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「真心」の法則【61】風沢中孚(ふうたくちゅうふ)/64卦

内なる真実、信頼、真実の中心、誠実、理解、真心、誠意の【61】風沢中孚(ふうたくちゅうふ)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ61番目の【61】風沢中孚(ふうたくちゅうふ)の原文(漢文)と書き下し文です。



【61】風沢中孚(ふうたくちゅうふ)



『卦辞』

「中孚、豚魚吉。利渉大川。利貞。」
「中孚(ちゅうふ)は、豚魚(とんぎょ)にして吉(きち)なり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろし。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」

(ちゅうふは、とんぎょにしてきちなり。たいせんをわたるによろし。ただしきによろし。)




『彖伝』

「彖曰、中孚、柔在内而剛得中、説而巽、孚乃化邦也。豚魚吉、信及豚魚也。利渉大川、乘木舟虚也。中孚以利貞、乃應乎天也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、中孚(ちゅうふ)は、柔(じゅう)、内(うち)に在(あ)りて剛(ごう)、中(ちゅう)を得(え)たり。説(よろこ)びて巽(したが)い、孚(まこと)ありてすなわち邦(くに)を化(か)するなり。豚魚(とんぎょ)にして吉(きち)なりとは、信(まこと)豚魚(とんぎょ)に及(およ)ぶなり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろしとは、木(き)に乗(の)りて舟(ふね)虚(きょ)なればなり。中孚(ちゅうふ)にしてもって貞(ただ)しきに利(よ)ろしとは、すなわち天(てん)に応(おう)ずるなり。」

(たんにいわく、ちゅうふは、じゅう、うちにありてごう、ちゅうをえたり。よろこびてしたがい、まことありてすなわちくにをかするなり。とんぎょにしてきちなりとは、まこととんぎょにおよぶなり。たいせんをわたるによろしとは、きにのりてふねきょなればなり。ちゅうふにしてもってただしきによろしとは、すなわちてんにおうずるなり。)




『象伝』

「象曰、澤上有風、中孚。君子以議獄緩死。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、沢(さわ)の上(うえ)に風(かぜ)あるは中孚(ちゅうふ)なり。君子(くんし)もって獄(ごく)を議(ぎ)し死(し)を緩(ゆる)くす。」

(しょうにいわく、さわのうえにかぜあるはちゅうふなり。くんしもってごくをぎししをゆるくす。)




『爻辞』

上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━〇

「初九。虞吉。有他不燕。」
「初九(しょきゅう)。虞(やす)んずれば吉(きち)なり。它(た)あれば燕(やす)からず。」

(しょきゅう。やすんずればきちなり。たあればやすからず。)
「象曰、初九虞吉、志未變也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、初九(しょきゅう)の虞(やす)んずれば吉(きち)なるは、志(こころざし)いまだ変(へん)ぜざるなり。」

(しょうにいわく、しょきゅうのやすんずればきちなるは、こころざしいまだへんぜざるなり。)



上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━〇
初九━━━

「九二。鳴鶴在陰。其子和之。我有好爵、吾爾靡之。」
「九二(きゅうじ)。鳴鶴(めいかく)陰(いん)に在(あ)り、その子(こ)これに和(わ)す。我(われ)に好爵(こうしゃく)あり。吾(われ)、爾(なんじ)とこれに靡(よ)わん。」

(きゅうじ。めいかくいんにあり、そのここれにわす。われにこうしゃくあり。われ、なんじとこれによわん。)
「象曰、其子和之、中心願也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その子(こ)これに和(わ)すとは、中心(ちゅうしん)より願(ねが)うなり。」

(しょうにいわく、そのここれにわすとは、ちゅうしんよりねがうなり。)



上九━━━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━〇
九二━━━
初九━━━

「六三。得敵、或鼓或罷、或泣或歌。」
「六三(りくさん)。敵(てき)を得(え)たり。あるいは鼓(こ)しあるいは罷(や)め、あるいは泣(な)きあるいは歌(うた)う。」

(りくさん。てきをえたり。あるいはこしあるいはやめ、あるいはなきあるいはうたう。)
「象曰、或鼓或罷、位不當也。」
象(しょう)に曰(いわ)く、あるいは鼓(こ)しあるいは罷(や)むとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。」

(しょうにいわく、あるいはこしあるいはやむとは、くらいあたらざればなり。)



上九━━━
九五━━━
六四━ ━〇
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「六四。月幾望。馬匹亡。无咎。」
「六四(りくし)。月(つき)、望(ぼう)に幾(ちか)し。馬匹(ばひつ)亡(うしな)う。咎(とが)なし。」

(りくし。つき、ぼうにちかし。ばひつうしなう。とがなし。)
「象曰、馬匹亡、絶類上也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、馬匹(ばひつ)亡(うしな)うとは、類(るい)を絶(た)ちて上(のぼ)るなり。」

(しょうにいわく、ばひつうしなうとは、るいをたちてのぼるなり。)




上九━━━
九五━━━〇
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「九五。有孚攣如。无咎。」
「九五(きゅうご)。孚(まこと)ありて攣如(れんじょ)たり。咎(とが)なし。」

(きゅうご。まことありてれんじょたり。とがなし。)
「象曰、有孚攣如、位正當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、孚(まこと)ありて攣如(れんじょ)たりとは、位(くらい)、正(まさ)に当(あた)ればなり。」

(しょうにいわく、まことありてれんじょたりとは、くらい、まさにあたればなり。)



上九━━━〇
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「上九。翰音登于天。貞凶。」
「上九(じょうきゅう)。翰音(かんおん)天(てん)に登(のぼ)る。貞(ただ)しけれども凶(きょう)なり。」

(じょうきゅう。かんおんてんにのぼる。ただしけれどもきょうなり。)
「象曰、翰音登于天、何可長也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、翰音(かんおん)天(てん)に登(のぼ)る、何(なん)ぞ長(なが)かるべけんや。」

(しょうにいわく、かんおんてんにのぼる、なんぞながかるべけんや。)