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データのサイロ化の原因・解消したときのメリット、解消するときの注意点

デジタルマーケティンググループでコンサルタントをしている柿原(かきはら)です。

マーケティング活動に関連する業務を行う中で、「システムのサイロ化」や「データのサイロ化」という課題に向き合わられている方も多いと思います。
この記事では、その中で「データのサイロ化」の焦点を合わせ、原因・解消したときのメリット、解消するときの注意点についてお話をします。




そもそもサイロとは?

「〇〇のサイロ化」といった言葉から「サイロ」という言葉を知った方もいると思いますが、
「サイロ」とは、牧草・トウモロコシなどの飼料を発酵させて貯蔵するための倉庫のこと。
を指した言葉になります。

「サイロ」と呼ばれる倉庫は内部がつながっておらず、それぞれが独立しているという特徴があることから、各部門などで利用しているシステムやデータが独立して連携が取れない状態のことを「システムのサイロ化」や「データのサイロ化」と呼ばれるようになりました。


データのサイロ化が発生する原因

データのサイロ化は、どのような企業でも起こる可能性がある問題です。

会社として、各部署・グループを効率よく運用・管理するために、部署・グループの機能・業務に特化した予約管理システムや顧客管理システム、POSシステムなどといったシステムを導入することがあります。その場合のシステム選定では「効率よく運用・管理する」という目的が最優先となるため、「システムのサイロ化」が発生し、続いて「データのサイロ化」が起きることになります。

データのサイロ化が起きる原因が「システム選定のタイミングにある」となると、システム選定や導入を行ったプロジェクトに問題があったと考えることができますが、実際にはそうではないことが多いです。
「効率よく運用・管理する」という目的でシステム選定や導入をするプロジェクトでは、同時にスピード感も求められることが多くあります。「データのサイロ化」を回避するためには、他の部署・グループとの調整や他のシステムの調査などの時間を要するプロセスが必要となりますが、各プロジェクトではそういったプロセスを実施する時間が確保できないことがあるためです。


データのサイロ化を解消したときのメリット

データのサイロ化が解消し、データが連携・統合されたときのマーケティングにおけるメリットの3つを紹介します。

1、施策方針決定のスピードが短縮し、正確性が向上する

データが連携・統合されていると、施策方針を検討するために必要なデータを自由に分析することができることになり、施策の根拠となる情報などがスムーズに確認できることで施策内容の調整や決定に要する時間が短縮できます。

2、顧客体験をパーソナライズできる

データが連携・統合されていると、一人一人の顧客の属性や購入履歴などを識別し、顧客が望むサービスやコンテンツを優先的に提供することができ、満足度の高い顧客体験を実現ことができます。

3、定型レポーティング業務の自動化が可能になる

マーケティング業務の中には、週次・月次などの定型レポーティング業務も含まれていると思います。
これらの業務に必要なデータが統合されていれば、データの加工の難易度が低くなり自動化しやすい状態となります。自動化までは対応が困難な場合でもデータの加工の難易度が低くなるため、特定のメンバーのみが対応できるといった状態になることを避けることにもつながります。


データのサイロ化を解決するときの注意点

データのサイロ化を解消し、データを連携・統合するときに注意するべき点には連携方法などのシステム的な要素もありますが、今回はマーケティング視点の領域での注意するべき点についてお話しします。

1、データを連携・統合する目的を明確にする

データを連携・統合する目的を決めないままデータを連携・統合を進めても、データを連携・統合は実現できたが、分析したい軸で分析ができない、意図したセグメントを作成するために追加の作業が発生する、などが発生することがありますので、実現することを明確にする必要があります。

2、同一顧客の判別方法検討

各データに共通のIDが付与されているケースは少ないため、各データを連携・統合するための名寄せのルールをそれぞれのデータに対して検討する必要があります。


さいごに

ここまで「データのサイロ化の原因・解消したときのメリット、解消するときの注意点」についてお話ししました。

データのサイロ化を解決する方法の1つとして、「CDP(Customer Data Platform)」を導入する方法があると考えています。
CDPについてはこちらの記事にて解説していますので、ぜひ合わせてご確認ください。



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