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「座礁麻痺」の法則【39】水山蹇(すいざんけん)/64卦

座礁、麻痺、行き悩む、進退窮まる、困難と障害、妨害、閉塞、大きな危険の【39】水山蹇(すいざんけん)。



【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ39番目の【39】水山蹇(すいざんけん)の原文(漢文)と書き下し文です。



【39】水山蹇(すいざんけん)

 

『卦辞』

「蹇、利西南。不利東北。利見大人。貞吉。」
「蹇(けん)は、西南(せいなん)に利(よ)ろし。東北(とうほく)に利(よ)ろしからず。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろし。貞(ただ)しければ吉(きち)なり。」

(けんは、せいなんによろし。とうほくによろしからず。たいじんをみるによろし。ただしければきちなり。)


『彖伝』

「彖曰、蹇、難也。險在前也。見險而能止、知矣哉。蹇利西南、往得中也。不利東北、其道窮也。利見大人、往有功也。當位貞吉、以正邦也。蹇之時用、大矣哉。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、蹇(けん)は、難(なん)なり。険(けん)前(まえ)に在(あ)るなり。険(けん)を見(み)て能(よ)く止(と)まる、知(ち)なる哉(かな)。蹇(けん)は西南(せいなん)に利(よ)ろしとは、往(ゆ)きて中(ちゅう)を得(え)ればなり。東北(とうほく)に利(よ)ろしからずとは、その道(みち)窮(きゅう)すればなり。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろしとは、往(ゆ)きて功(こう)あるなり。位(くらい)に当(あた)り貞(てい)にして吉(きち)なりとは、もって邦(くに)を正(ただ)すなり。蹇(けん)の時用(じよう)大(おお)いなる哉(かな)。」
(たんにいわく、けんは、なんなり。けんまえにあるなり。けんをみてよくとまる、ちなるかな。けんはせいなんによろしとは、ゆきてちゅうをえればなり。とうほくによろしからずとは、そのみちきゅうすればなり。たいじんをみるによろしとは、ゆきてこうあるなり。くらいにあたりていにしてきちなりとは、もってくにをただすなり。けんのじようおおいなるかな。)


 

『象伝』

「象曰、山上有水蹇。君子以反身脩德。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、山上(さんじょう)に水(みず)あるは蹇(けん)なり。君子(くんし)もって身(み)に反(かえ)りて徳(とく)を修(おさ)む。」
(しょうにいわく、さんじょうにみずあるはけんなり。くんしもってみにかえりてとくをおさむ。)



『爻辞』


上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━〇

「初六。往蹇、來譽。」
「初六(しょりく)。往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば誉(ほま)れあり。」

(しょりく。ゆけばなやみ、きたればほまれあり。)
「象曰、往蹇、來譽、宜待也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば誉(ほま)れありとは、宜(よろ)しく待(ま)つべしとなり。」

(しょうにいわく、ゆけばなやみ、きたればほまれありとは、よろしくまつべしとなり。)


上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━〇
初六━ ━

「六二。王臣蹇蹇。匪躬之故。」
「六二(りくじ)。王臣(おうしん)蹇蹇(けんけん)たり。躬(み)の故(こと)に匪(あら)ず。」

(りくじ。おうしんけんけんたり。みのことにあらず。)
「象曰、王臣蹇蹇、終无尤也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、王臣(おうしん)蹇蹇(けんけん)たりとは、終(つい)に尤(とが)なきなり。」

(しょうにいわく、おうしんけんけんたりとは、ついにとがなきなり。)


上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━〇
六二━ ━
初六━ ━

「九三。往蹇、來反。」
「九三(きゅうさん)。往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば反(かえ)る。」

(きゅうさん。ゆけばなやみ、きたればかえる。)
「象曰、往蹇、來反、内喜之也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば反(かえ)るとは、内(うち)これを喜(よろこ)ぶなり。」

(しょうにいわく、ゆけばなやみ、きたればかえるとは、うちこれをよろこぶなり。)


上六━ ━
九五━━━
六四━ ━〇
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「六四。往蹇、來連。」
「六四(りくし)。往(ゆ)けば蹇(なや)み、來(きた)れば連(つら)なる。」

(りくし。ゆけばなやみ、きたればつらなる。)
「象曰、往蹇、來連、當位實也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば連(つら)なるとは、位(くらい)に当(あた)りて実(じつ)なればなり。」

(しょうにいわく、ゆけばなやみ、きたればつらなるとは、くらいにあたりてじつなればなり。)


上六━ ━
九五━━━〇
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「九五。大蹇。朋來。」
「九五(きゅうご)。大(おお)いに蹇(なや)むも、朋(とも)来(きた)る。」

(きゅうご。おおいになやむも、ともきたる。)
「象曰、大蹇、朋來、以中節也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、大(おお)いに蹇(なや)むも、朋(とも)来(きた)るとは、中節(ちゅうせつ)なるをもってなり。」

(しょうにいわく、おおいになやむも、ともきたるとは、ちゅうせつなるをもってなり。)


上六━ ━〇
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
六二━ ━
初六━ ━

「上六。往蹇、來碩。吉。利見大人。」
「上六(じょうりく)。往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば碩(おお)いなり。吉(きち)なり。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろし。」

(じょうりく。ゆけばなやみ、きたればおおいなり。きちなり。たいじんをみるによろし。)
「象曰、往蹇、來碩、志在内也。利見大人、以從貴也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、往(ゆ)けば蹇(なや)み、来(きた)れば碩(おお)いなりとは、志(こころざし)内(うち)に在(あ)るなり。大人(たいじん)を見(み)るに利(よ)ろしとは、もって貴(き)に従(したが)うなり。」

(しょうにいわく、ゆけばなやみ、きたればおおいなりとは、こころざしうちにあるなり。たいじんをみるによろしとは、もってきにしたがうなり。)