![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144236387/rectangle_large_type_2_0c1144297b0bd4e69f170cfd1ef4abef.jpg?width=1200)
#55『”ねぇ、本気になってもいいの?”SHISHAMO「夏恋注意報」を語る』
今回は2023年6月28日に配信シングルとしてリリースされた「夏恋注意報」について語ります。この曲は2024年4月10日にリリースされた最新アルバムSHISHAMO8の2曲目にも収録されています。
簡単に説明すると”恋に臆病になっている片想いの女の子の心情”がテーマに描かれています。YouTubeにてMVがありますので載せておきます。
それでは語っていきます。
一番Aメロの歌詞
パッと咲いては枯れちまった
そんな恋をいくつかしてきた
だからさすがに分かってる
浮かれてること気付いてる
君は楽しんでるだけ?
私だってそりゃ楽しいけどさ
心底好きになったなら
楽しいだけじゃいられないじゃない
冒頭の「パッと咲いては枯れちまった そんな恋をいくつかしてきた」というのは、気になっている人といざ話してみたりしてみたら思っていた人と違ったというように、一瞬で冷めてしまうような恋ばかりを繰り返してきたといったところでしょうか。でも、その後に「浮かれてること気付いてる」と今までの自分とは明らかに違う様子を描いていることから、今回は本気で恋に落ちてしまったことが読み取れますよね。
「君は楽しんでるだけ?」と直接口では聞けないことを心の中でつぶやいている感じがいかにも片想いしている女の子らしい表現だなと思います。そして「心底好きになったなら 楽しいだけじゃいられないじゃない」というフレーズ。好きだからこそ、彼ともっと一緒にいたいという欲がでてきたという展開ですね。
一番Bメロの歌詞
私はもうとっくに
君を想って泣いたりする夜もあるくらい
戻れないところまで来ちゃったのに
「君を想って泣く」って一体どういう感情なんでしょうか?好き過ぎて苦しいみたいな感覚に近いのかな...。そこはさておき、彼のことが相当好きだということは伝わってきますよね。
でも「私はもうとっくに」「戻れないところまで来ちゃったのに」と言っていることから、裏返すとその彼からのアプローチは一切ない状況だということが読み取れてきます。主人公はもしかしたら彼は私のことは恋愛対象として見れないのかもというような不安を少し感じているようなフレーズにも思えますよね。ただ、その彼がすごい鈍感なタイプなだけかも知れないですし、そこは描かれてないので正直わかりません....。
一番サビの歌詞
ねぇ、本気になってもいいの?
今ならまだ引き返せる
傷は浅くて済むかも
夏のせいだって割り切って
君を知らなかった私に ほら戻れるよ
でも戻りたくないそんな世界
平穏な日々はもういらない
柄にもなくドキドキしすぎて
泣きそう 破けそう
夏恋注意報
「ねぇ、本気になってもいいの? 今ならまだ引き返せる」と主人公はこの人に踏み込んでしまっていいのかと悩んでいることが分かります。その後の「傷は浅くて済むかも」とどこか上手くいかない前提なのが気になりますよね。自分への自信のなさが原因なのかも知れませんが、もしかしたら苦い恋愛経験をした過去があるからなのではないでしょうか....。
次の「夏のせいだと割り切って」というフレーズ。夏というと、花火大会やお祭り、海水浴やキャンプというように何かと楽しいことが目白押しですよね。そう思うと夏というシーズンは彼女または彼氏が欲しいなと思ってしまいやすい傾向があるように思います。だから、主人公は傷つくくらいなら夏のせいで彼氏が欲しかっただけだと割り切ってしまえば「君を知らなかった私に戻れる」と考えた訳ですよね。
「でも戻りたくないそんな世界」と言っているように、誰かを好きな気持ちってそんな簡単に割り切ることなんてできないですよね。その後の「平穏な日々はもういらない」がきっと本音で、彼ともっと楽しい時間を過ごしたいということですよね。
そして「柄にもなくドキドキしすぎて 泣きそう 破けそう 夏恋注意報」というフレーズ。この曲のタイトルにもなっている「夏恋注意報」というワードがここで登場します。誰かを好きになることって、色んな感情に振り回されてしまいますよね。まさにこの主人公のように、浮かれたり、彼を想って泣いたり、傷つくのが嫌だから夏のせいにしてなかったことにしようとしたり、でもやっぱり好きな気持ちが止めれらなくて平穏な日常には戻りたくないと思ったりと。そんな夏の恋には気を付けましょうという意味を込めて「夏恋注意報」としている訳ですよね。これまた上手い言葉の表現だなと思います。
二番Aメロの歌詞
共通の友人に聞き込みをしたところ
結構真面目なヤツらしい
遊ぶようなヤツじゃないらしい
ああ、ほら気付いたらまた
自分に都合のいい君の噂を探してる
理由ばっかり数えてる
誰だって好きになった人がどういう人なのかを事前に知って安心したいものですよね。そう思うと「自分に都合のいい君の噂を探してる」というフレーズはなんだか分かる気がします。どんな人でも付き合ってみないと見えてこない部分ってあると思います。でも、誰かを好きになれることって滅多にないじゃないですか。だからこそ素敵な人だと信じたくて、いい噂ばかりをついつい探してしまうのではないかなと思いました。
二番Bメロの歌詞
そんなに真っ直ぐに私を見ないで
気持ち きっとバレてしまうから
まだ気付かないで もう少しだけ
好きな人に見つめられてしまったら誰だって照れてしまいますよね。ただ、好きな気持ちがまだバレてほしくないというのはどういう心理なんでしょうか...。もしかしたら少しだけ片想いの現状を楽しんでいるのかも知れませんね。
Cメロの歌詞
今年の夏できなかったあれもこれも
「来年の夏行けばいいじゃん」って
言えないの もう嫌だよ
欲張っていいのなら
来年もその先も約束させて
「今年の夏できなかったあれもこれも」というフレーズからは彼と行きたい場所やしたい事が沢山あるということが伝わってきますよね。
その後の「来年の夏行けばいいじゃん」はやっぱり付き合っているカップルが言うセリフじゃないですか。付き合っていない異性に言うのは遠回しに好きだと言ってるようなもんですから、付き合う前だと中々言えないですよね。
そして、来年もその先も約束したいと思っているのは、本当に欲張りだなと思います(笑)。でもそれくらい彼のことが好きなんだと思うと一途で可愛いですよね。
Dメロの歌詞
でも本気になってしまったら
これ以上好きになってしまったら
言い訳できなくなったら
気持ちが溢れてしまったら
君にバレてしまったら
どんな顔して君に会えばいい?
ここの畳み掛けるような「~ったら」の連続の歌詞が、もうどうしたらいいのかわからなくてパニックになっている主人公の心情を上手く表現していますよね。好きバレしてしまったらどんな顔で会ったらいいのかわからなくなるというのは共感を呼びそうだなと思います。
最後のサビの歌詞
ねぇ、本気になってもいいの?
今ならまだ引き返せる
傷は浅くて済むかも
夏のせいだって割り切って
君を知らなかった私に…ほら…
いや、もう戻れない
この季節の魔法に
かけられたわけじゃない
そんなのとっくに気付いてた
夏のせいじゃないって分かってる
目が逸らせない 遠くで花火の音がする
夏が終わっても
この恋よ醒めないで
ハメ外しちゃうかも
夏恋注意報
「いや、もう戻れない」というフレーズになっていることから、主人公は彼にアプローチしていくと決心したことが読み取れますよね。
その後の「この季節の魔法に かけられたわけじゃない そんなのとっくに気付いてた 夏のせいじゃないって分かってる」もまた、季節なんて関係なく私は彼のことがただ好きなんだということが伝わってきていいですよね。
また「遠くで花火の音がする」と入っているのが、この曲に夏らしさもたらしているのと、遠くで鳴っている花火の音を聞いて、来年は彼と一緒に花火を見に行けますようにという主人公の祈りが込められているようで素敵なフレーズだなと思いました。
そして最後の「夏が終わっても この恋よ醒めないで ハメ外しちゃうかも 夏恋注意報」というフレーズ。「この恋よ醒めないで」とちょっと不安に思いながらも「ハメ外しちゃうかも」と明るい未来を想像しながら終わっていくのが個人的に凄くいいなと思いました。きっとこの恋は実ったことでしょう。
まとめ
恋に臆病になっている片想いの女の子が描かれていましたね。傷つくのが怖い自分と好きな気持ちが止められない自分とでせめぎ合って身動き取れないでいるところが共感してしまいますよね。
また、SHISHAMOにとって夏曲は力を入れて作っている節があり、今回の歌詞だと夏のせいにしようとするくだりがあったと思います。そこが夏という季節に特別感を出していて、SHISHAMOらしい歌詞のポイントだなと思いました。
サウンド面でいうと、SHISHAMOの代表曲となった「君と夏フェス」を彷彿させるような明るくて爽やかな曲調ですよね。大衆の人が好みそうなサウンドになっており、新たなにSHISHAMOの中でも人気となっていく一曲なのではないかと思います。
個人的にこの曲を聴いていていいなと思ったポイントがあって、最後のアウトロの部分なんですよね。よくある曲の展開だと最後のサビが一番盛り上がる部分でそのサビが終わるとアウトロは盛り下がってしまうこと多いと思います。ですが、この曲は最後のサビで「ハメ外しちゃうかも 夏恋注意報」の後”オーオーオー”と歌いながら、さらに駆け上がっていくようにギターの音色を奏でていくんですよね。そこが他の曲にはなくて新しいなと思いました。
この曲を新曲としてリリースした2023年夏ですがSHISHAMOが出演したライブやフェスで「夏恋注意報」の演奏中のみスマートフォンで撮影をしてもOKという新しい試みが行われたんですよね。私も、2023年7月22日に大阪城音楽堂で行われたSHISHAMOの野音に参戦した際にスマートフォンで撮影をすることができ、冒頭の写真はそのときのものです。また、映像も少し撮ることができ、いい思い出になっています。
また、話が変わりますが、先日、SHISHAMO ワンマンツアー2024初夏「退屈なハッピーエンドに迷い込んだのは君のせいだ」の名古屋公演に参戦しました。その際にこの曲のMVにまつわるエピソードを話していたのですが、なんと撮影したのが真冬の寒い時期だったそうで、とてもそういう風には見えないので驚きました。このエピソードを知った上でMVを見てみるのも面白いのではないでしょうか。
最後に”SHISHAMO NEWS 〜「夏恋注意報」Special Movie〜”と題した映像がYouTubeにて公開されているので載せておきます。これはリリース時に先駆けて公開された映像で、ギターボーカルの宮崎がキャスターを、ドラムの吉川がコメンテーター、ベースの松岡がリポーターをしており可愛くて面白いので興味がある方はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
皆さんも是非聴いて見て下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?