『Urban Crows Mistress』セルフライナーノーツ的なもの


The Purple 3rd Album 『Urban Crows Mistress』

今年の2月11日にリリースしたThePurpleの3枚目のアルバム、『Urban Crows Mistress』が実はひっそりとサブスクでの配信が開始しました。
メンバーに「アルバム作るぜ!」って言いだしてから実に2年経っていて、メンバー共通のドライブのデモ楽曲フォルダ名も『22年度アルバムレコーディング用新曲達』となっている。
なんだかんだと時間がかかったのはメンバーの休養とライブを断りたくない僕のエゴからである。
ギターのキシダは東京在住でただでさえ頻繁には参加できない上に、一昨年は体調を崩して少しバンド活動を休んでいた。
しかし、ThePurpleは元々3ピースだった事もあり、3人で出れるライブには積極的に出ていこうという話になっていたため、ライブ活動自体は止まらなかった。
コロナ禍中にうまくライブ活動ができなかった頃に出会ったバンド仲間やライブハウスから呼んでもらえる事も多くなり、その一つ一つの想いを無下に出来ず、その結果レコーディングも遅れに遅れてしまった。いやー申し訳ない。

■とは言え…

やっぱり新曲もやりたいし、現にやっている以上は音源として世に出したい。
「今日の3番目にやった曲が入ってるCDください!」なんて言われて「すみませんまだレコーディング中で・・・」を1年言い続けてはいかんやろ!となり(とはいえ合間合間で作業は進めていたのですが)、紆余曲折ありやっと完成に至ったのである。

■そしてレコ発へ

そして最高のメンツを集めたレコ発を開催し、リリースへと至った後、多分今までで1番時間もかかったし、1番曲数も多いアルバムだなと振り返り、募る思いも一入ではないなと思い、今回このタイミングで1曲ずつ紹介出来たらなと思っています。

■1.Lightning Dance

インスト曲です。基本インスト曲から始まるThePurpleのライブで昨今は必ず1曲目に持ってこられる曲。
確か夜勤か何かの時に頭の中に降ってきたフレーズをつなぎ合わせて作った曲で、テーマは「僕なりのMAD3的な曲」です。全然違う気もするけど。
敬愛するEDDIEさんにも直接このお話をしたいと思っています。
今までとは少し違うリズムを使ってみたりしていますが、よく聴くといつも通りです笑

■2.Trouble Making

コンセプトは「サビはYEAH!だけ」。
単純にみんなで「YEAH!」と叫ぶ曲が作りたくて作ったのですが、結果はメンバー以外と演奏に忙しいみたいでやってくれません笑
お客さんも是非、ライブの際は腕の一つも振り上げて、日々の鬱憤を「YEAH!」で晴らしてみませんか?お願いします。晴らしましょう。「YEAH!」で。

■3.都会のカラスは夜も飛ぶ

一応今作の表題的な曲です。
夜中に栄の辺りを車で流しているときに、夜なのにカラスが飛んでる。
「鳥目」って言葉があるくらいで、夜は飛ばないもんだと思ってたんですが、意外に飛ぶんだなぁ。繁華街のカラスはそんな街の明かりすらも味方につけるほどたくましくやってるんだなぁと思って書いた曲です。
実際に普通に生きてるカラスが夜飛べないのかとかは僕の妄想なので分かりませんが、まあやっぱ順応していくもんですね、生き物。
曲としては久々に四つ打ち的に、そしていつになく凝った構成になってます。アウトロのイトーさんのベースラインがアツい。
この曲はレコーディングで珍しくヴァンザントのムスタングをメインで使わなかった曲です。メンテがレコ日に間に合わずにTeeveeを使いました。

■4.Sky Scraper Dance

最初のフィードバックが某天体観測をイメージさせておいて、意外とダークな曲が始まるという個人的にはギャップ狙い笑
結構やりたいことを詰め込んでみた結果、そのフレーズをキシダが弾けなくて俺が弾いたりとレコーディング中は色々あった曲。4弦だけ使用するフレーズだったので、キシダが4弦以外を全部切って録ろうとした時は割とマジで唖然としました笑
・・・そういえばカラスのワウのフレーズも俺が弾いてるわ!俺はそろそろギター楽してぇのに!笑

■5.箱庭-basement-

22年にシングルカットされた先行曲。我々初のMVを撮った曲でもあります。
実はパープルの曲は大体僕が全部家でデモを作って、それをメンバーに渡し、その後各メンバーが要所要所のアレンジを考えてきて形になっていくというスタイルを取っているのですが、この曲だけはそんなデモが存在しません。
何故なら作った当時、俺のパソコンは壊れていてYouTubeやインターネットを見ることはおろか、楽曲制作なんぞできる状態になかったからである。
結果としてこの曲は、僕がiPhoneのボイスレコーダで録ったものを各メンバーに送り、それをバックで流しながら僕が大雑把にドラムを叩いたものをいのうえに見せ、「こういう感じ~(意味不明)」という感じで作っていった楽曲です。
いつもと勝手は違ったものの、思ったより手こずることもなく、思ったよりいいものに仕上がったので割と驚いてはいます。
デモを作れないがゆえに頭の中に描いていたものをうまくアウトプットできたのかなぁ。
ちなみにバッキングパートのギターはシェリーさんから譲ってもらったテレキャスターを使っています。

■6.Grass Hopper

先行でシングルカットされた楽曲(箱庭とMustang)以外にも今回は3人で録った曲が2曲あるのですが、そのうちの1曲。
3人で録った事に特に大きな理由はないのですが、それで正解だったなと後から聴いて思ったりします。
このアルバムの中で一番トリッキーで端的に言って変な曲です笑
元々は結成当初のパープルの練習の時に、ドラムが急遽来れなくなった時にイトーさんが持ってきたベースフレーズから2人で作った曲だったのですが、ずっと2人で録ったボイスメモのデータだけがドライブの隅に置いてあり、それをいのうえが「これやらんの?」と言い出したのがきっかけで掘り起こされました。
ギターも珍しくフロントの甘い音にCE-1のコーラスかけっぱなしというちょっといつもとテイストも異なる音色にしました。3人の時にライブでやりたい。

■7.Blue

この曲も実は箱庭よりもかなり前に作ったはいいもののデモが作れずに放置されていた曲です。
実は夢で聴いた曲で、その夢の中では町田康が歌っていました(絶対あの人が歌うようなテイストではない笑)
僕は曲を作るときに一番時間がかかるのが作詞で、毎回頭をひねらせながらあーでもないこーでもないとやっているのですが、この曲は韻を踏みまくるというテーマをつけて書いていたら、割とすんなりと出てきました。
ただ年々歌詞が覚えられなくなっている俺にとって、かなり難易度の高い曲になってきています笑

■8.Mustang

前述の箱庭と共にシングルカットされた楽曲。
実はパープルの前身バンドのために書いた曲だったのですが、当時のメンバーに割と否定的な感想を言われ、さらに当時はそこを補うべく結構アレンジしてやっていたのですが、個人的には全然納得できていない状況で当時はやっていました。
しかしそこは我らがイトーさんといのうえ。アレンジされる前の音源を元にバチッと納得のアレンジを2人とも施してくれています。
そして、ギターソロ後の間奏のアレンジに一役買っているのが、いのうえが不在の時に度々サポートドラムを引き受けてくれるハガクレのウェイシ・オノ。我々の間ではこのアレンジを『オノ・スペシャル』と愛着を持って呼んでいます。

■9.New Game!!!

3人で録音したもう1曲。
久々に全英語詞。無駄に全英語詞。
普段から特にメッセージ性のある楽曲を書いているわけではないのですが、この曲はその中でも特に中身はない歌詞です笑
イトーさんが英語の分かるキシダに「言ってること分かりますか?」と聞いた際「全然わからないです」とキシダが答えたそうです。中身はないので当然笑
こちらもサビは「YEAH!」のみ。このアルバムはサビが「YEAH!」だけの歌詞が2曲もあります笑
とにかく3人の演奏力を前に出した曲を作りたくて書いた曲で、いのうえのフィルから始まり、イトーさんのベースソロともうとにかくやりたい放題です。
そして全英語詞というのが、またしても俺が歌詞を覚えられずに自分で自分の首を絞めています笑

■10.Barrage

僕が20代前半の頃にキシダと2人でやっていたバンド時代の曲で、当時のキシダが打ち込んだドラムをいのうえが猛烈なテクで再現しています。これは最早いのうえ曲です。
コンセプトは「ブラックラグーン」で、僕が1番好きな漫画作品であるブラックラグーンをイメージに書いた曲です。題名も同漫画の作者の広江礼威先生の出した画集から付けました。
とにかく弾丸が飛び交うような戦場をイメージして作曲し、それを踏まえてキシダが割と無茶な(でも腕が3本無いと叩けないとかそういうフレーズはないはず)ドラムを打ち込み、それをいのうえが最強に苦労をしながら叩いています。ベースはさり気にドロップDチューニングです。

■11.Janis

僕のソロプロジェクト『Purple Cadillac Project』の『Girl Meets Blue』というアルバムに収録されていた楽曲のバンドアレンジバージョンです。PCPでは女性ボーカルですが、僕が歌うのを踏まえてキーも変わっています。
旅の終わりの曲という事で、しっとり、でもギターはギャンギャンにというイメージで録りました。サビのキシダのギターフレーズがよい仕事をしております。
余談ですが、曲の中のJanisは運転手の恋人なんですが、名前はもちろんジャニスジョプリンから来ています。

■最後に

個人的には結構まとまったいいアルバムができたと思っています。
こんな良いアルバムを引っ提げて、なんと僕らは9月からツアーをします!

全10か所!西は岡山から東は東京日野まで!回るぜ日本!!

中部の司令塔こと吉野さんのご協力と全国各地の仲間の力添えもあり、やらせていただきます。ツアー。
サブスク解禁した後にこんなことをいうのも何なんですが、全国の皆さん、アルバム、買ってください笑
このツアーで全国各地にこのアルバムをばら撒いてThePurpleの爪痕をしっかり残させて頂きたいと思っておりますゆえ、全国の皆様よろしくお願いいたします。
いやー純粋に楽しみですね。張り切ってやらせていただきますよ!
それではよろしゅう!

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