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「進歩前進」の法則【35】火地晋(かちしん)/64卦

急速で容易な進歩の象徴、進捗状況、意識の前進、繁栄、前進する、夜明けを迎える、昇進の【35】火地晋(かちしん)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ35番目の【35】火地晋(かちしん)の原文(漢文)と書き下し文です。



【35】火地晋(かちしん)



『卦辞』

「晉、康侯用錫馬藩庶。晝日三接。」
「晋(しん)は、康侯(こうこう)用(もっ)て馬(うま)を錫(たま)わること藩庶(はんしょ)にして、晝日(ちゅうじつ)に三(み)たび接(せっ)せらる。」

(しんは、こうこうもってうまをたまわることはんしょにして、ちゅうじつにみたびせっせらる。)



『彖伝』

「彖曰、晉、進也。明出地上、順而麗乎大明、柔進而上行。是以康侯錫馬藩庶、晝日三接也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、晋(しん)は、進(すす)む也(なり)。明(めい)地上(ちじょう)に出(い)で、順(じゅん)にして大明(たいめい)に麗(つ)き、柔(じゅう)進(すす)みて上行(じょうこう)す。是(ここ)を以(もっ)て康侯(こうこう)馬(うま)を錫(たま)わること藩庶(はんしょ)にして、晝日(ちゅうじつ)に三(み)たび接(せっ)せらるるなり。」

(たんにいわく、しんは、すすむなり。めいちじょうにいで、じゅんにしてたいめいにつき、じゅうすすみてじょうこうす。ここをもってこうこううまをたまわることはんしょにして、ちゅうじつにみたびせっせらるるなり。)



『象伝』

「象曰、明出地上晉。君子以自昭明德。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、明(めい)地上(ちじょう)に出(い)づるは晋(しん)なり。君子(くんし)以(もっ)て自(みずか)ら明德(みんとく)を昭(あきら)かにす。」

(しょうにいわく、めいちじょうにいづるはしんなり。くんしもってみずからみんとくをあきらかにす。)



『爻辞』



上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━〇

「初六。晉如摧如。貞吉。罔孚。裕无咎。」
「初六(しょりく)。晋如(しんじょ)たり摧如(さいじょ)たり。貞(ただ)しければ吉(きち)なり。孚(まこと)とせらるること罔(な)けれども、裕(ゆた)かなるときは咎(とが)なし。」

(しょりく。しんじょたりさいじょたり。ただしければきちなり。まこととせらるることなけれども、ゆたかなるときはとがなし。)
「象曰、晉如摧如、獨行正也。裕无咎、未受命也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、晋如(しんじょ)たり摧如(さいじょ)たりとは、独(ひと)り正(せい)を行(おこ)なうなり。裕(ゆた)かなるときは咎(とが)なしとは、未(いま)だ命(めい)を受(う)けざればなり。」

(しょうにいわく、しんじょたりさいじょたりとは、ひとりせいをおこなうなり。ゆたかなるときはとがなしとは、いまだめいをうけざればなり。)




上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━〇
初六━ ━

「六二。晉如愁如。貞吉。受玆介福于其王母。」
「六二(りくじ)。晋如(しんじょ)たり愁如(しゅうじょ)たり。貞(ただ)しければ吉(きち)なり。玆(こ)の介(おお)いなる福(さいわい)を其(そ)の王母(おうぼ)に受(う)く。」

(りくじ。しんじょたりしゅうじょたり。ただしければきちなり。このおおいなるさいわいをそのおうぼにうく。)
「象曰、受玆介福、以中正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、玆(こ)の介(おお)いなる福(さいわい)を受(う)くるは、中正(ちゅうせい)を以(もっ)てなり。」

(しょうにいわく、このおおいなるさいわいをうくるは、ちゅうせいをもってなり。)



上九━━━
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━〇
六二━ ━
初六━ ━

「六三。衆允。悔亡。」
「六三(りくさん)。衆(しゅう)允(まこと)とす。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。」

(りくさん。しゅうまこととす。くいほろぶ。)
「象曰、衆允之。志上行也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、衆(しゅう)之(これ)を允(まこと)とすとは、志(こころざし)上行(じょうこう)すればなり。」

(しょうにいわく、しゅうこれをまこととすとは、こころざしじょうこうすればなり。)



上九━━━
六五━ ━
九四━━━〇
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「九四。晉如鼫鼠。貞厲。」
「九四(きゅうし)。晋如(しんじょ)たる鼫鼠(せきそ)、貞(ただ)しけれども厲(あやう)し。」

(きゅうし。しんじょたるせきそ、ただしけれどもあやうし。)
「象曰、鼫鼠貞厲、位不當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鼫鼠(せきそ)貞(ただ)しけれど厲(あやう)しとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。」

(しょうにいわく、せきそただしけれどあやうしとは、くらいあたらざればなり。)



上九━━━
六五━ ━〇
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「六五。悔亡。失得勿恤。往吉无不利。」
「六五(りくご)。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。失得(しっとく)恤(うれ)ふる勿(なか)れ。往(ゆ)けば吉(きち)にして利(よ)ろしからざるなし。」

(りくご。くいほろぶ。しっとくうれふるなかれ。ゆけばきちにしてよろしからざるなし。)
「象曰、失得勿恤、往有慶也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、失得(しっとく)恤(ふれ)ふる勿(なか)れとは、往(ゆ)きて慶(よろこ)び有(あ)るなり。」

(しょうにいわく、しっとくふれふるなかれとは、ゆきてよろこびあるなり。)



上九━━━〇
六五━ ━
九四━━━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「上九。晉其角。維用伐邑。厲吉无咎。貞吝。」
「上九(じょうきゅう)。其(そ)の角(つの)に晋(すす)む。維(こ)れ邑(むら)を伐(う)つに用(もち)うれば、厲(あやう)けれども吉(きち)にして咎(とが)なし。貞(ただ)しけれども吝(りん)なり。」

(じょうきゅう。そのつのにすすむ。これむらをうつにもちうれば、あやうけれどもきちにしてとがなし。ただしけれどもりんなり。)
「象曰、維用伐邑、道未光也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、維(こ)邑(むら)を伐(う)つに用(もち)うとは、道(みち)未(いま)だ光(おお)いならざるなり。」

(しょうにいわく、こむらをうつにもちうとは、みちいまだおおいならざるなり。)