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「地上天国」の法則【11】地天泰(ちてんたい)/64卦

平和、成功の象徴、繁栄、主要な統合、ハーモニー、地上の天国の設立、安泰、天下泰平、君子が集り小人は去る、天(上位者)と地(下位者)が一致協力の【11】地天泰(ちてんたい)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ11番目の【11】地天泰(ちてんたい)の原文(漢文)と書き下し文です。



【11】地天泰(ちてんたい)



『卦辞』

「泰、小往大來。吉亨。」
「泰(たい)は、小(しょう)往(ゆ)き大(だい)来(きた)る。吉(きち)にして亨(とお)る。」

(たいは、しょうゆきだいきたる。きちにしてとおる。)



『彖伝』

「彖曰、泰小往大來。吉亨、則是天地交而萬物通也。上下交而其志同也。内陽而外陰、内健而外順、内君子而外小人、君子道長、小人道消也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、泰(たい)は小(しょう)往(ゆ)き大(だい)来(きた)る、吉(きち)にして亨(とお)るとは、則(すなわ)ち是(こ)れ天地(てんち)交(まじ)わりて万物(ばんぶつ)通(つう)ずるなり。上下(じょうげ)交(まじ)わりて其(そ)の志(こころざし)同(おな)じきなり。内(うち)陽(よう)にして外(そと)陰(いん)なり、内(うち)健(けん)にして外(そと)順(じゅん)なり、内(うち)君子(くんし)にして外(そと)小人(しょうじん)なり。君子(くんし)は道(みち)長(ちょう)じ、小人(しょうじん)は道(みち)消(しょう)するなり。」

(たんにいわく、たいはしょうゆきだいきたる、きちにしてとおるとは、すなわちこれてんちまじわりてばんぶつつうずるなり。じょうげまじわりてそのこころざしおなじきなり。うちようにしてそといんなり、うちけんにしてそとじゅんなり、うちくんしにしてそとしょうじんなり。くんしはみちちょうじ、しょうじんはみちしょうするなり。)



『象伝』

「象曰、天地交泰。后以財成天地之道、輔相天地之宜、以左右民。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、天地(てんち)交(まじ)わるは泰(たい)なり。后(きみ)以(もっ)て天地(てんち)の道(みち)を財成(ざいせい)し、天地(てんち)の宜(ぎ)を輔相(ほしょう)し、以(もっ)て民(たみ)を左右(たす)く。」

(しょうにいわく、てんちまじわるはたいなり。きみもっててんちのみちをざいせいし、てんちのぎをほしょうし、もってたみをたすく。)



『爻辞』



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━〇


「初九。抜茅茹。以其彙。征吉。」
「初九(しょきゅう)。茅(ちがや)を抜(ぬ)くに茹(じょ)たり。其(そ)の彙(たぐい)と以(とも)にす。征(ゆ)くも吉(きち)なり。」

(しょきゅう。ちがやをぬくにじょたり。そのたぐいとともにす。ゆくもきちなり。)
「象曰、抜茅、征吉、志在外也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、茅(ちがや)を抜(ぬ)く、征(ゆ)くも吉(きち)なりとは、志(こころざし)外(そと)に在(あ)ればなり。」

(しょうにいわく、ちがやをぬく、ゆくもきちなりとは、こころざしそとにあればなり。)



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━〇
初九━━━


「九二。包荒、用馮河、不遐遺、朋亡、得尚于中行。」
「九二(きゅうじ)。荒(こう)を包(か)ね、河(かわ)を馮(かちわた)るを用(もち)い、遐(とお)きを遺(わす)れず、朋(とも)亡(ほろ)ぶれば、中行(ちゅうこう)に尚(かな)うを得(え)ん。」

(きゅうじ。こうをかね、かわをかちわたるをもちい、とおきをわすれず、ともほろぶれば、ちゅうこうにかなうをえん。)
「象曰、包荒、得尚于中行、以光大也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、荒(こう)を包(か)ね、中行(ちゅうこう)に尚(かな)うを得(え)んとは、光大(こうだい)なるを以(もっ)てなり。」

(しょうにいわく、こうをかね、ちゅうこうにかなうをえんとは、こうだいなるをもってなり。)




上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━〇
九二━━━
初九━━━


「九三。无平不陂、无往不復。艱貞无咎。勿恤其孚。于食有福。」
「九三(きゅうさん)。平(たい)らかなるものにして陂(かたむ)かざるはなく、往(ゆ)くものにして復(かえ)らざるはなし。艱(くるし)みて貞(てい)にすれば咎(とが)なし。、其(そ)の孚(まこと)を恤(うれ)うる勿(なか)れ。食(しょく)に于(おい)て福(さいわい)有(あ)らん。」

(きゅうさん。たいらかなるものにしてかたむかざるはなく、ゆくものにしてかえらざるはなし。くるしみてていにすればとがなし。、そのまことをうれうるなかれ。しょくにおいてさいわいあらん。)
「象曰、无往不復、天地際也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、往(ゆ)くものにして復(かえ)らざるはなしとは、天地(てんち)の際(あいだ)なればなり。」

(しょうにいわく、ゆくものにしてかえらざるはなしとは、てんちのあいだなればなり。)




上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━〇
九三━━━
九二━━━
初九━━━


「六四。翩翩不富、以其隣。不戒以孚。」
「六四(りくし)。翩翩(へんぺん)として富(と)めりとせず、其(そ)の隣(となり)と以(とも)にす。戒(いまし)めずして以(もっ)て孚(まこと)あり。」

(りくし。へんぺんとしてとめりとせず、そのとなりとともにす。いましめずしてもってまことあり。)
「象曰、翩翩不富、皆失實也。不戒以孚、中心願也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、翩翩(へんぺん)として富(と)めりとせずとは、皆(みな)實(じつ)を失(うしな)えばなり。戒(いまし)めずして以(もっ)て孚(まこと)あるは、中心(ちゅうしん)より願(ねが)えばなり。」

(しょうにいわく、へんぺんとしてとめりとせずとは、みなじつをうしなえばなり。いましめずしてもってまことあるは、ちゅうしんよりねがえばなり。)




上六━ ━
六五━ ━〇
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━


「六五。帝乙帰妹。以祉元吉。」
「六五。帝乙(ていいつ)妹(まい)を帰(とつ)がしむ。以(もっ)て祉(さいわい)ありて元吉(げんきち)なり。」

(りくご。ていいつまいをとつがしむ。もってさいわいありてげんきちなり。)
「象曰、以祉元吉、中以行願也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、以(もっ)て祉(さいわい)ありて元吉(げんきち)なりとは、中(ちゅう)以(もっ)て願(ねが)いを行(おこ)なうなり。」

(しょうにいわく、もってさいわいありてげんきちなりとは、ちゅうもってねがいをおこなうなり。)




上六━ ━〇
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━


「上六。城復于隍。勿用師。自邑告命。貞吝。」
「上六(じょうりく)。城(しろ)隍(ほり)に復(かえ)る。師(いくさ)を用(もち)うる勿(なか)れ。邑(ゆう)より命(めい)を告(つ)げんのみ。貞(てい)なれども吝(りん)なり。」

(じょうりく。しろほりにかえる。いくさをもちうるなかれ。ゆうよりめいをつげんのみ。ていなれどもりんなり。)
「象曰、城復于隍、其命亂也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、城(しろ)隍(ほり)に復(かえ)るとは、其(そ)の命(めい)乱(みだ)るるなり。」

(しょうにいわく、しろほりにかえるとは、そのめいみだるるなり。)