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地面師とマイナンバーカード

人々が普通に暮らしている中で、世の中には他人の財産を奪い取ろうとする悪意を持った者が存在することを、ドラマでは知っていても、多くの人は実感していないでしょう。特に、経済的に中流層に属する人々にとって、財産を狙われるという感覚は遠い話かもしれません。しかし、都会を歩いていると、突如として目に入る古びた一軒家が、実はその地に住んでいた家族の偶然の幸運の象徴であることに気付かされます。

かつて、その土地が単なる田舎の一部であった時代に、鉄道の普及が始まりました。やがて駅が建設され、その周囲が都市化していった結果、以前は見向きもされなかった土地の価値が急上昇しました。当時、これが起こることを予見できた者はどれほどいたでしょうか。それは予期せぬ贈り物であり、その土地を受け継いだ家族にとっても、突然手に入れた大きな財産となりました。

しかし、このような偶然の資産増加は、一方で悪意を持った者たちの目に留まりやすいのです。最近話題になったNetflixのドラマが取り上げたように、「地面師」と呼ばれる詐欺師たちは、土地所有者になりすまして土地を不正に売却し、莫大な金銭を騙し取ることがあります。積水ハウスがこの手口により甚大な被害を受けた実話は、決してフィクションではない現実の一端を浮き彫りにしています。

こうした詐欺は、偽造された運転免許証やパスポート、その他の身分証明書によって本人になりすますことで行われます。被害者は、巧妙に偽装された身分証を信じ込み、結果として大切な土地を失うことになるのです。しかし、ここでマイナンバーカードの有効性が注目されます。マイナンバーカードは、従来の目視による確認に依存する身分証明書とは一線を画します。

マイナンバーカードに搭載されている電子証明書は、信頼のおける第三者機関によって電子的に認証されており、偽装が極めて困難です。この電子証明書を不正に利用するためには、第三者機関そのものをハッキングする必要がありますが、その難易度は極めて高く、実質的に不可能とされています。さらに、マイナンバーカードは顔写真、住所、氏名、生年月日といった基本情報に加え、電子的な証明機能を備えているため、地面師による詐欺から財産を守る強力な手段となります。

このように、偶然手に入れた大切な資産を守るためには、最新の技術と制度を利用することが不可欠です。世の中には善意の人々だけでなく、悪意を持った者が存在することを認識し、自分自身や家族の財産を守るための対策を講じることが求められています。マイナンバーカードは、その一つの有効なツールとして、これからの社会でますます重要な役割を果たすでしょう。ただしマイナンバーカードがあれば全て安心という訳ではなありません。常日頃からセキュリティ意識高めることを意識しましょう。いつ鷹が飛んでくるかわかりませんから。

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