ようこそ雨男 晴女の世界へ
最近の空模様に
こんな風に声を掛けられた気がした
ただ春めいている だけではないようだ
雨や雲にぼんやりと
ただ 包まれていたはずなのに
わずかに感じるくらいの存在だった
何でもないような 日差しが
陽だまりになるくらい
ぼくの隣に そそがれていた
雨男は 求めている理想もあって
空を真っ青にするような
澄んだ光が好きだと 想い込んでいた
まわりの人を朗らかにする そんな光
その澄んだ 色白な光が持つ
苦労や優しい悲しみ 愛すべき強さ
純朴な色気なんかも
すごくいいなと 惹かれていた
だけど…
ぼくの隣にあった陽だまりには
ちゃんと気づいていなかった
ちゃんと見てはいなかった
夕陽や木漏れ陽には
引き寄せられていたはずなのに
その中に見ていたのは 結局
青空をつくる 澄んだ色白な光だった
そこに気づきはじめてしまった
それだからなのか
ぼくは 夕陽も 木漏れ陽も
すぐそばにある 陽だまりにも
自分の目の中にある 生粋のレンズを
最近 上手に向けることができなくなった
濁りを含んだ
何とも言えない 陽の明るさは
そんな僕を 見つめている
それは前から惹かれている
青空をつくる澄んだ 光とは違うもの
ぼくがあまり好きになれなかった
その何とも言えない 明かりの
その表面に感じる
まわりを無言にさせるような
厳しさや暗さ すれた部分
何でもなく見ないことにして
それで全然構わなかったのに
音がしても反応せずに流して
それで全く問題なかったのに
君の香るような感触を
知ってしまった日から
どこかがおかしい
ぼくが心の中で 軽蔑しているような
軽はずみな部分や 理解不能な感性さえ
もしかしたら…と
すり寄り方を知らない 子供のような
ただ隣にあった
陽だまりに
本当は誰より人懐っこいかもしれない
陽だまりに
心を少し掻き回されている
前は好きになれなかった そんな陰の部分が
知らないうちに
ぼくにも影響を与えているみたいだ
思うように 書けない
気になってしまっている。
ぼくのすぐ側で ぼくに向けて
曖昧に開かれている その扉が
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