ひなげしルポ①:介護ド素人が施設ボランティアに挑戦する話👩🏻‍🦽

先日のろくにち②でお話しした通り、私は現在介護施設でボランティアをしています。

人生で初めての介護ボランティア
今日が初めての実務体験でした。

資格も経験も皆無。やる気と問題意識だけで飛び込んだ私に、手取り足取り優しく教えてくれる施設の方、そしてなにより入居者ののほほんとした空気に救われる毎日。
(現在は「傾聴」と「食事補助」がメインです。おいおい記録する予定)

せっかくなので、これから1年、気づきをしっかり文章化して書き残していこうと思います

名前の由来は
ひなげし=花言葉 : 心の平穏、おもいやり
ルポ=ルポルタージュの略(ドキュメンタリーの文字だけver )
割と語感で選んでます😌

「息子に会わせて」漏れた本音

「あなたなら、なんとかしてくれるんでしょう?」
絞り出したような、か細い声。やるせない気持ちで一杯になりました。

ボランティア初日、ここでまっててと案内された席に、一人の入居者が座っていました。

「おしゃべりな人呼んでくるから」施設の方にそう言われて2人で待っている間、その方はおもむろに話し始めました。でも、声が掠れてしまっているので聞き取れない…できる限り耳を傾けるんだけど。知識のない私はとにかく頷いて、聞き取れた言葉を反芻することしか出来ませんでした。

そうこうするうちに、陽気な入居者が2人。
どこからきたの?何年生なの?どうしてこんなとこ来たの?質問攻めに合ううちに、すっかり3人で話が盛り上がってしまいました。1人の入居者を置いてきぼりにして。

「わたしに話すことはないの?」
今度ははっきりと聞こえました。その人でした。おもわず、ごめんねと声が出ました。できるだけたくさんの人と交流、傾聴し切ることが私の目的だったのに…陽気な2人に断って、その人の隣に行きました。
話す言葉は最初と同じでした。でも、言葉の鸚鵡返しを繰り返しながら、少しずつその人の伝えたいことがわかってきました。
……というか、なんだろう。
繰り返し対話するうちに、掠れ声に気持ちがこもって若干聞き取りやすくなった。って言うのが正しいのかな

「わたしには、息子がいる。息子は、嫁と暮らして、わたしはいま、ここ(施設)にいる。息子と一緒に、暮らしたい。大事な、1人息子だから。あなたなら、なんとかしてくれるよね?」

概ねこういった内容。10回くらい繰り返してやっと理解できた、そんな感じでした。
意思疎通を図れた瞬間、嬉しい気持ちよりも寂しい気持ちが勝ってしまいました。なんせ私も一人っ子、両親を地方に残して上京している身。
他の話題を振っても、その方はひたすら息子との再会の望みを繰り返すばかりでした。
きっと私、ボランティアだと思われてないな…市のカウンセラーか何かだと思われてるな…笑
とにかく、ボランティアだから私にはどうすることもできないこと。私なりに善処はしてみるよということ。この2つを伝えました。

「驚いた、〇〇さん普段絶対そういうこと言わないのに」私の報告に施設の方はみんなどよめいていて、ちょっと私もびっくりしました。そのおばあさん、常日頃から帰りたいと繰り返してるのかと思ってたから。
施設の方はある意味ベテランさんだし、お世話してくれる人。利用者からも「先生」って呼ばれることもあるそうです。加えて精神疾患を持っているその方、結構ヒステリックに当たってくることもあるそう。「普段見ない人だからこそ、話せることもあるんだろうね」
そう話す施設の人の目は、どこか遠くを見つめているかのようでした。

でも、施設とか介護の知識に染まっていない無垢なボランティアにも、できることがあるんだなぁとちょっと嬉しくなりました。(もちろんそれが勉強しない理由にはならない)もっともっとたくさん傾聴して、知見を深めていけたらと思います。


1回目はこんな感じで!ひなルポの方は本当にゆるーくやっていくよん


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