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V6のおたくの3日間


ああこれは後々の自分のために残しておいた方がいいだろうなあ、と思ってこれを書いています。




3月12日 金曜日


今日も懲りずに仕事中もV6のことを考え、V6の曲を聴く、いつもの日常でした。最近冷え性がひどく、帰ったら1人で家の近くの温泉に行ってのんびりしよ、と最高の華金を想像しわくわくしていました。

それを見たのは退勤して地下鉄を待つホームでした。FC会員向けに「16時にファンの皆さんに大切なお知らせがあります」という旨のメールが届いていました。時刻は19時過ぎ、恐る恐るFC会員ページのお知らせを開きました。

結論が知りたくて、震える手で途中の文を読み飛ばし、その文字を確認しました。その時の感情がどんなものだったか、もうわかりませんが、口元を押さえ目を見開いたまま、ホームに滑り込んできた地下鉄に乗り込みました。そのメールと、メッセージを、2、3度読み返したと思います。スマホを滑らす親指と眼球以外が動かず、リュックを固く抱きしめ、最寄り駅に着くまでに涙が滲んでは乾き、呆然とメッセージの文字を追いました。

地下鉄を降り下を向いていつもより早い歩調で歩きながら、その時私が感じていたのは恐怖でした。まるで、突然帰る家がなくなって、これからどうやって生きていけばいいのかわからない、でも人生は続いていくことが恐ろしい、こわい、こわい、こわくてたまらい。ひと気の少ない家路をたどり、ここで始めて嗚咽を漏らしながら涙をこぼしマスクを濡らしました。

家に着いた私は絶望しました。右の壁にも、左の壁にも、棚の上にも、この部屋はあまりにもV6に囲まれている。いつもは幸せで大好きな私の部屋がこの時は脅威でした。こんなに私はV6に寄り掛かって生きている、依存している、どうすればいい、見たくない、見れない、助けて。腕で顔を覆い声をあげて泣きました。

あのメッセージには動画がついていました。今彼らの姿を見るのはこわいという気持ちと、でも彼らの言葉を聞きたいという気持ち、しばしの逡巡の後、コートも着たままの私はすがるような気持ちで再生ボタンを押しました。

...なんというか、彼らの姿、真摯な言葉、そしていつも通りのゆるくてふざけた言葉を聞いて不思議と安心しました。ああ大丈夫だ、そう思いました。まだぐちゃぐちゃな気持ちは残っていましたが、幾ばくか気持ちが軽くなったのです。つい先程まで「それどころじゃない」と思っていた私は、いそいそとタオルと着替えをまとめ、予定通り温泉に行く準備を始めるまでに回復しました。

温泉への道すがら、露天風呂で星のない空を見上げながら、たくさんのことを考えました。私が彼らのファンだと知っている人達、今頃「あいつ大丈夫かな」と思ってくれているだろうな、という顔がいくつも浮かんできて、それが嬉しくもありました。受け入れたのかと問われればそんな気もするし、思考放棄したのではと言われればそんな気もします。でもまだ私の口から何を喋ればいいのかはわからなくて、1人になりたいってこういう気持ちか、とも思っています。でも、誰かに抱きしめて欲しいな、とも思っています。

ひとまず今日は自分を甘やかそうと思い、温泉の帰りマクドナルドでポテトとチョコいちごパイを買ってきました。23時に食べる高カロリーは美味しかったです。

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私は、ここまでで自分との対話はできるようになって、だいぶ精神も落ち着きました。でも、まだ周りの声を聞く余裕はありません。慰めの言葉、メディアの報道、ファンの反応、それらを見る勇気も力も今はありません。なので少しSNS断ちをしようと思います。自分を見つめ、言葉にし、日常を尊び過ごそうと思います。

私は今そこまで悲観はしていません。むしろ力が湧いています。彼らのファンとして誇れる自分でいよう。そのために己を精一杯鍛えよう、そして甘やかそう。2021年、絶対に絶対に悔いのない年にする。私は彼らのファンになってまだたった3年目。でも、この3年で数え切れないほどの宝物をもらいました。だから私は大丈夫。これからも生きていける。

ここまで書き終えて24時22分。まだマックポテトとイチゴチョコパイでお腹がいっぱいなので、pixivで二次創作小説を読みながらゆっくり眠りに着こうと思います。


メモ:頭の中で『クリア』と『Full  Circle』の歌詞がずっと行ったり来たりしています。

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3月13日 土曜日


昨日は結局3時過ぎまで二次創作小説を読み漁っていたけれど、V6のことが頭から離れなくて集中できませんでした。そんな時間まで起きていたのに上手に眠れなくて、朝7時に目が覚めて二度寝もできませんでした。ただ不思議と心は凪いでいて、「なんか普通にTwitter見れそう」と思いスマホに手を伸ばしました。昨日は「絶対見れない」と思っていたのに不思議です。

とはいえやっぱり勇気は必要で、こんなに緊張しながらタイムラインを辿ったのは初めてでした。ファンの皆さんの呟き、全てに「うん、うん」と思いながらいいね押しマシーンになりました。

ファンの皆さんの呟きから、ジャニーズwebで健くんがブログを更新していると知りすぐに見にいきました。そこに載せてくれていた6人の笑顔の写真を見て、笑った後に泣いて、また見て、笑いながら泣いて、呼吸ができなくなりました。いつもファンに寄り添ってくれて、優しすぎるほどに優しくて繊細な健くんの言葉が綴られていました。優しい、ありがとう、と言いながらしばらく泣いていました。

私と、彼らの言葉と、ファンのみんなの声。昨日より見れる世界は広がったけれど、まだそれ以外のメディアに触れる気にはなれませんでした。

今日は歯医者の予約が入っていたので、強制的に外出ができました。土砂降りの天気で何の予定もなかったら、ベッドに篭って塞ぎ込んでいたと思います。

歯医者の後、駅のタリーズで資格の勉強をしました。曲を流さないと集中できないけれど、まだV6の曲は聴けない。何かないかとSpotifyでボリウッドのプレイリストを見つけて流したのですが、これがかなり集中できて良かったです。これからもお世話になろうと思います。


勉強に集中したらスイッチが切り替わったのか、だいぶ気持ちが軽くなっていました。ガツガツ勉強して、ボーナスをいっぱい貰って、そのお金をV6に注ぎ込もう。そう決意しながら家路につきました。

今日は一日中雨で良かったです。晴れだったら気持ちとのギャップでむかついていたかもしれません。雨音ってこんなに優しかったんだなあ、と思いながら夜を過ごしました。


メモ:昨日の2曲に加えて『明日の傘』も頭の中で流れ始めました。

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3月14日 日曜日


なんとなく今日はですます調の気分じゃないのでだである調でいこう。

朝起きて普通に日常をこなし、午前中は1周回って「無」だった。日曜朝に3人のラジオを聴くのが習慣になっていて、普通に楽しく聴けた。ちょっとした言葉もそれに結びつけて考えてしまうけど、涙が出る程のダメージはなかった。だから「あーこれは思考放棄のターンに入ったな」と思った。

思ったんだけど、Twitterでファンのみんなの呟きを見ていたらだんだん感情が戻ってきて、なんだか『此処から』の歌詞が浮かんで刺さって泣いた。私はV6のファンも大好きだから、ファンのみんなにも変わらずにここにいて欲しい。そう思っていたらフォロワーさんが優しい言葉をかけてくれて落ち着いた。私は1人じゃない。

今日は曇り。天気、昨日からめちゃくちゃ私に寄り添ってくれるじゃん、サンキューな。その知らせがあってから、太陽を見ずに済んでいることに救われてる。

昨日今日とで何人かとメッセージのやり取りをした。自分から送ったものも、相手からもらったものもある。腫れ物に触るようなものだろうに、優しい言葉をくれた人ありがとう。それから、敢えて触れずにそっとしておいてくれた人もありがとう。この3日間、人とのコミュニケーションで不快に思うことは一切なかった。そのことは絶対に覚えておきたい。

日常生活を送るのに支障はなさそうということがわかったから、明日は普通に仕事ができると思う。ただ、いつも「当選したので有給取ります!」というと「おめでとう」と笑顔で言ってくれる大好きな先輩の顔を見た瞬間は泣くかもしれない。

V6のおたくの世界は3日前とは一変してしまった。 6人とも芸能界を引退しないこと、トニセンは変わらないということにはかなり救われている。だけど、V6のおたくは6人が歌って踊って、わちゃわちゃしている世界が好きで、それがない世界でどうやって生きていけばいいのか全くわからない。11月2日以降の自分はどうなっているんだろう。

めんどくさいだろうけど、その時はきっと黙って抱きしめて欲しいな。もし何かあった時は、絶対に飛んでいってあなたを抱きしめ返すので。


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