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「完成」の法則【63】水火既済(すいかきせい)/64卦

完了、完成、完了後、完成後、終了後、ミッション完了、タスク完了、ととのう、整った状態、クライマックスの状態、成就の【63】水火既済(すいかきせい)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ63番目の【63】水火既済(すいかきせい)の原文(漢文)と書き下し文です。



【63】水火既済(すいかきせい)


『卦辞』

「既濟、亨小。利貞。初吉、終亂。」
「既済(きせい)は、亨(とお)ること小(しょう)なり。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。初(はじ)めは吉(きち)にして終(おわ)りは乱(みだ)る。」

(きせいは、とおることしょうなり。ただしきによろし。はじめはきちにしておわりはみだる。)



『彖伝』

「彖曰、既濟亨、小者亨也。利貞、剛柔正而位當也。初吉、柔得中也。終止則亂。其道窮也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、既済(きせい)は亨(とお)るとは、小(しょう)なる者(もの)亨(とお)るなり。貞(ただ)しきに利(よ)ろしとは、剛柔(ごうじゅう)正(ただ)しくして位(くらい)当(あた)ればなり。初(はじ)めは吉(きち)なりとは、柔(じゅう)中(ちゅう)を得(え)ればなり。終(おわ)りに止(と)まれば乱(みだ)る、その道(みち)窮(きわ)まるなり。」

(たんにいわく、きせいはとおるとは、しょうなるものとおるなり。ただしきによろしとは、ごうじゅうただしくしてくらいあたればなり。はじめはきちなりとは、じゅうちゅうをえればなり。おわりにとまればみだる、そのみちきわまるなり。)




『象伝』

「象曰、水在火上、既濟。君子以思患而豫防之。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、水(みず)の火(ひ)の上(うえ)に在(あ)るは既済(きせい)なり。君子(くんし)もって患(うれい)を思(おも)いて豫(あらか)じめこれを防(ふせ)ぐ。」

(しょうにいわく、みずのひのうえにあるはきせいなり。くんしもってうれいをおもいてあらかじめこれをふせぐ。)



『爻辞』



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━〇

「初九。曳其輪。濡其尾。无咎。」
「初九(しょきゅう)。その輪(わ)を曳(ひ)き、その尾(お)を濡(ぬ)らす。咎(とが)なし。」

(しょきゅう。そのわをひき、そのおをぬらす。とがなし。)
「象曰、曳其輪、義无咎也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その輪(わ)を曳(ひ)くとは、義(ぎ)として咎(とが)なきなり。」

(しょうにいわく、そのわをひくとは、ぎとしてとがなきなり。)



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━〇
初九━━━

「六二。婦喪其茀。勿逐。七日得。」
「六二(りくじ)。婦(ふ)その茀(ふつ)を喪(うしな)う。逐(お)うことなかれ。七日(なのか)にして得(え)ん。」

(りくじ。ふそのふつをうしなう。おうことなかれ。なのかにしてえん。)
「象曰、七日得、以中道也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、七日(なのか)にして得(え)んとは、中道(ちゅうどう)をもってなり。」

(しょうにいわく、なのかにしてえんとは、ちゅうどうをもってなり。)



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━〇
六二━ ━
初九━━━

「九三。高宗伐鬼方。三年克之。小人勿用。」
「九三(きゅうさん)。高宗(こうそう)鬼方(きほう)を伐(う)つ。三年(さんねん)にしてこれに克(か)つ。小人(しょうじん)は用(もち)うるなかれ。」

(きゅうさん。こうそうきほうをうつ。さんねんにしてこれにかつ。しょうじんはもちうるなかれ。)
「象曰、三年克之、憊也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、三年(さんねん)にしてこれに克(か)つとは、憊(つか)れたるなり。」

(しょうにいわく、さんねんにしてこれにかつとは、つかれたるなり。)



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━〇
九三━━━
六二━ ━
初九━━━

「六四。繻有衣袽。終日戒。」
「六四(りくし)。繻(ぬ)るるとき衣袽(いじょ)あり。終日(しゅうじつ)戒(いまし)む。」

(りくし。ぬるるときいじょあり。しゅうじついましむ。)
「象曰、終日戒、有所疑也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、終日(しゅうじつ)戒(いまし)むとは、疑(うたが)うところあればなり。」

(しょうにいわく、しゅうじついましむとは、うたがうところあればなり。)



上六━ ━
九五━━━〇
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━

「九五。東鄰殺牛、不如西鄰之禴祭、實受其福。」
「九五(きゅうご)。東鄰(とうりん)の牛(うし)を殺(ころ)すは、西鄰(せいりん)の禴祭(やくさい)して、実(まこと)にその福(さいわい)を受(う)くるにしかず。」

(きゅうご。とうりんのうしをころすは、せいりんのやくさいして、まことにそのさいわいをうくるにしかず。)
「象曰、東鄰殺牛、不如西鄰之時也。實受其福、吉大來也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、東鄰(とうりん)の牛(うし)を殺(ころ)すは、西鄰(せいりん)の時(とき)なるにしかざるなり。実(まこと)にその福(さいわい)を受(う)くとは、吉(きち)大(おお)いに来(きた)るなり。」

(しょうにいわく、とうりんのうしをころすは、せいりんのときなるにしかざるなり。まことにそのさいわいをうくとは、きちおおいにきたるなり。)


上六━ ━〇
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━

「上六。濡其首。厲。」
「上六(じょうりく)。その首(こうべ)を濡(ぬ)らす。厲(あやう)し。」

(じょうりく。そのこうべをぬらす。あやうし。)
「象曰、濡其首厲、何可久也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その首(こうべ)を濡(ぬ)らす、厲(あやう)しとは、何(なん)ぞ久(ひさ)しかるべけんや。」

(しょうにいわく、そのこうべをぬらす、あやうしとは、なんぞひさしかるべけんや。)