯ごたえは悪くなり、風味を味わうどころではありません。おおかたの蕎麦屋でも十割そばを出すところはそこまで多くはありません。

では多くの蕎麦屋はどうしているのか? 中につなぎをいれて途切れないようにしています。海藻や卵、自然薯などを使う場合もありますが、概ね小麦粉が使われます。小麦粉2割、そば粉が8割。これで二八そばです。加工しやすく、長持ちしますし、さほど腕が良いというわけでもない職人でも美味いそばにすることが可能です。

私が作ってる記事はまさしく二八そばです。事実という蕎麦粉に対し、創作要素という小麦粉を注いで、こねてこねて出来上がったのが私の記事です。そこそこ味がいいのが自慢です。

すべての蕎麦屋さんが妥協して二八そばを出しているわけではありません。十割そばは日持ちしないので、翌日に前日の残りを出すわけにはいきません。そうすると厳密に仕込み量を調整する必要があります。もしミスったら廃棄か機会損失に直結です。二八そばだとそういうリスクを減らすことが可能です。風味も腕の良い職人がつくれば、十割そばに負けないものがつくれます。

こういった理由が全くなく、100%逃げの姿勢なのが私の記事です。どうがんばっても事実だけで記事を構成することができませんでした。腕が悪いので十割そばができないのです。
なんとか記事らしきものにすることができても、味が悪いのでとてもお出しするクオリティではございません。なので私の記事は自己紹介でも述べた通り、すべて「物語」となっています。少しでも脚色がはいればそれは十割そばではありません。ご承知おきください(桃鉄歴史記事がたぶん一番十割そばに近いのでしょうか?)。

そういったわけで二八そばを頑張ってつくってるわけですが、ちなみに蕎麦粉を全く使わないで小麦粉だけで麺をつくると、それは素麺になります。これもまたつくるのが難しい……!

いやぁ、素麺つくってみたいですね。揖保乃糸並に美味しい奴を。


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