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シンセ修理屋がクラリネット修理を始めたぞい


まぁ、タイトルそのまま。なぜかといえば息子が中学に上がり吹奏楽部にあがりバスクラリネットを始めたから。わたしゃもともと楽器というものそのものが大好きな人間なんでバスクラは基本高いからとりあえずべーくら(B♭クラリネット)の修理技術とか付けてみようかなと。

発想が飛び過ぎな気もするけど仕方ない。シンセ売れないんだもん。
わーお動機が不純

ま、もともとアコースティック楽器って面白いんだよ。吹いたら吹いたように音が出る。失敗した拭き方すれば失敗した音が出る。
これってシンセサイザーとかピアノとかの楽器にはないよね。
それ以前にシンセとかピアノとかだと基本ブレコンとかエクスプレッションペダルを使わない限り時間軸に対する音色変化をつけるのが苦手な楽器なのである。そこがシンセしててもどかしいところ。一応ブレコン持ってるけど受け付けてくれるうちの手元の楽器で一番新しいのはEX5、その前はSY99になっちゃうし、そもそも音源がCC#2受け付けてくんないしね。LoopMIDIで仮想ポート作ってMIDI OXでCC#2をCC#11にリアルタイム置換するとかしないとまともに使えないしと、まぁめんどくさい。

そんな思いもあってもともと管楽器とか息で音量コントロールできるものに憧れはあったんですよ。で、そこで息子の吹奏楽入りという事もあってクラリネットの修理販売を始めた次第です(何が次第だよ)

木管楽器の修理となると基本的にYAMAHAのスクールに通ったりするんだろうけどうちが頼ったのはスティーブンハワード先生のこの本。

この本すごい。要点がすべて書いてある。
ということでこの本をもとにいろいろ必要な道具集めたり、道具がなかったら道具を作ったりといろいろやって半年くらい経ってやっとどこが悪いとどうなるかみたいなところがわかるようになってきたところです。

もともとシンセでもモデリングシンセが大好き(国内で数代しかないと思われるTechnicsWSA1ユーザー)なのと、大学では一応音声工学を取ってたもんで色々と面白いんですよ、クラリネット。
クラリネットはシングルリードの閉管で円筒管、これはエアリードのフルートとかと違って構造的に奇数次倍音出ない、シンセ的に言うと矩形波が出るんですよ。木管楽器の円筒なだけで矩形波が出るんですよ!面白いじゃないですか。(同じ閉管のシングルリード楽器でも円錐管のサックスは倍音の出方が違う)

まぁ、そんなこんなでクラリネット修理販売をやろうということでまずは修理素材を手に入れなくちゃね、ってなるんだけどクラリネットの世界ってほぼビュッフェ・クランポン一強なんよね。てことでマイナーメーカーのものを仕入れては修理して演奏練習してーって感じでやってます。

当店店主のポリシーとして自分が演奏できない楽器は売りません、の精神なんで割りと必死に演奏練習してたりもする。

こんな感じで主流ではない、しかも安い。安いやつはたいてい半世紀なんてざらなくらい古い個体ばっかり。こんなもので修理と演奏練習してるもんだからオールドクラリネット沼にどっぷりハマったわけです。
中でも大好きでたまらないのが70年前に輸入されていたAugustBuffet、当時の宣伝で言うところのオーガストブヘー。
これの音が大好きで未だに一本手放せないでメインで練習してるようなところです。

現在修理待ちのクラリネットが30本、修理完了が10本程度、売れたのも結構あったり。決して主流となりえないマイナーオールドクラリネットたち。
この魅力をなんとか伝えたいなとおもって今後思いついたらエントリを書いていこうかと思います。
クラリネットはBuffet Crampon、YAMAHA、Selmerだけじゃないんだぞ、おもしろいやつも死ぬほどいっぱいあるんだぞということを少しでも知ってもらいたいんです。

修理技術についてはまだまだ日々勉強中の身ではありますが、情報の少ないオールドクラリネットの魅力を少しでも伝えたく、そして伝えたあとには是非うちでオーバーホールしたやつを買ってもらいたく、という意味も含めて少しずつなにか書いていこうと思います。

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