論文抄読 イベルメクチンとCOVID-19

2020.05.07
Utah大学(ソルトレイク)、HCA research institute(フロリダ)、Surgisphere Corporation(シカゴ)、Brigham and women's Hosital...(ボストン)の連名。
Amit N. Patel先生が筆頭著者

<一言でいうと>
イベルメクチン投与群では非投与群と比較して、在院死(入院してから治療受けたけどなくなること)が-7.1%であった(1.4% vs 8.5%)。
※Control群があるという点では◯
※プロペンシティスコアマッチング(患者背景を後出しだけど、極力揃える。バイアスを減らす方法)をした点では◯ 

<どんな患者が対象?>
2020年1月1日〜2020年3月31日の間に、多施設においてCOVID-19感染と診断された患者。
・施設数:169(北米と欧州中心。南米、アフリカ、アジアからも。人種も様々)
・症例数:イベ投与 704 vs 非投与 704のプロペンシティスコアマッチ。
・その他:
 平均 53.4歳・・・若め
 性別(男性) 55%くらい・・・半々くらい
 基礎疾患
  糖尿病 11%、COPD/喘息 2-3%、喫煙歴 20%、高血圧 25%
 重症度(qSOFA) 1.5
 人工呼吸器 3.1%(22人) vs 9.7%(68人)・・・(非投与群のほうが呼吸器患者多い!)
  ※ここが大きなバイアス疑い。

<結果>
全対象患者の死亡率:1.8% vs 10.2%
在院死:1.4% vs 8.5%
人工呼吸器患者の死亡率:7.3% vs 21.3%

<考察>
・有効かもしれない(あくまでも後ろ向き(後出し的)研究なので、バイアスが生じる(評価に偏りがある可能性が高くなる)。)
・人工呼吸器患者が非投与群で多かったので、単純な死亡率の話しはできない。
・いちおう、人工呼吸器患者だけで比較したら、投与群が成績良い。
・呼吸器患者割合でプロペンシティスコアマッチングした場合、同様の結果になるのか教えてほしい。

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