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元ビター&スイート系栄養学生、ビター&ビターな社会人になる

苦くて甘くて、もうお腹いっぱい。
そんな大学生活について書いた私のnoteは予想していた以上に多くの人に読まれ、あたたかい感想をいくつもいただいた。
元 限界栄養学生、すごくかな。現在は行政栄養士である。

専門職枠で公務員試験を受けて、大学卒業後はとある自治体の職員になった。
人口数万人の地域を管轄する小さな保健所で、管理栄養士(以下、保健所栄養士)として働いている。

「保健所栄養士ってどういう仕事してるの?」
他業界の人はもちろんのこと、栄養士・管理栄養士として働いている人からもよく尋ねられるが、質問されてあたりまえだと思う。
なんといっても、右も左もわからず試験を受け、保健所栄養士が何たるかよくわからないまま採用されて就職した人がここにいるのだ。
マイナーな職業といって間違いないだろう。

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「どういう仕事してるの?」に対する答えは、まだ定まっていない。
しっかりと1年目の業務をやり遂げたあと、桜の咲く頃にでも再考したほうがいいと思っている。

とはいえ、「ごめん忙しくて」「体力が残ってなくて」「また今度誘って…」と遊びの約束を断り続ける私に、不信感を抱く友人がそろそろ出てきてもおかしくない頃である。
しっかりと説明責任を果たさなくてはいけない。(え?求めてない?)

今日は、私の日常を少しでも伝えようと思って、久しぶりにnoteのアイコンをクリックした。
仕事が大変なのはみんな同じだけど、私だって毎日必死なのだ。
例えば、こんな風に。

▼not華金、ふつうの金曜日

良く晴れた金曜日、6連勤5日目の朝。
明日も出勤だから、今日はいわゆる華金ではない。ただの平日である。

公務員は土日休みのイメージが強いだろうか。
某感染症が流行し始めて以降、この自治体にある保健所では、毎日必ず誰かが出勤している。すごくかなの職場は、休日出勤はお当番制だ。

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学生時代は電車通学をしていたが、通勤には車を使っている。
都会の満員電車は全然大丈夫なタイプだったが、道路渋滞は全然ダメである。

話がそれるが、すごくかなの車には譜面台とか余計なものが入っているくせにゴミ箱は置いていない。
油断すると車内が全部ゴミ箱状態になりそうだから、家に持ち帰るようにしている。普通に不便である。

▼特別じゃない毎日のルーティン

8時30分、学校みたいなチャイムが鳴って仕事が始まる。
最初の30分間は、メールとやることリストをチェックしてから回覧資料を読むのが習慣だ。
(朝から電話が鳴りやまず、この30分が潰れることもよくある。)

やることリストは、前日のすごくかなが自分宛のチャットに打ち込んでくれている。寝て起きると前日の記憶を失ってしまうのでありがたい。
朝が強くないから、午前中はやることリストに従っておとなしく作業することにしている。

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頭が一番よく回るお昼過ぎは、アイデア出しやデータ処理など頭を使う業務をすることが多い。
この時間は外からの連絡もあまり来ないので、なんとなく集中できるような気がする。

今度、大勢の人に対して、オンラインの画面越しに説明をする仕事がある。
人前で話すことは苦手ではないが、データをまとめて資料を作るのがへたくそでどうしようもない。学生のうちに、統計学やMOSの勉強をしておけばよかった。

夕方は、リストの中でやり残している仕事を片付けたり、今後の計画を立て直したりする時間に充てている。
今月は締め切りが4つもあるから、スケジュールがカツカツだ。

パズルのように予定を組み立てる。ちょっと今月厳しいかもしれない。

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「本来の保健所栄養士」は、厨房や給食室を点検したり、小中学校を回ったり、会議・研修に参加するために集まったりと、とにかく出張が多い職種らしい。
1日デスクに座っていられる日は月に数日だった、という先輩の話も聞いたことがある。

でも、このご時世に就職した私にとっては、某感染症についての問い合わせ電話が鳴りやまない事務室でデスクワークをするのが基本の仕事スタイルだ。出張はたまにしかない。
いつになったら、「本来の保健所栄養士」になれるのだろうか。

▼ひとりぼっちのたたかい?

この保健所に勤務する管理栄養士は、今年度に新規採用された私1人である。
新人研修と並行して、他の保健所にいるベテランの栄養士と、ほとんど同じ内容の仕事をこなさなければいけなかった。
先月まで大学生だった甘ったれ社会人には、これが結構キツいのだ。

春先は、「まだ新人だから仕事が少なくて…」と話す公務員の同期や、民間企業に就職して長期の研修を受けている友人が、正直うらやましかった。

夏から秋にかけては栄養士だけ仕事が多い時期だったので、自分以外全員帰ってしまった事務室で、しばしば「ぼっち残業」した。
追い込まれすぎて涙も出なかった。

少し前に体調を崩してからは体力がなかなか戻らないので、最近は残業すること自体を諦めて、早く帰るようにしている。

栄養士はひとり職だから、定時のチャイムさえ鳴ってしまえば、自分の判断で店じまいできるのだ。
まあ、よくも悪くも自己責任である。

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そんな日々だったにもかかわらず、「ひとりぼっちのたたかい」をしている感覚はあまりない
能天気な性格と、私より私の心配をしている先輩方のおかげだ。

業務上わからないことがあったときは、先輩栄養士にバンバン連絡して質問してしまっている。
相手の時間を奪う申し訳なさは感じるし、「またこいつか」と思われている自覚はあるが、一人で悩んで締め切りに間に合わなくなったりするよりはマシなのではないだろうか。

すごくかなの質問攻めに慣れてしまったベテラン栄養士様から、「最近あまり連絡がなかったので心配していました」とメールをいただいたことがある。
本当に親切にしてもらっているし、自分はちょっと騒がしすぎるなと思って恥ずかしくなった。

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社会人1年目も、残り2か月と少しである。
年が明けてから年度末までは早いとよく聞くけれど、すでにそれをひしひしと感じている。

今年度のうちにやり切らなくてはいけない大きな仕事を、まだいくつか残している。無事に終わるだろうか。
桜の咲く頃、ちょっと強くなってドヤ顔でここに戻って来られたらいいと思う。

撮影・手の出演 すごくかな