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コロナ関係の基本情報

 2022年10月から2023年3月までFacebookに書き込んだ文章を整理しておきたい。
 2024年春になってもコロナ対策を名目に面会制限をしている介護施設があります。再度、コロナに関する基本情報を踏まえて、面会制限について検討してもらいたいと願っています。

2023.03.30 屋内でのマスクは個人の判断

 政府が3月13日、屋内で原則着用としていたマスク着用を個人の判断に委ねることとし、5月8日には、感染症法上の位置づけを2類から5類に変更するという。

 しかし、介護施設の面会制限、入居者の隔離等々の非合理的コロナ対策がなかなか是正できていない。

 政府の新型コロナ対策等について、上昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)の指摘は相変わらず鋭い!

 以下に紹介しておきたい。

① 消毒の意義はさほどない

 「コロナ感染の多くがエアロゾルによる空気感染であることが判明した現在、手指やテーブルなどの消毒の意義はさほどない。一方、化学物質への暴露は、後遺症を残す可能性がある。」

 「例えば、アメリカのニューヨーク・タイムズは、3月21日に「そんなに消毒しなくても大丈夫です」という記事を掲載し、消毒液に含まれる漂白剤などの化学物質による皮膚の炎症、喘息、目に損傷を与える可能性など、その弊害を紹介している。」

② パーテーション

「室内での咳やくしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために設計された物理的なプラスチック製のガラスの障壁は、空気の流れを妨げ、さらには高濃度のエアロゾルを呼吸ゾーンに閉じ込める可能性があり、SARS-CoV-2の感染を増加させることが示されている。
 この根拠となるのは、同じく『サイエンス』誌に掲載されたアメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学の研究で、パーティションを使用した学校で、コロナ感染が増加していることを報告している。」

③ 自粛は高齢者の健康を損ねる

「高齢者の健康はもろい。感染予防のために自粛を強いることが諸刃の剣であることを認識しなければならない。」

 介護関係者に是非、上先生の論説を一読してほしい。

2022.12.16 介護施設の非人道的コロナ対策

1.コロナに関する基本情報の整理

 まずは、最近までのコロナに関する知見を整理してみよう。

(1)コロナウイルの主要感染経路は空気感染

 日本の感染対策は異様だ。未だに主要な感染経路を飛沫感染、接触感染とした対策となっている。
 WHO(世界保健機関)は当初、「空気感染は一般的ではない」としていたが、2021年4月末に空気感染を「一般的な感染経路の一つ」と認めた。そして、米国の世界的科学誌『サイエンス』は2021年8月27日号で「呼吸器系ウイルスの空気感染」という総説論文を掲載し、「コロナウイルスの主要な感染経路は空気感染」という理解が世界の医学界、科学界に定着している。これで、空気感染は世界の常識になったのだ。

(2)換気対策には二酸化炭素濃度測定器が必要

 空気感染が主要な感染経路であれば、換気を妨げるアクリル板などは無意味ないし有害だろう。
 さらに、空気感染への防止は換気が重要だが、二酸化炭素濃度測定器を設置している介護施設は少ない。測定器が無ければ換気の状況を肌で感じて行うしかないではないか。これは体温を手の掌で測ろうというようなものだ。

 二酸化炭素濃度測定器を設置し、二酸化炭素濃度が800ppmを超えた場合には速やかに換気を実行できるような仕組みを整備すべきだろう。

(3)強制隔離や社会的適距離は不要

 2022年8月19日、アメリカ疾病対策センター(CDC)は、新ガイドラインを発表し、アメリカ国民のほぼすべてがワクチン接種と感染で免疫を獲得した現在、感染者の強制隔離や社会的距離は不要との方針を示したという。

 日本の専門家と海外の専門家のいうことがこんなに違うのはどうしてなのか、しっかり考えた方が良いだろう。

(4)マスクの効果は限定的

 20222年2月、韓国のサムスンメディカルセンターの医師たちがコロナに対するマスクの効果を検証したメタ解析を『医療ウイルス学』誌で発表し、医療従事者がN95マスクを着用した場合の効果は感染リスクを71%も減らしたという結果だった。
 しかし、普通のマスク、つまりサージカルマスクは、医療従事者を対象とした12の臨床試験をまとめると31%、一般人を対象とした2つの臨床試験をまとめると22%感染のリスクしか減らしていなかった。しかも、医療従事者と一般人の両方とも、その差は統計的に有意ではなく、科学的にはサージカルマスクの効果は証明されていないという。
 そして、この結果はインフルエンザに対するマスクの有効性を検証したメタ解析の結果とも同じだという。

 結論的に、『一般人がマスクをつけた場合の有効性は医学的に証明されておらず、もしあったとしても2割程度ということになる。』

 マスク装着の問題は冷静に慎重に種々の状況を勘案して検討すべきだが、世界の科学者が共有している研究結果も当然考慮しなければならないだろう。

(5)オミクロン株の致死率

 横浜市立大学附属病院 化学療法センター 堀田信之センター長らの研究グループは、米国ジョンズ・ホプキンス大学提供のデータを解析し、世界の新型コロナによる致死率は、2020年2月の8.5%から2022年8月の0.27%まで低下したという。
 その結果、インフルエンザにおける致死率(0.05-0.5%と推定)に近づいているとしている。 
 この致死率の低下はコロナ対策上、重要なポイントだろう。致死率がインフルエンザと大差ないとすれば、コロナを2類にしておく必要ははない、インフルエンザと同等の5類でよいだろう。

2.非人道的な介護施設の面会制限

 2020年4月7日に最初の緊急事態宣言が発令された以降、多くの介護施設では入居者と家族との面会が禁止された。
 2022年3月21日に第2回まん延防止等重点措置が解除されて以降、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も発出されていない。
 また、先述のコロナウイルスに関する新たな科学的知見が示されているにも関わらず、いまだに多くの介護施設で入居者と家族との面会はアクリル板越しの面会、面会時間の限定、人数限定等々の制限を続けている。
 面会制限の程度、様態も様々だろうが、異常事態が常態化していると言える。

 面接禁止・制限とは、人と会う事の禁止・制限である。通常、民主主義的な社会だと、いつ、どこで、誰に会うのかは個々人の自由である。平素より面会が制限されているのは刑務所等の収監施設だけだ。
 当事者(入居者)は市民として家族や友人と会う権利があり、家族や友人も、父母や友と会う権利がある。面接制限・禁止はこの入居者と家族、友人たちの人権を侵害することになるのだ。このことを介護施設の経営者、職員は理解しているのだろうか。理解しているわけがないだろう。

 そもそも、介護施設における面会禁止はどのような法的根拠で行われているのか。法的根拠などありはしない。人権侵害となる超法規的な例外措置を介護施設が勝手に行っているのだ。

 しかし、介護施設の関係者の誰も異様な事態だとは思わないし、異議を唱えない。また、面会制限を痛みとして捉えていない、嬉々として人権の制限を行っているようにも見える。そもそも人権と言う概念が介護施設に定着していなかったと言わざるを得ない。

 面接禁止・制限という非常識な介護施設の対応に介護施設の非人間性、権力性、抑圧性、暴力性を見て取ることができる。
 介護施設の治外法権、非人道的行為を見逃してはいけない。介護施設の内外の人たちは声を上げないければならない。

2022.11.26 コロナ対策「大迷走」

とても重要な指摘だ。アメリカのCDCと日本の専門家の見解が違い過ぎる。

2022.11.26コロナの致死率変遷

 横浜市立大学附属病院 化学療法センター 堀田信之センター長らの研究グループは、米国ジョンズ・ホプキンス大学提供のデータを解析し、世界の新型コロナによる致死率は、2020年2月の8.5%から2022年8月の0.27%まで低下したという。

 その結果、インフルエンザにおける致死率(0.05-0.5%と推定)に近づいているとしている。 

 この致死率の低下はコロナ対策上、重要なポイントだろう。このような研究の成果を広く共有していくべきだろう。

2022.10.09 マスクのコロナ予防効果の低さを知らぬ日本人

 私が、コロナ対策等で最も信頼している上 昌広(医療ガバナンス研究所理事長)によると、今年2月、韓国のサムスンメディカルセンターの医師たちがコロナに対するマスクの効果を検証したメタ解析を『医療ウイルス学』誌で発表し、医療従事者がN95マスクを着用した場合の効果は感染リスクを71%も減らしたという結果だった。しかし、私たちがしている普通サージカルマスクは、医療従事者を対象とした12の臨床試験をまとめると31%、一般人を対象とした2つの臨床試験をまとめると22%感染のリスクしか減らしていなかったという。しまも、医療従事者と一般人の両方とも、その差は統計的に有意ではなく、単なる偶然でも説明が可能な程度であって、医学的にはサージカルマスクの効果は証明されていないという。

 そして、この結果はインフルエンザに対するマスクの有効性を検証したメタ解析の結果とも同じだという。

 結論的に、『一般人がマスクをつけた場合の有効性は医学的に証明されておらず、もしあったとしても2割程度ということになる。』

 マスク装着の問題は冷静に慎重に種々の状況を勘案して検討すべきだが、世界の科学者が共有している研究結果も当然考慮しなければならないだろう。

 この様に、日本で科学的な議論がでできていないのが残念だし、このことは科学的介護にも言えるかも知れない。日本の科学的介護が先進的であると盲目的に信じてばかりいては井の中の蛙、夜郎自大になってしまうだろう。


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