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貢ぎ物である。
ティラミスである。
お世話になったお礼ということである。
嬉しいという気持ちと、戸惑う気持ちと、ちょっとどうしてよいか分からない気持ちがする。
自分を思い出しながら作ってくれたであろう、その時間を思えば少し胸がぎゅっとなる。
嬉しいのだ。嬉しいのに違いはないのだ。
ただ、「そのように感謝され、時間をかけてもらえるような何かであっただろうか、私は。」とも思ってしまう。
何か形で返したくてたまらなくなるような心持ちにもなる。
だけれど。
この気持ちと、 彼のくれたティラミスを大事にするならば。
形にして返して終わりにするよりも、もっと自信を持ってありがとうと言えるように精進することのほうがよいように思うのだ。
ティラミスは、ありそうでなさそうなおいしい食感を伴ったものだった。
ふわふわのチーズムース生地は、酸っぱさよりもまろやかさが優るなめらかな舌触り。
その次はコーヒーゼリーのつるっとしてトロリとした苦みと甘さのバランスがとれた層。
下にあるチーズムースとコーヒースポンジと共に、スプーンで一口に食べる。
すると、コーヒーゼリーの食感が最後に顔を出して、「あっ」となる。
ゼリーだったのか。
後味がつるりとしているなぁ。
なんだか名残惜しい。
もう一口。
と食べてしまう。
美味しかったですよ。ありがとうございます。本当に。
成長するための某かにに使わせていただきます。