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『超時迷宮レジオン』サウンド制作について|吉田健志に訊く、ニチブツゲームサウンド制作の記録

祝・アーケードアーカイブス『超時迷宮レジオン』配信開始!
ハムスターさん、本当にありがとうございます。

布団に潜って今夜最後のスマホチェックをしたところ、レジオン復刻の報が流れてきましたので、急遽ベッドから這い出してのnote更新。

上記ブログは、元ニチブツサウンドスタッフ、現Aji Studioの吉田健志氏と、当時一ファンであったわたくしなるお(the syntaxerrors)の往復書簡やメールを元にした、ニチブツ(日本物産株式会社)のゲームミュージック、通称ニチブツサウンドの備忘録です。

このエントリーは、それをnote向けに再編集したものです。内容は基本的に当時のままですので、情報が古いことはご容赦ください。

以下、2012-06-03 23:47のエントリーより。


ーーーーー:最近また、レジオンの曲にハマってます。

あ、レジオンの曲、大好きです。

メイン・テーマは、
サウンドツールが4部音符と3連が同時に入らないので、
4分音符の部分と3連の部分を2~3曲に分けて、
プログラム的に繋いでいます。

曲の終わりに来ると次の曲に飛ぶように、
曲番号を入れてるのです。

ですから、サウンドテストで聴くと、分かれた部分が聴けますが……。
……基板がないと無理ですね。
やっぱり、苦労した物ほどよく覚えていますね。

ちなみに、企画は、Yさんって方です。
この方は、今も現社員です。
今は、競艇等の外注(D社)の窓口になっておられますね。

1999.11.29の吉田健志さんのメールより

「Yさん」とは、山下要介さん。アーケードアーカイブスでリリースされたタイトルでは、『セクターゾーン』や『マイティガイ』の企画者でもあります。

麻雀ゲームも手掛けられていたので、『アーケード版ゲームギャルズコレクション』(笠倉出版社刊)にも顔写真付きで登場されています。ファミ通で連載されていた鈴木みそさんのマンガ「おとなのしくみ」にも。

ところで『マイティガイ』、大味で何も考えずに遊べるのでぼくは大好き。基板は『コップ01』のものを再利用したものとのこと。白っぽい色の基板が珍しくて目を引きます。

そして『レジオン』の曲のグルーヴ感は、ほんと打ち込みとは思えない。エレキギターを想定していると思われる主旋律のチョーキングやアーム奏法の再現とか、今でもFM音源チップによる打ち込み楽曲としては最高峰だと思っています。

しかもチップはYM3526、OPLですよ(筆者追記:YM3812、OPL2だったような。確かニチブツが3526から3812に移行した初タイトルだった記憶が。いま資料がすぐ出てこないのでまた後日)。まるで4ピースバンドで奏でられているような珠玉のサウンド、いつか演奏してみたいな、と今でも時々夢見ています。


『超時迷宮レジオン』 スタッフリスト(いま手元ですぐわかるバージョン)
企画:山下要介
音楽:吉田健志
デザイン:田中孝則(キャラクター、BG)、上杉陽子(BG)

他の方については、分かり次第補足します。

以前、山下さんに当時のお話を色々とお聞かせいただけるチャンスがあり、興味深い資料もご用意いただくなど準備も進んでとても楽しみにしていたのですが、いつの間にか企画が立ち消えになってしまっていたことがありました。

あらためて自身で動こうと思ったときにはすでに遅く、ご連絡先も変わってしまっていました。このことは今でも残念でならず、自分の中に教訓として残っています。そのとき以来お話はできていないのですが、きっとお元気でいらっしゃることを願っています。

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