見出し画像

【自分を知ることの大切さ】

今、私は期間限定で看護の専門学校の教員をしています。

そこで出会った10代の学生から教えてもらった事です。

学校では、グループでのディスカッションが定期的に行われます。グループの中の意見交換や、自分が体験をしたこと、良かったこと、反省点などを主に話し合います。

その時のテーマを私は「自分が工夫したところを発表し、それを聞いての学びや感じたことを話し合う」にしました。

いつも、学生から、反省点はよく出てくるのですが、工夫して成功したことを共有することが少ないと感じていました。それぞれの学生が自分にとって良い方法を考えて実践した結果を共有することで、さらに個人の学びが深まり、グループでのチーム力も高まるのではないのかなと考えました。

その日のグループディスカッションでは、「工夫した点」とあえてテーマを出したことで、それぞれが工夫して良かった点を中心に発表が始まりました。みんなが生き生きとした表情で発表をしていました。

その中で、お互いの工夫した内容に、こんな視点もあったのかと感動した様子もみられました。発表している学生も、工夫したことを最初は自信無さそうに話をしていましたが、周りの「へぇ~」と感心している反応を感じ、これもこれもと自分が考えたことを話すことを楽しめている様子がみられました。時々、拍手が鳴りました。

発表を通して、お互いに工夫した点が異なることに気がつきました。

そこから、学びを発表する時に、ひとりの学生がこんなことを言いました。
「一人ひとり工夫が違うんだなということがわかりました。どれが良いとか悪いとかではなく、自分の特性を知って、自分にあった方法を見つけていくことが大事だと思いました。」と。

この学生は、とても繊細さを持ち合わせた学生でした。私は、まだ、このグループの学生とは初対面でわずか4日目の出来事です。

私自身が、やっと最近になって自分と向き合いだし、自分はどういう人間なのかを良い面も悪い面も含めて考えだしたところでした。その学生から、まさに今私が行っているテーマを言われるなんて思っていませんでした。

私が、子どもの頃を思い出すと、いかに周りの人と同じように生きることに専念していたか。そればかりが、記憶としてよみがえってきます。その中で、自分の特性なんてあってないようなものでした。それをいかに抑えて生きていくかが大切だと思い、育ってきました。相手の期待に応えることも大事であると思って生きてきました。

この学生の言葉から、みんな同じであることに価値をおいていた世の中が変わってきていることを目の当たりにしました。

そして、本来の自分を取り戻そうとしている私。それがとても大事なことも再認識させてくれました。

私は、外見もですが、自分が感じていることや考えていることがみんなと違うことにとても抵抗を感じていました。それを出してしまうたびに、攻撃をうけてきたから。そして、それを強くしてしまうことで誰かを傷つけていしまうのではないかと怖かったのです。これが、自己肯定感が低くなったことに繋がっているのだと思います。

今は自分と向き合うことを始めてから、自分で自分のことが分かるようになってきました。まだまだ、自分を認められないこともあって、揺れますけどね。

そんな私を救ってくれた祖父からの言葉があります。


「お前はそのままでいいんだ」


この一言で、幸せな気持ちになったことを覚えています。当時はまだ10代で本当の意味を自分ではわかっていなかったけど。

もっと、もっと、この世の中が個人の特性を生かして、生きやすい世の中になっていくことを願いたいです。そうなるように、私も、学生の一人ひとりの特性を否定することなく尊重して関わっていきたいなと感じました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?