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ラプラス変換の魔術師こと俺はパーティーから追い出されたが難問であるはずの電験二種 平成28年 問3 をやすやすと解説する


これな

 どこにもラプラス変換での解説が見当たらなかったので俺様直々に解説してやるありがたく思え。※電験を受験しない人たちはまずラプラス変換で解いてみてください。分からなかったら読めばいいのに。

 まず(1)はラプラス変換もクソもない。
 it(0)は0なんだから微分しても0じゃね? と思うかもしれんが、微分は関数の傾きを表現できるので、i(t)という関数が時刻と共に変化している以上、0ではない、という事をまず分かれ。

 というかこの問題はi(t)の微分と回路方程式の立て方さえ攻略できれば容易にラプラス変換で解くことが出来る。

 (1)にもどって、t=0の瞬間の回路方程式は以下となる。

 $${\LARGE Vc(0)= Ri(0)+L\frac{di(0)}{dt}}$$


 ここで、Ri(0)である。なぜならスイッチを閉じた瞬間はコイルに阻まれ電流が流れず、従ってi(0)=0だからである。
 しかしながら、i(0)の微分は傾きを表すため、0とは限らない。よって、回路方程式は下記のように書き換えられる。

$${\LARGE Vc(t)= L\frac{di(0)}{dt}}$$

 問題文で、Vc(0)とLの値は自明明記されている。
 Vc(0)について一応説明すると、電流はまだ流れていないでの電圧降下のしようがなく、よって充電された値の1[v]のままである。
 値を代入すると、

$${\LARGE 1= 0.5\frac{di(0)}{dt}}$$

∴ $${\LARGE \frac{1}{0.5} = \frac{di(0)}{dt}}$$

(1)が解けた。3点ゲット。

(2)はもういきなり、i(t)の式を導けとなっている。ここでみんな死ぬと思う。ともかくラプラス変換で解こうとするなら、まず回路方程式を立てなければいけない。ていうか上で既に立ててますね。

$${\LARGE Vc(t)= Ri(t)+L\frac{di(t)}{dt}}$$

ただし、Vc(t)をi(t)に直さないと方程式が解けないので、直してやります。
ご存じの通り、コンデンサ内を通過したqの総数は電流iを積分したものと等価なので、普通は

$${\LARGE Vc(t) = \frac{1}{C}\int {i(t)}dt }$$

とか書けますが、本問の場合、i1(t)コンデンサから出ていく電流な(コンデンサの電圧は徐々に減少してく)ので、負記号が付く。これを忘れるとわけわからんことになるので、

$${\LARGE Vc(t) = -\frac{1}{C}\int {i(t)}dt }$$

とちゃんと直しましょう。これを回路方程式に代入。

$${\LARGE -\frac{1}{C}\int {i(t)}dt = Ri(t)+L\frac{di(t)}{dt}}$$

純粋にi1(t)のみで立式できたが、積分と微分が混じっていて、まだラプラス変換しにくい。ていうか正直、初期電荷がある場合、積分形のコンデンサはラプラス変換しにくい。
ここがミソなわけだが、とりあえず両辺を微分する。

$${\LARGE -\frac{1}{C} i(t)dt = \frac {dRi(t)}{dt}+L\frac{d^2i(t)}{dt^2}}$$

負符号がウザいので右辺をゼロとして整理する。

$${\LARGE \frac{1}{C} i(t)dt +\frac {dRi(t)}{dt}+L\frac{d^2i(t)}{dt^2}= 0}$$

立式できたのでラプラス変換する。
ここでポイントなのが、i(0)の微分が2であると既にわかっていること。

$${\LARGE \frac{1}{C}I+sIR+L(s^2I-2)=0 }$$

単純に変換表のまま2を代入する。
そんでS^2があることから、最終的にヘビサイド展開したいので式を整理したい。

まず
R、C、Hの値は明記されているので代入する。

$${\LARGE \frac{1}{0.4}I+sI3+0.5(s^2I-2)=0 }$$

Lのとこがややこしいので一旦()内を展開する。

$${\LARGE \frac{1}{0.4}I+sI3+0.5s^2I-1=0 }$$

実数を右辺にもってくる。

$${\LARGE \frac{1}{0.4}I+sI3+0.5s^2I=1 }$$

小数点がウザいので両辺を0.5で割る。

$${\LARGE 5I+6sI+s^2I=2 }$$

左辺をIでくくって整理する。

$${\LARGE I( s^2+6s+5)=2 }$$

$${\LARGE I=\frac{2 }{s^2+6s+5 }}$$

ヘビサイド展開したいので、右辺分子を因数分解する。

$${\LARGE I=\frac{2 }{(s+1)(s+5) }}$$

ヘビサイド展開する。

$${\LARGE \frac{2 }{(s+1)(s+5) }=\frac{A}{(s+1)} +\frac{B}{(s+5)}}$$

Aについて、
$${\LARGE \left. A =\frac{2}{(s+5)} \right|_{s=-1} =0.5}$$

Bについて、
$${\LARGE \left. B =\frac{2}{(s+1)} \right|_{s=-5} =-0.5}$$

$${\LARGE I=\frac{2 }{(s+1)(s+5)} =\frac{0.5}{(s+1)} +\frac{-0.5}{(s+5)}}$$

ヘビサイド展開後の式を逆ラプラス変換する。

$${\LARGE i(t)=0.5e^{-t}-0.5e^{-5t} }$$

とまあ、回路方程式の符号さえ間違えなければ5分で解答できると思う。
ここまで来たら、(5)は自力で考えられると思う。

まぁ頑張れ愚民共。




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