見出し画像

「ストップ(止まる止める止められる)」の法則【52】艮為山(ごんいざん)/64卦

静寂、瞑想、静止、立ち止まる、止まる、止める、止められる、内側の声と接続、静けさの感覚、立場、社会生活から離れる、ストップ、停止、休息、曲がり角、継承、方向転換の契機、ひとり我が道を行くの【52】艮為山(ごんいざん)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ52番目の【52】艮為山(ごんいざん)の原文(漢文)と書き下し文です。



 【52】艮為山(ごんいざん)

 

『卦辞』

「艮、其背不獲其身。行其庭不見其人。无咎。」
「その背(せ)に艮(とど)まりてその身(み)を獲(え)ず
その庭(にわ)に行(い)きてその人(ひと)を見(み)ず。咎(とが)なし。」
(そのせにとどまりてそのみをえず。そのにわにいきてそのひとをみず。とがなし。)


『彖伝』

「彖曰、艮、止也。時止則止、時行則行、動静不失其時。其道光明。艮其止、止其所也。上下敵應、不相與也。是以不獲其身、行其庭不見其人。无咎也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、艮(ごん)は止(し)なり。時(とき)止(と)まるべければすなわち止(と)まり、時(とき)行(い)くべけれすなわち行(い)き、動静(どうせい)その時(とき)を失(うしな)わず、
その道(みち)光明(こうみょう)なり。その止(し)に艮(とど)まるとは、その所(ところ)に止(とど)まるなり。上下(じょうげ)敵応(てきおう)して、相(あ)与(くみ)せず。ここをもってその身(み)を獲(え)ず、その庭(にわ)に行(い)きてその人(ひと)を見(み)ず。咎(とが)なきなり。」

(たんにいわく、ごんは、しなり。ときとまるべければすなわちとまり、
ときいくべければすなわちいき、どうせいそのときをうしなわず、そのみちこうみょうなり。そのしにとどまるとは、そのところにとどまるなり。じょうげてきおうして、あいくみせず。ここををもってそのみをえず、そのにわにいきてそのひとをみず、とがなきなり。)


 

『象伝』

「象曰、兼山艮。君子以思不出其位。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、兼(か)ねて山(やま)あるは艮(ごん)なり。君子(くんし)もって思(おも)うことその位(くらい)を出(い)でず。」

(しょうにいわく、かねてやまあるはごんなり。くんしもっておもうことそのくらいをいでず。)



『爻辞』


上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━〇

「初六。艮其趾。无尤。利永貞。」
「初六(しょりく)。その趾(あし)に艮(とど)まる。咎(とが)なし。永貞(えいてい)に利(よ)ろし。」

(しょりく。そのあしにとどまる。とがなし。えいていによろし。)
「象曰、艮其趾、未失正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その趾(あし)に艮(とど)まるとは、
未(いま)だ正(せい)を失(うしな)わざるなり。」

(しょうにいわく、そのあしにとどまるとは、いまだせいをうしなわざるなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━〇
初六━ ━

「六二。艮其腓。不拯其隨。其心不快。」
「六二(りくじ)。その腓(こむら)に艮(とど)まる。拯(すく)わずしてそれ随(したが)う。その心(こころ)快(こころよ)からず。」

(りくじ。そのこむらにとどまる。すくわずしてそれしたがう。そのこころこころよからず。)
「象曰、不拯其隨、未退聴也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、拯(すく)わずしてそれ随(したが)うとは、いまだ退(しりぞ)きて聴(き)かざればなり。」

(しょうにいわく、すくわずしてそれしたがうとは、いまだしりぞきてきかざればなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━〇
六二━ ━
初六━ ━

「九三。艮其限。列其夤。厲薫心。」
「九三(きゅうさん)。その限(こし)に艮(とど)まる。その夤(せぼね)を列(さ)く。厲(あやう)きこと心(こころ)を薫(や)く。」

(きゅうさん。そのこしにとどまる。そのせぼねをさく。あやうきことこころをやく。)
「象曰、艮其限、厲心薫也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その限(こし)に艮(とど)まる、危(あやう)きこと心(こころ)を薫(や)くなり。」

(しょうにいわく、そのこしにとどまる、あやうきことこころをやくなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━〇
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「六四。艮其身。无咎。」
「六四(りくし)。その身(み)に艮(とど)まる。咎(とが)なし。」

(りくし。そのみにとどまる。とがなし。)
「象曰、艮其身、止諸躬也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その身(み)に艮(とど)まるとは、これを躬(み)に止(とど)むるなり。」

(しょうにいわく、そのみにとどまるとは、これをみにとどむるなり。)



上九━━━
六五━ ━〇
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「六五。艮其輔。言有序。悔亡。」
「六五(りくご)。その輔(ほほぼね)に艮(とど)まる。言(い)うこと序(じょ)あり。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。」

(りくご。そのほほぼねにとどまる。いうことじょあり。くいほろぶ。)
「象曰、艮其輔、以中正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その輔(ほほぼね)に艮(とど)まるとは、中正(ちゅうせい)なるをもってなり。」

(しょうにいわく、そのほほぼねにとどまるとは、ちゅうせいなるをもってなり。)



上九━━━〇
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「上九。敦艮。吉。」
「上九(じょうきゅう)。艮(とど)まるに敦(あつ)し。吉(きち)なり。」

(じょうきゅう。とどまるにあつし。きちなり。)
「象曰、敦艮之吉、以厚終也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、艮(とど)まるに敦(あつ)きの吉(きち)とは、もって終(おわ)りを厚(あつ)くするなり。」

(しょうにいわく、とどまるにあつきのきちとは、もっておわりをあつくするなり。)