見出し画像

システム外注をする前に知っておきたいポイント【中小企業向け】

システムを導入したのに「使いづらいからまえのやり方の方が良い」「使い方が分からないから使わない」などと満足できない結果になることが、システム開発プロジェクトの2つに1つと言われ、問題視されています。

このような失敗を避けるためにはどのような準備やプロセスが必要なのでしょうか?

ここではIT化やシステム化を検討している方が、外注する前に「考えておきたいこと」「知っておきたいこと」について調査した内容をまとめていきたいと思います。

新しい内容や変更点は随時更新していきます。

「システム化は目的ではなく手段である」という認識

経営課題を解決するための「手段」であるはずのシステム化が「目的」とすりかわってしまった結果、使えないシステムを生み出す要因となることがあります。そうならないためにも「何のためにシステム化するのか」と導入の先にある目的を見据えることが大切です。

■システム化によってできること

①日々の業務のムダとムラをなくす
②リソース配置を最適化する
③新たな事業や働き方を創出する

出典:『御社にそのシステムは不要です。』四宮靖隆 あさ出版

現状をただしく知り課題をみつける

システム化するときに重要なことは「どんなシステムを作るか」の前に「現状どうなっているか」を正確に把握することです。

■現状(AS-IS)を把握する

現状(AS-IS)を正確に把握するために業務の流れを分解し「見える化」します。この作業のときに「現場の経験や勘」といったスタッフのアタマの中にだけ保存されている「暗黙知」状態のノウハウを周囲と共有できる形式にします。そして全体の流れを業務フロー図にまとめます。

■理想像(TO-BE)を決める

次に上で行った現状分析をベースに、自社システムのあるべき理想像(TO-BE)を決め、アイデアを提案依頼書(RFP : Request For Proposalにまとめます。そうすることで要件を整理できますし、外注先から良い提案をもらうことが可能になり適切なパートナー選びに役立ちます。

■解決策 = 理想[TO-BE] ➖ 現状[AS-IS]

→理想と現状のギャップを分析し解決策を整理します。ここで実現可能性や優先度の検証を行うことが、外注による失敗を避け業務改善の効果をあげることにつながります。

「ありもの」を組み合わせるという発想

理想(TO-BE)を達成するための解決策すべてを1つのシステムに統合する必要はあるでしょうか?

ゼロからつくることのリスク

自社専用のシステムをゼロから開発することを「スクラッチ開発」と言います。スクラッチ開発はオーダーメイドで開発するため大きなコストがかかることが多く、開発失敗のリスクも高くなります。

「組み合わせ」と「仕組み化」で解決

スクラッチ開発に対してMicrosoft社の「Office」のようなパッケージソフトウェアは一般向けの「ありもの」のシステムで自社専用システムと比べれば理想(TO-BE)に完全には一致しないかもしれません。ですが、カスタマイズが可能なパッケージを適切に採用することで目的を達成することが可能です。

またクラウドサービスを利用することでインターネットに接続できる環境であればどこでもシステムを利用できます。またシステム用のPCを変えるときにもインストールなどの手間がなくなります。

これらを組み合わせ、作業工程のマニュアル化やRPAの導入など業務フローを「仕組み化」することで変化に強い仕組みを構築し、理想(TO-BE)を満たすことが可能です。

自社の成長のために外部と連携

これまでの内容をどう実践し、本質的な目的を達成して行けば良いでしょうか?

鍵となるのはスモールスタートアジャイル開発を行える業者とパートナーシップを結ぶことです。

これについては別の記事にまとめて行こうと思います。

参考書籍

本記事を書くにあたり参考にしたおすすめの本2冊を紹介します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?