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なんでもない日の日記。

※途中まではノンフィクションです。

高校二年生、初めてのアルバイト、私は口座を作成するようアルバイト先の店長に言われました。私は銀行に行き、口座を作成したい旨を伝えました。銀行窓口のお姉さんは早口で説明をこなすので私は頷くのに精いっぱいでした。

「口座を開設するのに幾らか入金しなくてはなりません」

「ええと、それはいくらからですか」

「1円からになります」

「あっ、では1円でお願いします」

「1円ですね」

銀行窓口のお姉さんは私を見て世間知らずの白痴を見るかのように笑った気がしました。しかし私にとって幻覚幻聴はよくあることなので、幻覚だろうと自分に言い聞かせそのまま書類を書き進めました。

「通帳は作りますか」

「あ、ええと、いいです」

「かしこまりました」

銀行窓口のお姉さんは白痴に対する含み笑いを止めません。ええい幻覚だ、現実だとしても口座さえ作ってしまえばこっちのものだ、後はどうにでもなる、と言い聞かせて何とか銀行を這い出ます。銀行の駐車場で車に乗っていた母に正義を成し遂げたことを報告しました。

「あんた通帳は」

「えっ」

「口座を作っても、通帳が無いと給料引き出せないよ」

初耳です。あの銀行窓口のお姉さんもそんなことは言っていなかったように思います。しかし恐らく母の呆れた顔を見るにそれが真実なのでしょう。私は這いずるように逃げ出した銀行にもう一度足を踏み入れます。

「あの、すみません、やっぱり通帳を作りたいんですけど」

「っふ、最初は作らないって言ったのに」

明らかに銀行窓口のお姉さんは私を笑っていました。私は利き手に握り締めた斧を彼女の脳天に叩きつけました。

「ギョゲブッ」

死体は顔面にまっすぐな対象軸が引かれていました。私の斧がブチ抜いてやったのです。

死体は私に通帳を作ろうとした表情のまま固まっていました。そうだ、この女が本当に私を笑っていたのかふつうの人間に確認してもらおう。良いアイディアを思い付いた私はさっそく実行に移しました。「誰かー!この女の人が笑っているのか私と確認してもらえませんかー!」「誰かー!この女の人に救急車をー!」勝手にハモりやがって。殺す。「ギョブバッ」二人殺してしまったので私は死刑になりました。

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