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「闇の明かり」の法則【36】地火明夷(ちかめいい)/64卦

逆境、不当に不利な状況、暗闇、闇が人間の世界に君臨する、曇った知覚、暗闇の明かり、インテリジェンスの無評価、無知、明るさの隠蔽、傷ついた知能、正論を唱える人が傷つく世の中、光が消えるの【36】地火明夷(ちかめいい)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ36番目の【36】地火明夷(ちかめいい)の原文(漢文)と書き下し文です。



【36】地火明夷(ちかめいい)



『卦辞』

「明夷、利艱貞。」
「明夷(めいい)は、艱貞(かんてい)に利(よ)ろし。」

(めいいは、かんていによろし。)



『彖伝』

「彖曰、明入地中明夷。内文明而外柔順、以蒙大難。文王以之。利艱貞、晦其明也。内難而能正其志。箕子以之。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、明(めい)地(ち)の中(なか)に入(はい)るは明夷(めいい)。内(うち)文明(ぶんめい)にして外(そと)柔順(じゅうじゅん)、以(もっ)て大難(だいなん)を蒙(こうむ)る。文王(ぶんおう)之(これ)を以(もっ)てせり。艱貞(かんてい)に利(よ)ろしとは、其(そ)の明(めい)を晦(くら)ますなり。内(うち)難(なん)にして能(よ)く其(そ)の志(こころざし)を正(ただ)しくす。箕子(きし)之(これ)を以(もっ)てせり。」

(たんにいわく、めいちのなかにはいるはめいい。うちぶんめいにしてそとじゅうじゅん、もってだいなんをこうむる。ぶんおうこれをもってせり。かんていによろしとは、そのめいをくらますなり。うちなんにしてよくそのこころざしをただしくす。きしこれをもってせり。)



『象伝』

「象曰、明入地中明夷。君子以涖衆、用晦而明。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、明(めい)地(ち)の中(なか)に入(はい)るは明夷(めいい)なり。君子(くんし)以(もっ)て衆(しゅう)に涖(のぞ)み、晦(かい)を用(もち)いてしかも明(めい)なり。」

(しょうにいわく、めいちのなかにはいるはめいいなり。くんしもってしゅうにのぞみ、かいをもちいてしかもめいなり。)



『爻辞』



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━〇

「初九。明夷。于飛垂其翼。君子于行、三日不食。有攸往。主人有言。」
「初九(しょきゅう)。明(めい)夷(やぶ)る。于(ゆ)き飛(と)びて其(そ)の翼(つばさ)を垂(た)る。君子(くんし)于(ゆ)き行(ゆ)きて三日(みっか)食(くら)わず。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)れば、主人(しゅじん)言(げん)有(あ)り。」

(しょきゅう。めいやぶる。ゆきとびてそのつばさをたる。くんしゆきゆきてみっかくらわず。ゆくところあれば、しゅじんげんあり。)
「象曰、君子于行、義不食也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、君子(くんし)于(ゆ)き行(ゆ)くとは、義(ぎ)として食(は)まざるなり。」

(しょうにいわく、くんしゆきゆくとは、ぎとしてはまざるなり。)




上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━〇
初九━━━

「六二。明夷。夷于左股。用拯馬壮、吉。」
「六二(りくじ)。明(めい)夷(やぶ)る、左股(さこ)を夷(やぶ)る。用(もっ)て拯(すく)うに馬(うま)壮(さか)んなれば、吉(きち)なり。」

(りくじ。めいやぶる、さこをやぶる。もってすくうにうまさかんなれば、きちなり。)
「象曰、六二之吉、順以則也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、六二(りくじ)の吉(きち)は、順(じゅん)にして以(もっ)て則(のり)あればなり。」

(しょうにいわく、りくじのきちは、じゅんにしてもってのりあればなり。)



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━〇
六二━ ━
初九━━━

「九三。明夷。于南狩。得其大首。不可疾貞。」
「九三(きゅうさん)。明(めい)夷(やぶ)る。于(ゆ)きて南(みなみ)に狩(かり)して、其(そ)の大首(たいしゅ)を得(え)たり。疾(と)く貞(ただ)しくす可(べ)からず。」

(きゅうさん。めいやぶる。ゆきてみなみにかりして、そのたいしゅをえたり。とくただしくすべからず。)
「象曰、南狩之志、乃得大也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、南(みなみ)に狩(かり)の志(こころざし)は、乃(すなわ)ち大(おお)いに得(え)るなり。」

(しょうにいわく、みなみにかりのこころざしは、すなわちおおいにえるなり。)



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━〇
九三━━━
六二━ ━
初九━━━

「六四。入于左腹。獲明夷之心。于出門庭。」
「六四(りくし)。左腹(さふく)に入(はい)り、明夷(めいい)の心(こころ)を獲(え)て、于(ゆ)きて門庭(もんてい)を出(い)づ。」

(りくし。さふくにはいり、めいいのこころをえて、ゆきてもんていをいづ。)
「象曰、入于左腹、獲心意也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、左腹(さふく)に入(はい)るとは、心(こころ)意(い)を獲(え)るなり。」

(しょうにいわく、さふくにはいるとは、こころいをえるなり。)




上六━ ━
六五━ ━〇
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━


「六五。箕子之明夷。利貞。」
「六五(りくご)。箕子(きし)の明(めい)夷(やぶ)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」

(りくご。きしのめいやぶ)る。ただしきによろし。)
「象曰、箕子之貞、明不可息也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、箕子(きし)の貞(てい)は、明(めい)息(や)む可(べ)からざるなり。」

(しょうにいわく、きしのていは、めいやむべからざるなり。)



上六━ ━〇
六五━ ━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━

「上六。不明晦。初登之天、後入于地。」
「上六(じょうりく)。明(あきら)かならずして晦(くら)し。初(はじ)めは天(てん)に登(のぼ)り、後(のち)には地(ち)に入(はい)る。」

(じょうりく。あきらかならずしてくらし。はじめはてんにのぼり、のちにはちにはいる。)
「象曰、初登于天、照四國也。後入于地、失則也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、初(はじ)めは天(てん)に登(のぼ)るとは、四國(しこく)を照(て)らす也(なり)。後(のち)には地(ち)に入(はい)るとは、則(のり)を失(うしな)うなり。」

(しょうにいわく、はじめはてんにのぼるとは、しこくをてらすなり。のちにはちにはいるとは、のりをうしなうなり。)