【自分を変える心理学1】「ついついやってしまう習慣に打ち勝つ」
こんにちは。SYNT代表佐々木です。
最近、話題の本「Irresistible 『僕らはそれに抵抗できない』」を読んでいます。
SNSに、ネットゲーム・・・
現代を生きる私たちは何かに対して「中毒」かもしれません。
「依存」と「習慣化」は似ていると思います。そこで・・・
【テクノロジーへの依存の功罪を論じた本書を読み】、
SYNTで英語学習サービスを作る上で、ユーザーさんがよりより習慣を得るヒントを得たいのです。
今日は、ケリー・マクゴニガルの本、「スタンフォードの自分を変える教室」から得た知識も混ぜますね。
それでは、本日の記事です。
この記事を読んでいる皆さんにも
「●●ができるようになりたい!」的な希望や夢があると思います。
プログラミングができるようになりたい、英語を話せるようになりたい、公認会計士になりたい、本を読んで教養をつけたい・・・etc
もっと抽象的なモノだと、「より良い人生を送りたい!」、「お金持ちになりたい!」、「賢くなりたい!」、的な感じでしょうか?
こういった欲求は、「将来に自分が手に入れる報酬」を望んでいると言えます。
一方、今まで"Irresistible"の記事で紹介してきたように、現代に生きる私たちの前には、様々な誘惑や欲求が渦巻いています。
家にいてもネットで漫画は読み放題だし、映画も見放題、Youtubeで時間を溶かすことも可能です。誰かとLINEやFacebookのチャットになんともなしに没入したりもできます。
究極的には、「いますぐ寝たい」的なものもそうです。こうした欲求は無数にありますよね?
これらは、「目先の報酬」と言えます。
つまり、私たちは常に、
「将来の報酬」vs 「目先の報酬」
という戦いに巻き込まれているのです。
=====例=====
午後22時@自宅
「英語勉強して英語話せるようになりたい」 vs 「眠いから今すぐ寝たい」
「スリムな体型を維持したい」 vs 「冷蔵庫にあるチョコアイスを食べたい」
向上心ある人間様はいつもこの構図と戦っています。
目先の報酬を満たすと、かなり満足感が得られますよね?
「眠い時に寝る」→幸せ
「食べたい時にアイスを食べる」→幸せ
そんな幸せの価値も決して、おざなりにはできません。
「やりたいことができる人生がいい人生じゃないか」
と考えるのもいかにも自由を愛する現代人風。
ですよね?
しかし、ここに落とし穴あり。
目先の報酬を満たすことばかりに傾倒すると、将来の報酬を逃してしまうことが多いのです。
英語を話せるようになりたいと思いながら、仕事疲れそのままにバタンキュー→幸せ→英語話せるようにならない→数年後に少し凹む
「ああ、英語話せたほうが絶対いいよな〜」
食べたい時にアイス食べる→幸せ→少しずつ太る→閾値を越えると恒常的に凹む
「あ〜、太った〜。」
そうなんです。
一方、この逆は、
「目先の報酬に目をくらませず、将来の報酬にコミットできること」。
そんなエライ人はこんな名セリフを言ってくれます。
「あの時頑張ったから、今の自分がある」
みたいな。皆さんにもいくつかこういう体験があると思います。
将来の報酬が、大きな喜びや幸せを提供してくれるのです。
つまり、月並みですが、
「将来の報酬」vs 「目先の報酬」には適切なバランスが必要かなと思うわけです。
適度にその場の欲求を充しながら、適度に将来のために努力なり我慢をする。
前置きが長くなりましたが、Irresistibleでも紹介してきました通り、人間は簡単に中毒や依存状態になります。
そんな欲求に弱い人間はもちろん「目先の報酬」に駆られると勝てません。
報酬系が作動すると私たちはほとんど勝てないのです。
でも同時に、将来の目標のために、目先の欲求に打ち勝ちたい!
そんな気持ちも持っているはずです。
そんな脳のシステムにうまく付き合うための方法を教えてくれるのが、
Kelly Mcgonigal 大先生です。著作もTED talkも素晴らしいです。
限定合理性、限定意志性を紹介します。
目先の報酬になると目がくらむ、その現象を「限定合理性」と言います。
私たちは合理的だが、その合理性には限界がある。
つまり、目の前に報酬がちらつくと、将来のより大きな報酬を手放すことがあるということです。
ダイエットしようと決意した人が、飲み会でステーキを目の前にパクッといってしまうとかまさしく限定合理性。
前置きが長くなったので、結論はシンプルに。
これが心理学のいいところ。
理論を理解しつつ、実践はシンプル。
目先の報酬や欲求に打ち勝つ方法は、
「その報酬が『目に入らない』ようにすること」
と
「その報酬が『すぐ手に入らない』ようにすること」
報酬系は、「目に入る」と「すぐ」に弱いのです。
机の上にお菓子があるとつい手を伸ばしてしまうし、
今すぐ食べれてしまうからついぱくっと食べてしまう。
視界に入らないようにというのはすぐに実践可能です。
スマホやPCで遊んでしまうのだったら、スマホやPCを布団の下に入れたり、引き出しに入れたりすれば良い。
ポケットはオススメしません。触覚で感じれてしまいますから。
すぐに手に取れないようにするのは具体的に有用な方法がマクゴニガル先生が著書の中で紹介してくれています。
それは「10分ルール」
禁煙したいとのぞむT君がいました。
そのT君が大幅に本数を減らせた方法がこの10分ルール。
今までのTクン
「あーータバコ吸いたい〜〜〜〜。」
↓
「吸っちゃダメだ!俺!我慢しろー!」
↓
「吸いたい吸いたい吸いたい吸いたい」
↓
喫煙
10分ルールを行ったT君
「あーータバコ吸いたい〜〜〜〜。」
↓
「いいよ、でも10分後ね」
これによって、タバコの喫煙本数が減らせた研究があるんだとか。
被験者はこのように成長したそうです。
「最初の10分を我慢できたら、次の10分も我慢してみることにして、それでも吸いたかったら吸うようにしたら、どんどん時間が伸びていきました。」
と。
ちなみに今日は21時に仕事を終えて、眠くて眠くて仕方なかったのですが、
僕も実践してみました。
「眠いよ眠いよ、寝たい寝たい。朝記事書くから、寝たい」
↓
「オーケー。寝てもいいけど、10分後ね。」
10分待ってるうちにやる気になっちゃって、結局、記事がかけました!
今日は長くなってしまいましたが、今までのIrresistibleシリーズの知識を繋げたつもりです。
欲求を押さえつけないことでうまくコントロールでき、望む自分へ近づく。
それがこの「スタンフォードの自分を変える教室」のテーマです。
連載している本「Irresistible」と合わせて読むと、心理学や人の欲求についての理解が非常に深まりますよ!
何回も読み直していい記事が紹介できるように頑張ります。
最後まで読んでいただき今日もありがとうございました。
This article was written by Shu Sasaki (SYNT)
2019/9/3 Shu
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