ヤバいぞ!人類と地球 『「新たな地平を切り拓く - 地球の健康と人間の幸福に関する世界予測レポート』
国連環境計画(UNEP)と国際科学会議(ISC)が「新たな地平を切り拓く - 地球の健康と人間の幸福に関する世界予測レポート」を発表しました。
報告書では、気候変動、自然と生物多様性の喪失、汚染と廃棄物という三重の地球危機が加速しているとしていますが、次のような重要な地球規模の変化の兆候を明確にしています。
・希少鉱物の需要は2040年までに4倍増となり、自然は破壊され汚染・廃棄物は増大し紛争が多発する。
⇒ 深海採掘や宇宙採掘の需要が高まっています。これは、自然や生物多様性に潜在的な脅威をもたらし、汚染や廃棄物を増加させ、より多くの紛争を引き起こす可能性があります。
・永久凍土が融解し病原性のある古代生物が放出される。
⇒ 永久凍土が融解すると病原性を持つ可能性のある古代の生物が放出され、環境、動物、人間に大きな影響を与える可能性があります。この現象はすでにシベリアでの炭疽菌の発生につながっています。
・AIなど技術進化は、便益のほか自然資源の需要増、軍事利用、合成生物学への利用などの問題をもたらす。
⇒ データセンターの需要を満たすための重要鉱物や希土類元素、水資源の需要の増加など、環境への影響もあります。兵器システムや軍事用途でのAIの使用、および合成生物学の発展は、環境の観点から慎重に検討する必要があります。
・軍事紛争が増加し生態系と生活が破壊される。
⇒ これらの紛争は、生態系の劣化と汚染をもたらし、脆弱な人々に影響を及ぼします。
・紛争と気候変動による強制移住で環境と健康が損なわれる。
⇒ 強制移住は、人間の健康と環境への影響を増大させています。現在、69人に1人が強制退去させられており、これは10年前の約2倍にあたる。紛争と気候変動が主な要因です。
人類・地球の危機に直面している中、この報告書では、先住民を含む多様な関係者を巻き込んだ新たな社会契約の導入、若者の発言力強化、GDPを超えた進歩の尺度の再考を推奨しています。
私は「GDPを超えた進歩の尺度の再考」について興味があります。
GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)、つまり一定期間内に国内で生産された財・サービスの付加価値の合計額が成長することに社会の進歩、国の成長を見てきたわけです。
そして、その付加価値を増加させるためにはそのために生産性、効率性が貴ばれてきたわけです。
そして今、介護でも生産性、効率性が至上価値として崇められようとしているわけです。
しかし、人類・地球の危機に直面している現在、GDPの成長、生産性向上を追い求めることが果たして適切なことなのか、しかも、介護領域で追い求めることが適切なのか、慎重に再考する必要があると思うのです。
介護サービスにおける生産性向上批判については以下のnoteをご参照願います。
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