屋外の二酸化炭素濃度を計測する
はじめに
1年半くらい前、中国メーカーの二酸化炭素濃度を測定できるセンサーモジュールをAmazonで購入していたのだが(上の写真:メーカーサイトより)、ほとんど使うこともなく放置していた。
気象観測とは異なるが、屋外の二酸化炭素濃度を測定するのも面白いのではと思っていたのだが、ようやく気象観測システムが安定稼働に入ったので、屋外の二酸化炭素濃度の測定にも着手することにした。
MH-Z14Aについて
下記はデータシートから抜粋である。
精度が気になるが、センサーの原理的な問題もあるのかもしれない。正確な値が必要となる用途では向かないようだ。
出力がPWM/アナログ出力/シリアルと3種類ある。今回はシリアルを使用して読み出しを行う。
キャリブレーションが必要になることがあるようだが、MH-Z14AにはAutomatic Baseline Correction(ABC function)と呼ばれる、自動補正機能がある。起動後、24時間に1回、自動的にキャリブレーションが行われるらしい。
MH-Z14Aのデータシートには、コマンド仕様の説明がないのだが、MH-Z14という、最後に"A"のつかない機種のデータシートには、コマンド仕様の記載があり、同じコマンドが使えるものと思われるのだが、"Calibrate zero point"と記載された、キャリブレーションのコマンドがあるようなので、コマンドでキャリブレレーションすることもできるのではないかと思う。
あと、センサーは3分のプリヒートが必要になるため、起動後、3分間は正しい値が読み出せない。
測定
マイコンはESP8266を使用し、シリアル接続して測定しているが、下記が実際に測定したグラフである。
まだ測定を始めて間もないので、はっきりとは言えないが、光合成が行われる日中には、二酸化炭素濃度が低くなる傾向があるのかもしれない。
ただ問題なのは、精度は気にしていないとはいえ、このセンサーから読み出された値が正しいのかどうか、判断する方法がないことだ。気象データであれば、気象台の観測値と比較すれば、値のおおよその確かさを判断できるのだが、市街地の二酸化炭素濃度はどのくらいの値なのだろうか?
もう一点問題なのは、このセンサーの消費電力が高いこと。屋外の測定なので、モバイルバッテリーを使用しているが、バッテリーの交換頻度が高く、手間がかかってしまう。
また、このセンサーは時々電源ON直後、398ppm、399ppm・・・と値がほぼ変わらないことがある。そういった場合でも、しばらくするとそれらしい値を計測できるようになることもあるが、なかなか改善されないこともある。
さいごに
始めたばかりなので、まだ結果の判断もできないが、1年くらい観測を続ければ、1日の変化、天気による変化、季節による変化など、傾向が見えてくるのではないかと期待している。
機会があれば、引き続きnoteで報告しようと思う。
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