父親の話

うちの父は若干変わっている。
いつもひねくれた斜に構えた考えと態度で、プライドも高くて仕事もすぐにやめてばかりで、所謂冷笑系でバラエティ番組とかクイーン以外の音楽とか全部くだらないと笑う人だ。

私は間違いなく父親似で、父と馬が合うこともあるしその考え方を知っていて良かったなとも思う。
でも最近、父にあんまりついて行きたくないな、と思うようになってきた。
自分がいいな、面白いな、好きだなと思ったものも全部、くだらないと一蹴されてきてうんざりしてきたからだと思う。

私はまだいい、盲目的なまでに好きな物を信仰する危険なところがあるから。 実際父と喧嘩するほど夢中になったもので、数年後に化けの皮が剥がれたものもあった。
でも母が好んでつけて笑っているテレビや趣味のゴルフまで貶しだした。 家事をまったくしない父や自分の分まで家事をして仕事もしてきた母、私よりずっと賢明な人の楽しみを。

知っていて言っているんだろうか、と思った。 容姿も性格も彼に似ている自分にかなり嫌気がさした。 母が離婚して家を出ることを考えている理由として父を信じられなくなってきたと言ったわけがなんだかちょっとわかった気もした。


もういい加減年だけは大人だし、多分父にも母にも寄りかからない自分の価値観を確立させるべきなのだろう。 

平和な世の中になって離婚が成立したら、自分も家を出て他人に迷惑をかけない程度に好きなことをして好きな物を愛そうと思った。 とりあえず好きな音楽をかけたいから壁の厚いところがいい。

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