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男には『愛』がわからない

男性には女性ほど明確な愛のかたちがない

男性にはなぜ『愛』がわからないのか

男性には『愛』というものが分からないのではないか。

そんな疑問を持ったのは最近である。
『推しの子』というアニメ(漫画)を見ていると、「愛を知らない」“アイ”というアイドルを中心に物語が進んでいることに気付く。

こうした物語は多い。
「愛とは何か?」
という問いを立てたストーリーの小説は数多くある。

作家でアイドルである、加藤シゲアキさんも「愛とは何か?」という問いを立てて読書をしていくうちに、エーリッヒフロムの『愛するということ』に行き着いたと、とあるYouTube番組で語られていた。

『推しの子』の中心人物である“アイ”は、女性であるものの、こうした「愛とは何か?」という問いを立てて考えている人の中でも、『自分なりの愛のカタチ』というものを明確に持っていないのは、圧倒的に男性が多い気がするのだ。

私はこの「愛とは何か?」問題について、幼少期から考えてきた。
「愛とは何か?」「家族とは何か?」「夫婦とは何か?」「友達とは何か?」
そうした疑問を持つことは、私にとっては“普通のこと”であった。
自分は特別な生活環境だったから、そうした疑問を持っていたのだと、ずっとそう思って生きてきた。

しかし、最近になり、「愛とは何か?」という疑問を持っているのは、男性に多くいることに気づき、そしてその多くの男性には、愛とはこういうものである、という明確に答えることができない人が多いことにも気が付いた。

女性作家が、「愛とは何か?」という問いを立てて、小説やエッセイを書くということもあるが、その多くは「愛とは〇〇ですよね」という、言語化できる程の明確な答えを持っていることにも、気づいたのだ。
そして、女性の明確な答えには、納得できる、説得力のある答えが多い。

男性の作家が同じように、「愛とは何か?」という問いを立てて、物語やエッセイを書いた際には、結論として「愛とは〇〇である」という明確な言語化できるものがなく、あやふやなもの、ふわっとしたものとして、「結論は読者に委ねる」という作品がとても多い。

言語化のプロである作家でさえ、言語化できないものがあるということを考えると、「男性には愛というものが分からないのではないか」と考えることが、一番自然なのではないかと思うのだ。

私の生活環境が、愛というものをわからなくしていると思っていた私は、この結論に至ることで合点がいったのだ。

幼少期から考えても、本を読んでも、人に聞いても、結局いまだに「愛とは何か?」の問いについての答えがない。
いくら私のような、無知な人間でも、これだけの日数と時間と分量を費やしても答えが出ないというのは、いくらなんでもおかしいと思っていた。

男性はそもそも腹を痛めた経験がないため、子供に対する愛情が薄いとか、女性の気持ちがわからないということがよく言われるが、その原因はここにあるのではないかと考えると、全てが納得いく。

子供を産んだ経験のある女性は「子供が全て」という人が多いが、男性は結婚して子供が産まれても「子供が全て」という人ばかりではない。現に私の義父も、「妻が全てだ。子供はまた作ればいい」などと言っている。

おそらく、世の女性のほとんどを敵に回すような発言だが、そんなに物議を醸す発言だとは自分で気づいていない。
それほど、男性の中には「愛とは何か?」という問いの答えが明確にない人が予想以上に多いのが現実なのではないかと思うのだ。

男性に愛が理解できないということを踏まえると、「家族を守る」という父親としての使命も、使命感であり、責任感のもとに行われているとも考えることができる。
それは、会社において、組織や部下を守るような気持ちに近い。
そんな、社会性を持たなければ、男性というのは社会で生きていけなかったのだとも考えられるが、「愛」というものに真正面から向き合ったことがないとも言えるのではないかと思う。

男性に「私のこと愛してる?」と聞いたことがある女性は、今では化石ものかもしれないが、もしも聞いた経験がある女性は、その答えは“納得した答え”だっただろうか。
おそらく、女性が期待した答えをくれる男性というのは、一握りだろうと想像できる。

こうした、「どれだけ考えてもわからないもの」が、相手を理解できないことにまで発展してしまうのだと考えると、「仕方ない」と諦めることができるような気がするが。

それは、甘えだと女性から怒られそうだ。


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