捻くれポジティブでありたい秋の夜。
いつの間にか夜が長くなった。まさに秋の夜長というやつである。
オフィスを照らす白い灯りは"邪悪"だが、ポツポツと浮かぶマンションの橙色は、どこか懐かしみを帯びた心地良さがあると、薄暗い帰り道の中、不意にそんなことを考えた。
しかし、"家庭の灯り"がいつもいつも温かみのあるものばかりではないことは、私もよく知っている。
かつての子供時代、私は母親から「いつからそんな捻くれた考えするようになったのよ、昔はもっと素直だったのに」と、落胆にも近い叱りを受けたことがある。子供ながら