「塔」2018年5月号(月詠)

池の面にみづのひかりを撓めつつ鳥よこの世の冬を率ゐよ

箔押しの表紙のごとくわが視野にわづかに開く白梅の花

人間は粗大ゴミより進化して生まれしといふ新説あはれ

今更のやうに付箋を散らかして借りつぱなしの本めくりをり

いつ来てもここは行列 負けるつて分かつてゐても絡んでしまふ

(p.166)

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