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「紛争訴訟」の法則【6】天水訴(てんすいしょう)/64卦

紛争、 コンフリクト 、不一致、対立、ストレス、争いの象徴、論争、口論、訴える、分裂抗争、行き違い、訴訟の【6】天水訴(てんすいしょう)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ6番目の【6】天水訴(てんすいしょう)の原文(漢文)と書き下し文です。



【6】天水訴(てんすいしょう)


『卦辞』

「訟、有孚窒。惕中吉、終凶。利見大人。不利渉大川。」
「訟(しょう)は、孚(まこと)有(あ)りて窒(ふさ)がる。惕(おそ)れて中(ちゅう)すれば吉(きち)、終(おわ)れば凶(きょう)なり。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろし。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろしからず。」

(しょうは、まことありてふさがる。おそれてちゅうすればきち、おわればきょうなり。たいじんをみるによろし。たいせんをわたるによろしからず。)



『彖伝』

「彖曰、訟上剛下険。険而健訟。訟有孚窒、惕中吉、剛來而得中也。終凶、訟不可成也。利見大人、尚中正也。不利渉大川、入于淵也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、訟(しょう)は上(うえ)剛(ごう)にして下(した)険(けん)なり。険(けん)にして健(けん)なるは訟(しょう)なり。訟(しょう)は孚(まこと)有(あ)りて窒(ふさ)がる、惕(おそ)れて中(ちゅう)すれば吉(きち)とは、剛(ごう)來(きた)りて中(ちゅう)を得(え)ればなり。終(おわ)れば凶(きょう)とは、訟(しょう)は成(な)す可(べ)からざればなり。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろしとは、中正(ちゅうせい)を尚(たっと)ぶなり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)しからずとは、淵(ふち)に入(はい)るべければなり。」

(たんにいわく、しょうはうえごうにしてしたけんなり。けんにしてけんなるはしょうなり。しょうはまことありてふさがる、おそれてちゅうすればきちとは、ごうきたりてちゅうをえればなり。おわればきょうとは、しょうはなすべからざればなり。たいじんをみるによろしとは、ちゅうせいをたっとぶなり。たいせんをわたるによしからずとは、ふちにはいるべければなり。)



『象伝』

「象曰、天與水違行訟。君子以作事謀始。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、天(てん)と水(みず)と違(たが)い行(い)くは訟(しょう)なり。君子(くんし)以(もっ)て事(こと)を作(な)すに始(はじ)めを謀(はか)る。」

(しょうにいわく、てんとみずとたがいいくはしょうなり。くんしもってことをなすにはじめをはかる。)



『爻辞』



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初六━ ━〇

「初六。不永所事。小有言。終吉。」
「初六(しょりく)。事(こと)とする所(ところ)を永(なが)くせざれば、小(すこ)しく言(げん)有(あ)るも、終(つい)にはに吉(きち)なり。」

(しょりく。こととするところをながくせざれば、すこしくげんあるも、ついにはにきちなり。)
「象曰、不永所事、訟不可長也。雖小有言、其辨明也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、事(こと)とする所(ところ)を永(なが)くせずとは、訟(しょう)は長(なが)くす可(べ)からざるなり。小(すこ)しく言(げん)有(あ)りと雖(いえど)も、其(そ)の辨(べん)明(あき)らかなり。」

(しょうにいわく、こととするところをながくせずとは、しょうはながくすべからざるなり。すこしくげんありといえども、そのべんあきらかなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━〇
初六━ ━

「九二。不克訟。歸而逋。其邑人三百戸。无眚。」
「九二(きゅうじ)。訟(しょう)に克(か)たず。歸(かえ)りて逋(のが)る。其(そ)の邑(ゆうじん)人三百戸(さんびゃっこ)なれば、眚(わざわ)いなし。」

(きゅうじ。しょうにかたず。かえりてのがる。そのゆうじんさんびゃっこなれば、わざわいなし。)
「象曰、不克訴、歸逋竄也。自下訟上、患至掇也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、訴(しょう)に克(か)たず、歸(かえ)りて逋(のが)れ竄(かく)るるなり。下(した)より上(うえ)を訟(うった)う、患(うれ)いの至(いた)ること掇(ひろ)うがごとくなり。」

(しょうにいわく、しょうにかたず、かえりてのがれかくるるなり。したよりうえをうったう、うれいのいたることひろうがごとくなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━
六三━ ━〇
九二━━━
初六━ ━

「六三。食舊德。貞厲終吉。或従王事、无成。」
「六三(りくさん)。舊德(きゅうとく)に食(は)む。貞(てい)なれば厲(あやう)けれども終(つい)には吉(きち)なり。或(あるい)は王事(おうじ)に従(したが)うとも、成(な)すことなかれ。」

(りくさん。きゅうとくにはむ。ていなればあやうけれどもついにはきちなり。あるいはおうじにしたがうとも、なすことなかれ。)
「象曰、食舊德、従上吉也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、舊德(きゅうとく)に食(は)むとは、上(うえ)に従(したが)えば吉(きち)なるなり。」

(しょうにいわく、きゅうとくにはむとは、うえにしたがえばきちなるなり。)



上九━━━
九五━━━
九四━━━〇
六三━ ━
九二━━━
初六━ ━

「九四。不克訟。復即命、渝安貞吉。」
「九四(きゅうし)。訟(しょう)に克(か)たず。復(かえ)りて命(めい)に即(つ)き、渝(かわ)えて貞(てい)に安(やす)んずれば吉(きち)なり。」

(きゅうし。しょうにかたず。かえりてめいにつき、かわえてていにやすんずればきちなり。)
「象曰、復即命、渝安貞、不失也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、復(かえ)りて命(めい)に即(つ)き、渝(かわ)えて貞(てい)に安(やす)んずとは、失(うしな)わざるなり。」

(しょうにいわく、かえりてめいにつき、かわえてていにやすんずとは、うしなわざるなり。)



上九━━━
九五━━━〇
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初六━ ━

「九五。訟、元吉。」
「九五(きゅうご)。訟(しょう)、元吉(げんきち)なり。」

(きゅうご。しょう、げんきちなり。)
「象曰、訟元吉、以中正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、訟(しょう)、元吉(げんきち)なりとは、中正(ちゅうせい)なるを以(もっ)てなり。」

(しょうにいわく、しょう、げんきちなりとは、ちゅうせいなるをもってなり。)



上九━━━〇
九五━━━
九四━━━
六三━ ━
九二━━━
初六━ ━

「上九。或錫之鞶帯。終朝三褫之。」
「上九(じょうきゅう)。或(ある)いは之(これ)に鞶帯(はんたい)を錫(たま)わるも、終朝(しゅうちょう)に三(み)たび之(これ)を褫(うば)わる。」

(じょうきゅう。あるいはこれにはんたいをたまわるも、しゅうちょうにみたびこれをうばわる。)
「象曰、以訟受服、亦不足敬也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、訟(しょう)を以(もっ)て服(ふく)を受(う)くるは、亦(また)敬(けい)するに足(た)らざるなり。」

(しょうにいわく、しょうをもってふくをうくるは、またけいするにたらざるなり。)