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紫陽花の色を感じる緑を描く

  1.   梅雨の頃、紫陽花の色を感じる緑を描く

  2.   梅雨の頃の緑には、紫陽花のブルーが似あう。 アジサイ色を感じさせるような緑の描き方は、ブルーの薄い色を余白の近くに塗ることだ。濃い色彩に重ねると、重い感じになる。

  3. 余白に塗ったセルリアンブルートーンの上に薄いパーマネントカーマインを重ねると紫陽花の色になる。
    色見本の上段が混ぜて使う色。下段が重ねて使う色で、セロハンのように薄い色を重ねる。
     

  4. 下段のブリリアントレッドバイオレットは、単色で使う(混色で使わない)。下段の薄いセルリアンブルートーンにブリリアントレッドバイオレットの薄い色を重ねると、鮮やかなアジサイ色になる(この場合は、混色ではなく重色)。

  5.  朱色(カドミウムレッドライト)、あるいはベネチアンレッドにプルシャンブルーを混ぜると、重い暗い色ができる。黒よりも重い暗色が得られる。この色は陰影色として、暗いところで活躍する色だ。(フタログリーンにイングリッシュベネチアンレッドの混色も同様)

  6.  空の彩色は、綺麗に洗った筆に水を含ませて、空全体を濡らしておき、溜まりがないぐらいの状態の時に、色をおくとふわっとやわらかにひろがる。梅雨の頃に合わせた空の彩色をしたい。

  7. 紫陽花の色は、天気の良い日は濃い色に見える。曇り空の日は、白っぽく薄く感じるので、緑と変わらない明度になる。曇りの日は、紫陽花の明るさを際だたせるような彩色、影色を紫陽花の下の緑に塗ると効果的だ。真ん中あたりから遠くへ誘うように、部分的に塗ること。一番手前と一番遠くは必要ない。
        この影色は、フタログリーンにヴェネチアンレッドの混色でつくる。出来た色は、元のどちらでもない別な色ができる。

       

  8. ブルーの効果。どこに塗ったか分からない程度に重ねると良い。薄く使うこと。陰影の中に近くの緑色や、ブルーを加えると、その頃の季節の感じが出る。リンゴの影色にリンゴ色を加える効果と同じように。
    ブルーは、白地の下や立ち上がっている緑の下、紫陽花の花の下などに塗る。画面に共通項を作ることで紫陽花の匂いを感じさせるように。
        横に広がる地面や草地など距離につながる部分には塗らない。離れている遠くの紫陽花も塗らない。手前の緑の中に塗るのは、アジサイ色の匂いの共通項を近い所に作るため。
        空にブルーの色を塗るのも、そうした共通項を作るためだ。右側三分の1に集まっている紫陽花と、遠くの空全体に共通項を作る。水を塗った画面にブルーを2、3ヶ所おき、後は筆をバァーと動かして空を表現する。

  9. 三原色の話。黄色の明るさは赤やブルーに合わせやすい。赤とブルーは、どちらも重い(明度が低い)色で合わせずらい。紫色を混色で作らず、単色で重ねて塗ること。ブルーが先で、後から赤を重ねる。
        紫陽花の色、基本は、乾いたセルリアンブルートーンの上にパーマネントカーマインを重ねる。生乾きのブルーにカーマインを重ねると混じり合って微妙な色合いになる。白地、ブルー、カーマインの三つが、少しぶれて重なるように塗ると、厚みや立体を感じさせる表現になる。

       紫陽花の色は、何度か重ねて色のコクのようなものをつくる。

  10. 作例は鉛筆でスケッチした後

       一回目の彩色をしたもの

セルリアンブルートーンを塗ってからブリリアントレッドバイオレットを重ねて滲ませる


   

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