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「疎外対立」の法則【38】火沢睽(かたくけい)/64卦

反対、障害、対立、分離、不一致、相互疎外、利益分散、利害の相違、敵意、倒錯、不調和、不和と不信が勝る状況、嫁と姑の争い、内輪もめ、仲違い、確執、イザコザ、真逆の価値観、女同士の争い、いがみ合いの【38】火沢睽(かたくけい)。



【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ38番目の【38】火沢睽(かたくけい)の原文(漢文)と書き下し文です。



【38】火沢睽(かたくけい)

 

『卦辞』

「睽、小事吉。」
「睽(けい)は、小事(しょうじ)に吉(きち)なり。」

(けいは、しょうじにきちなり。)


『彖伝』

「彖曰、睽、火動而上、澤動而下。二女同居、其志不同行。説而麗乎明、柔進而上行、得中而應乎剛。是以小事吉。天地睽而其事同也。男女睽而其志通也。萬物睽而其事類也。睽之時用、大矣哉。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、睽(けい)は、火(ひ)動(うご)きて上(のぼ)り、沢(さわ)動(うご)きて下(くだ)る。二女(じじょ)同居(どうきょ)して、その志(こころざし)は行(おこ)ないを同(おな)じくせず。説(よろこ)びて明(めい)に麗(つ)き、柔(じゅう)進(すす)みて上行(じょうこう)し、中(ちゅう)を得(え)て剛(ごう)に応(おう)ず。ここをもって小事(しょうじ)に吉(きち)なるなり。天地(てんち)は睽(そむ)けどもその事(こと)同(おな)じきなり。男女(だんじょ)は睽(そむ)けどもその志(こころざし)通(つう)ずるなり。万物(ばんぶつ)は睽(そむ)けどもその事(こと)類(るい)するなり。睽(けい)の時用(じよう)、大(おお)いなる哉(かな)。」
(たんにいわく、けいは、ひうごきてのぼり、さわうごきてくだる。じじょどうきょして、そのこころざしはおこないをおなじくせず。よろこびてめいにつき、じゅうすすみてじょうこうし、ちゅうをえてごうにおうず。ここをもってしょうじにきちなるなり。てんちはそむけどもそのことおなじきなり。だんじょはそむけどもそのこころざしつうずるなり。ばんぶつはそむけどもそのことるいするなり。けいのじよう、おおいなるかな。)


 

『象伝』

「象曰、上火下澤睽。君子以同而異。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、上(うえ)に火(ひ)あり下(した)に沢(さわ)あるは睽(けい)なり。君子(くんし)もって同(おな)じくして異(こと)なる。」

(しょうにいわく、うえにひありしたにさわあるはけいなり。くんしもっておなじくしてことなる。)



『爻辞』


上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━〇

「初九。悔亡。喪馬勿逐。自復。見惡人无咎。」
「初九(しょきゅう)。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。馬(うま)を喪(うしな)うも逐(お)うことなかれ。おのずから復(かえ)る。悪人(あくにん)を見(み)るも咎(とが)なし。」

(しょきゅう。くいほろぶ。うまをうしなうもおうことなかれ。おのずからかえる。あくにんをみるもとがなし。)
「象曰、見惡人、以辟咎也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、悪人(あくにん)を見(み)るは、もって咎(とが)を辟(さ)くるなり。」

(しょうにいわく、あくにんをみるは、もってとがをさくるなり。)


上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━〇
初九━━━

「九二。遇主于巷。无咎。」
「九二(きゅうじ)。主(しゅ)に巷(ちまた)に遇(あ)う。咎(とが)なし。」

(きゅうじ。しゅにちまたにあう。とがなし。)
「象曰、遇主于巷、未失道也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、主(しゅ)に巷(ちまた)に遇(あ)うとは、いまだ道(みち)を失(うしな)わざればなり。」

(しょうにいわく、しゅにちまたにあうとは、いまだみちをうしなわざればなり。)


上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━〇
九二━━━
初九━━━

「六三。見輿曳。其牛掣。其人天且劓。无初有終。」
「六三(りくさん)。輿(くるま)の曳(ひ)かるるを見(み)る。その牛(うし)掣(ひきとど)めらる。その人(ひと)天(かみき)られ且(か)つ劓(はなき)らる。初(はじ)めなくして終(おわ)りあり。」

(りくさん。くるまのひかるるをみる。そのうしひきとどめらる。そのひとかみきられかつはなきらる。はじめなくしておわりあり。)
「象曰、見輿曳、位不當也。无初有終、遇剛也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、輿(くるま)の曳(ひ)かるるを見(み)るとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。初(はじ)めなくして終(おわ)りありとは、剛(ごう)に遇(あ)えばなり。」

(しょうにいわく、くるまのひかるるをみるとは、くらいあたらざればなり。はじめなくしておわりありとは、ごうにあえばなり。)


上九━━━
六五━ ━
九四━━━〇
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「九四。睽孤。遇元夫、交孚。厲无咎。」
「九四(きゅうし)。睽(そむ)きて孤(こ)なり。元夫(げんぷ)に遇(あ)い、こもごも孚(まこと)あり。厲(あやう)けれども咎(とが)なし。」

(きゅうし。そむきてこなり。げんぷにあい、こもごもまことあり。あやうけれどもとがなし。)
「象曰、交孚、无咎、志行也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、こもごも孚(まこと)あり、咎(とが)なしとは、志(こころざし)行(おこ)なわるるなり。」

(しょうにいわく、こもごもまことあり、とがなしとは、こころざしおこなわるるなり。)


上九━━━
六五━ ━〇
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「六五。悔亡。厥宗噬膚。往何咎。」
「六五(りくご)。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。厥(そ)の宗(ともがら)膚(はだえ)を噬(か)む。往(ゆ)くも何(なん)の咎(とが)かあらん。」

(りくご。くいほろぶ。そのともがらはだえをかむ。ゆくもなんのとがかあらん。)
「象曰、厥宗噬膚、往有慶也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、厥(そ)の宗(ともがら)膚(はだえ)を噬(か)むとは、往(ゆ)きて慶(よろこび)あるなり。」

(しょうにいわく、そのともがらはだえをかむとは、ゆきてよろこびあるなり。)


上九━━━〇
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「上九。睽孤。見豕負塗、載鬼一車。先張之弧、後説之弧。匪寇婚媾。往遇雨則吉。」
「上九(じょうきゅう)。睽(そむ)きて孤(こ)なり。豕(いのこ)の塗(どろ)を負(お)うを見(み)、鬼(おに)を一車(いっしゃ)に載(の)す。先(さき)にはこれが弧(ゆみ)を張(は)り、後(のち)にはこれが弧(ゆみ)を説(と)く。寇(あだ)するにあらず婚媾(こんこう)せんとす。往(ゆ)きて雨(あめ)に遇(あ)えば吉(きち)なり

(じょうきゅう。そむきてこなり。いのこのどろをおうをみ、おにをいっしゃにのす。さきにはこれがゆみをはり、のちにはこれがゆみをとく。あだするにあらずこんこうせんとす。ゆきてあめにあえばきちなり。)
「象曰、遇雨之吉、群疑亡也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、雨(あめ)に遇(あ)うの吉(きち)とは、群疑(ぐんぎ)亡(ほろ)ぶればなり。」

(しょうにいわく、あめにあうのきちとは、ぐんぎほろぶればなり。)