「瓢箪鯰」の公案

室町幕府の四代将軍・足利義持は、ある時「丸くすべすべした瓢箪で、ぬるぬるした鮎(なまず)を抑え捕えることができるか」という公案を思いつきます。さっそく、画僧の如拙(じょせつ)に命じて絵にし、当代きっての禅僧三十一人にその回答を求めます。

さあ、どう答えますか?

如拙の「瓢鮎図」と、各禅僧の回答はこちらです。

「無理なものは無理!」系の答えが大半の中、面白いのは玉畹梵芳の「ナマズ飯にして食ってしまえ!」くらいなものでしょうか。雲林妙冲や鄂隠慧奯の答えは道を説き、機知があって禅僧らしい回答です。

公案というものは、自分なりの答えを出すのが醍醐味ですから、色んな人が回答を出しています。

瓢箪池という回答で、ナマズをとらえられるぞ、と示した人、また、瓢箪型の窓から池をのぞきナマズをとらえられるぞ、と示した人もいます。建築で示す「瓢箪の中にナマズを入れてしまえ」系の回答です。

実は私も、「瓢箪にナマズを入れる」という題だと思っていました。

さて、私なりの回答です。漢詩にしたいのですが、そこまでの才能はないので詩で書いてみました。


人、心中にナマズあり
不羈にして御しがたし
今静かになす瓢箪の体
漸く知るせせらぎの音



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