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文化はバケモノになる

自然発生ではできないはずのもの


文化を統制することは可能なのか

コミュニティは文化である。
自然発生ではできない、人工的な文化を作っていくこと。
デジタルコミュニティの文化をつくる際に、文化を統制するために厳しい戒律が必要になる。
それをどのように表現していくかは、それぞれの裁量に任されている。

思想、心情はクレド。
ルールは、戒律。

有象無象が集まってくるハードルの低いコミュニティは、距離感がおかしい人が集まってくる。
そこにはルールが必要となる。

一定の割合、必ずおかしな人が現れる。
そうした人に、どのように対処していくか。

偽サイトのリンク、プライオリティの狂った人に対処する必要がある。
BANすることも限界があり、そこには必ずルールが必要なのである。

ルール。戒律。

戒律というものは、紀元前から存在しており、人々をまとめていくためには必ず必要なものであることは、今までの人類の歴史が証明している。

コミュニティの距離感というのは、例外なく難しい。
こうしたデジタルコミュニティだけではなく、リアルのコミュニティでも距離感というものは難しい。

人との距離感がわかっているかのように、人との関係性を築いていく人もいる。
ここの違いというのはどういったものだろうか。

私が感じるのは、『鈍感力』だと思う。

敏感すぎる人には生きにくい社会であることは間違いない。
『繊細さん』などと可愛らしい名前をつけられているが、少し前までこうした人たちのことは『コミュ障』などといって揶揄していた人が多かった。
しかし、こうした人が多くなってきたとアンテナでキャッチしていくと、一気に“肯定派”になっていく。

ここにはルールというものが存在しない。
しかし、人々はまるで、イワシの群れのように流れを作り、それに従って生きている。
流れを乱すものも一部存在する。一匹二匹の脱線では、全体の流れに大きな影響はない。

ルールでもないのに流れを起こし、反逆する一部の人間を見ることもなく突き進むその様は、ある種異様な光景である。
反逆を起こした人間が、ムーブメントを起こすほどの流れを起こした際には、皆が示し合わせたようにそちらに突き進んでいく。

ルールなどない。しかし戒律がないのか、というと少しひっかかる。
戒律、戒め。
やってはいけないこと。
それは、流れに従わなくてはいけない。という見えないルールとなって、イワシたちに襲いかかる。

流れという恐ろしい波。
これに従うことが、自分を被害者にしない唯一の方法。
人がいじめられていたら、見て見ぬふりをする。
決して、止めたり、苦言を呈してはならない。
流れに逆らうことによって、『反逆者』とみなされて、『被害者の自分』が完成する。

自分の中では正義でも、流れがすべて。
流れが、『自分の思う流れ』でなくとも、流れがすべて。
それが『空気』をつくる。
「そういう空気ではなかった」
そう言わざるを得ない状況というものが生まれる。

そしてその空気が、全体の意思かのように、まるで生き物のように活動し始める。
その生き物は、やがて、化け物になる。

化け物は、バケモノとなり、私たちを支配しはじめる。
バケモノに立ち向かえるのは、同じ種であるイワシには現れない。
つまり、日本人では解決できない。
そこに現れた、白人や黒人、韓国人や中国人という『異人種』の思想の中に答えを見つけていく。

例えば、マークザッカーバーグや、スティーブ・ジョブズ。
こうした人が言うことなら、たとえその『流れ』に逆らっていても、イワシたちは聞き入れる。
「そうか、そんな方法があったのか! 目から鱗だった!」
などと、素直に聞く。だから異国の人々には、「この国のイワシは素直だ」と絶賛される。しかし、国内に住んでいる同じイワシの仲間には、頑なに自分の価値観を押し付けている。
「私が正しい。あなたは間違っている」
そういった態度で接する。
そこに存在するのは、『流れを起こしている波』である。
まるで、イワシの国の代表者のように、自らの意見を述べる。
「これが正しい」と言わんとするようなものの言い方。

こうした国内で多く存在する『流れ』や『波』に苦しめられているのに、イワシたちはその呪縛から逃げようとはしない。
異国に飛び出そうとも、異文化を勉強しようと思うイワシも、ごく一部だ。
留学や、異国での就職を考えるものも少ない。
イワシは、イワシ語しか話せないイワシが多いこともあると思うが、私はバケモノと上手く付き合っっていくことが、『生きること』だと思っているイワシが多いことが原因だと思っている。

この根本的な原因は何かと考えてみた。
バケモノが作り出す大きな波。
やがて、自分もバケモノのの一部となる。
そして、『自分の思想が世界を支配している』とバケモノと同じ思想となる。
しかし、それには気づかないイワシたち。

イワシたちは、本当の大海を知らない、蛙(かわず)なのではないだろうか。

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