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私が長く仕事を止めていた理由と、これまで何が起きていたのかについて①

先日の騒動についてのお詫びとご報告

 まず、さる3月31日に顧問弁護士より報告がございました、私の自殺未遂騒動について心よりお詫び申し上げます。

 恥を忍んで真実を申し上げると、あれは自殺未遂などというマトモなものではなく、ここから続いていく文章を書き連ねるストレスと膨大なデータをとりまとめる作業の苦しさに耐えかね極度の不眠に陥り、睡眠薬を飲み足すうちに自己制御を失い、助けを求めたのか、何か言いたかったのかは思い出せませんが、顧問弁護士に電話はかけたものの、結局そのまま吞み続け意識を失ったというのが事実です。

 記憶はほとんど残っていませんが、「なんとか酒を止めよう」あるいは「二度と目が覚めないといいな」などの思いが交錯するなか、酒の入ったグラスを頭に叩きつけたところまでは覚えています。

 流血の原因はこれだろうと思います。到底「自殺未遂」なんてものではありません、余程運がなければこんなことで人間が死ぬわけがないのですから。薬物依存症患者がただ単にスリップ(問題行動の再燃)しただけの出来事です。本当に申し訳ありませんでした。もちろん、砕けたグラスがうっかり動脈を切って、そのまま死ねたらいいな…くらいの気持ちはありましたが、そんなものを自殺未遂とは言わないでしょう。ただの依存症患者のスリップです。

 それ以降の記憶はまったくなく、次の記憶はペニスにしびんをあてがわれているところでした。重ね重ね、お詫びすることしかできません。

 関係者へのご迷惑にただただ陳謝する次第です。十年越しのスリップをやってしまいました。本当に、申し訳ございませんでした。

 この謝罪に続く形で本リリースを行うことに、顧問である金川晋也弁護士を筆頭とした関係者は反対しましたが(そもそもSNSの再開すら反対していました)。しかし、「ありのままの事実を知って貰いたい、何も隠さない」という私の決断を押し通す形となりました。

前置き1.えりぞ@erizomuことN氏の書類送検について

 X(旧Twitter)の方でも報告させていただきましたが、以下の通りN氏についての告訴状が受理され、4月1日に書類送検されました。

本書面の前提として、ご承知おきください。

前置き2.個人情報の取り扱いについて

 本リリースはN氏本人のプライバシーを筆頭に、多くの方に配慮したものとなっているため、私以外の人物名や会社名が登場するポスト等については掲載を差し止めるか、当該情報をマスキングする形を取らせていただきました。また、N氏によるプライバシ―侵害、障害に係るセンシティブな情報の差別的アウティング(暴露)、並びに誹謗中傷等の発言はあまりに数が多すぎるため、ここに掲載されているものは全体の1/1000にも足りません。その点、ご承知いただければと思います。

 また、この記事のポストを検索すれば私の本名は誰でも容易に確認できます。故に、私の個人情報における黒塗りは現実的なところ何の意味もないのですが、それでも黒塗りをしなければ「借金玉は自ら個人情報を公開した」といった言い分を加害者たちに与えてしまうため、このような形となっております。ご理解をお願いいたします。

後述しますが、そのような事実はありません

 本リリースは正直なところ、暴露された私の個人情報を自身の拡散力で広めてしまう、文字通り自殺行為でしょう。「今広められている名前は私の本名です」と大声で叫んでいるようなものです。

しかし、全国に少なく見積もって百万人は存在するクローズ就労、あるいはクローズ就労志望の発達障害者のみなさまに僅かでも資するため、そして「発達障害者のプライバシー権」という大問題を世に問うためには避けられないことだと思いますので、自らの意思でこの文章を発表いたします。

 加えまして。
 私としては、えりぞことN氏が私の個人情報をバラ撒いて一方的な発言を継続している以上、本リリースは私とえりぞ氏双方の実名で行うのが筋であると考えました。誰がどう考えても、そうあるべきであろうと思います。

 しかし、以下に掲載するような現在進行形の「個人情報暴露」スクリーンショットとともに以下のメールをえりぞ氏の代理人である清水陽平弁護士に、代理人を通じて送付したところ

このようなお返事が返って(?)来ました。

 一方的に個人情報をデマや誹謗中傷とともに拡散され、クローズ就労や一般就労どころか障害者雇用の未来すら閉ざされてしまった一人の障害者として、腸が煮えくり返る思いです。まさか、代理人を介した正式な連絡さえこのような曲解と虚偽で応じて来るとは…。

 しかし、相手と同じレベルに堕するのは私としても望むところではありません。

 故に、本リリースはえりぞ@erizomu氏の個人情報に最大限配慮した形となります。ご了承ください。黒塗りの手間くらいは、かけます。本当にしんどいですけれど。

長い前置きとなりましたが、これよりこの二年半の経緯と詳細について、説明させていただきます。何卒、読んでください。伏してお願いいたします。


はじめに、私が長く仕事を止めている理由について

  この数年、SNS上等には私に関するいわれのない醜聞や虚偽の風説が多く流れ、皆様にはさまざまな疑念や不信感を抱かせてしまったかと存じます。

 こうした事態に対して、私は説明責任を果たすと述べつつも、諸々のどうにもならない事情により、今日に至るまでその実行を延期しておりました。読者の皆様、関係先・取引先各位、いつも私を支えて頂いている皆様に多くのご心配とご迷惑をおかけしてしまったことを、改めて心よりお詫び申し上げます。

 私は随分長らく、記名(借金玉として)のライティング業務を止めています。出版予定だった本も、二年以上遅れて未だに出版されていません。講演もクローズなものを除いてほぼお断りしております。

 これには明瞭な理由があります。この数年来、私が仕事に限らずプライベートで関わった人々にすら、様々な嫌がらせが及ぶ事態が続いていたからです。当然ですが、収入はこちらのnoteさんと僅かながらの増刷印税、加えて「これなら表に情報が出ることはないし、迷惑がかかっても対処できるだろう」と考え、その旨を説明して理解いただける関係先とのものがすべてとなり、貯蓄と借入金で生活と諸経費(法的措置や調査にはかなりの金額を要します)を賄って生きてきました。

 このN氏による予告は、一切の虚偽なく実行されました。私が事務所を引き払い、ほぼ全ての業務を停止している事実が物語る通りです。
 このまま仕事に復帰できなければ、私には遠からず破産の時がやってくるでしょう。現在の私は借入金を食いつぶして支出を賄っている状況です。妻も家を去ったため、共働きの収入も消えました。時間制限がある、というのはとても良いことです。
 
 おかげでやっと、覚悟が決まりました。

 もちろん、商売人として「破産」は時に避けがたいことではあります。しかし、このような形で人生が破綻することとなれば、私は抗議の意味が社会に伝わるよう、最大限社会に、あるいはクローズ就労を志望する発達障害者に良い影響が与えられるよう、残りカスみたいな人生の全てを行使します。

 これまで著書等で書いてきたことと矛盾するようで申し訳ありませんが、ここに至って私は自らの生命より意地の方が大切であることに気づきました。これは私がそういう人間だということで、誰からの理解も、納得も、共感も求めません、完全なる愚行権の行使です。
 私はこれ以外の道を選べない人間でした。

 以下の文章を読まれて「独りよがりの弁明にすぎない」と言われても、それは致し方ありません。私に対する誹謗中傷は、さらに激化するかもしれません。しかし、私には以下の内容を公表する責任があり、また、それを世に問うことに意義があると考えます。

 複数回の記事にわたってのご説明となりますが、何とぞ最後までお読みいただけるよう、伏してお願いいたします。


えりぞ@erizomuことN氏との訴訟について

 令和3年8月、X(旧Twitter)のアカウント名「えりぞ@erizomu」ことN氏が、私に対する「債務不存在確認訴訟」を提起しました。N氏は借金玉の投稿内容がN氏に対する発信者情報開示請求、さらには損害賠償請求を示唆したものであるとして、N氏が自身の投稿のために借金玉に対して不法行為による損害賠償債務を負うことはないー債務が存在しないーことを確認するための訴訟、ざっくりといえば「自分(N氏)は不法行為を行っていないと認めろ」といった内容の裁判です。

 もっとも、N氏によって提起された債務不存在確認訴訟は後述の通り、無意味としか言いようのないものでした。訴えた本人にすら何の利益もないばかりか、結果はかえって損失が生じただけの訴訟だったのですから。

 この訴訟においてN氏が対象とした自身の投稿は1件のみで、平たく言えば「不法行為にならないことが明らかな、自分に都合のいいポストただ一つを切り取って裁判を起こした」ものです。

 当然ですが、これはN氏の「絶対に勝てる裁判」です。後述する、そもそも「添付証拠が証拠の体を成していない」点も含め、本訴訟自体が裁判所の権限で却下されるべきものであったと考えますが、残念ながら請求は容認されました。

 なお、訴状には「被告が『借金玉』というペンネームでライター、作家として活動している者である事実」を示す証拠として、ウィキペディアの「借金玉」のページが添付されていました。

 言うまでもなく、ウィキペディアの「借金玉」ページには、どこを探しても私の本名など書いてありません。私個人と「借金玉」の同一性を立証する資料すら付帯していない、杜撰で虚無としか言いようのない裁判でした。

甲第2号証

 しかし、私が「ウィキペディアの内容は私個人と借金玉の同一性を示す証拠とはなり得ない」という当然の事実を以て相手方の不備を指摘したところ、N氏は「借金玉は自分が借金玉ではないかもしれないと言い出す奇行に及んだ」「裁判から逃げた卑怯者だ」などという旨の名誉毀損や侮辱を投稿・発信し続けました。このほかにも、N氏は私や私の関係者に対し、社会通念上、到底許容できるとは思えない嫌がらせや誹謗中傷を、長期間にわたり、執拗に、しかも現在進行形で続けています。

 このような状況は道義的にも現実的にも許容できませんでした。
 私は、未来に渡る致命的な損失(主に個人情報の暴露、拡散など。現在予想通りの事態が発生しております)を覚悟してN氏を反訴し、裁判事務手続きの都合上別訴とはなったものの、N氏の不法行為が認定される結果となりました。

 N氏は敗訴の果てに損害賠償責任を負うこととなったのです。いわば、「自らの個人情報を(訴状の形で)相手方に届けて反訴させた挙句、不法行為を認定される」という傍から見れば到底理解出来ない結果となりました。



 話を戻します。N氏の投稿は私に対する侮辱、不法行為であることが裁判で認められました。この結果はおかしなものです。そもそもN氏は借金玉からの訴訟を避け、自身の不法行為が存在しないことを証明するために訴訟を起こした(そうでなければ、それは濫訴、スラップ訴訟としか言いようがありません)にもかかわらず、終わってみれば「自分の無実を証明する裁判を起こしながら、不法行為を行っていた」ということになります。

 相手が無力だと思ってひたすら誹謗中傷し続けるような真似をしなければ、この結果は真逆になっていたでしょう。N氏の債務不存在確認訴訟による勝利、間違いなくそうなっていました。私の立場としても、不可解としか言いようがありません。

 N氏は「借金玉はマトモに裁判に応じず逃げる、やりたい放題だ」と高をくくっていたとしか思えません。

 尚、本訴訟は当方の勝訴と言えるものの、判決内容には大いに不服があるため現在控訴中です。そして、N氏の侮辱、名誉毀損等の不法行為は提訴後も際限なく続いていると私は認識しており、裁判はここで終わるはずもありません。来月には次の訴訟を提起いたします。

 この訴訟は名誉毀損、侮辱、業務妨害は当然の不法行為として、それ以上に社会的意義の大きい「障害者のプライバシー権」「他者の障害をアウティング(暴露)すること」を主にした内容となるでしょう。

 それ以外も含めて、少なくとも私の目からN氏の不法行為と映るものがあまりに多いため、最終的に訴訟がどれだけの数になるのか、私にもわかりません。しかし、正当な手続きを以て、最後の一つまで判決を求めたいと思います。


数年来続く、犯罪と呼び得る嫌がらせ行為


 ところで、私とその周囲への嫌がらせ行為がどの程度のものだったのかという疑問も当然あるはずです。まずは、以下の音声を聴いてください。これは、私と取引関係すらない、ただの知人の留守番電話に記録された音声をご提供いただいたもので、えりぞことN氏本人の言葉です。

文字起こしするとこのようになります。

 N氏の執拗な嫌がらせに対し、知人が警察及び弁護士を介した対処を行ったところ、氏は知人に対し更に執拗な架電、個人情報の暴露、SNSにおける誹謗中傷を加速させました。これは、その過程でN氏が被害者の留守番電話に残した音声の「ほんの一部」です。N氏が述べている趣旨は、正直なところ私にもまったくわかりません。

 この人物は私と取引関係すらない一介の知人にすぎません。
 にもかかわらず、N氏の嫌がらせの標的にされ、際限のない苦痛を強いられました。私が仕事を再開出来ず、破産や、その先の選択を覚悟する理由がご納得いただけたのではないでしょうか。

 少なくとも、「借金玉と知人である」だけでこのような事態が発生する状況下で、仕事や人付き合いを再開することは出来ません。妻やその関係先に被害が及ぶ危険も十分考えられたため、事実婚も解消とし、妻には家を出てもらいました。こうして、私は仕事収入、家族と人間関係のほとんどすべて失いました。それしかありませんでした。

 なお、当該被害者(知人)の裁判資料によれば、N氏は自身が所属する企業を名乗って諸々の嫌がらせ行為に及んでいました。この企業は信用保証を業務の一環としている大企業で、そこから電話がかかってくれば、多くの組織は一定の対応をせざるを得ません。平たく言えば、「支払いの督促が職場まで来た」と認識されます。これは、それだけで一般的な社会人にとって十分な信用毀損と言える事態でしょう。

 加えて、上掲の録音のような内容を、N氏は数限りなくまくしたてたのです。被害者により、当該企業へN氏の行動を止めてもらいたいとの申し入れもなされたようですが、会社が何らかの対応をした形跡はなく、嫌がらせは止まりませんでした。もはや私には「会社公認」の行為としか思えません。私に出来ることは、私の「とばっちり」を食らった知人に対応費用の支援をさせていただくことだけでした。

 迷惑電話をかけ続けられた被害者が、適切な手続きを踏んで抗議と対処を行った。その結果としてこうした行為に及ぶN氏の意図が、正直なところ私には全くわかりません。正当な訴訟や法的手続きなら受けて立つとあれほど力説していたN氏が、私の行為が恫喝であり犯罪である、(どのような行為かなのかは未だにわかりませんが)とあれほどまくしたてたN氏がです。

 すべてを掲載することはできませんが、ほかにも被害者となった知人の実家を含む住所、電話番号を延々とXに投稿し続ける関係先の職場にまで複数の電話回線を用いて架電し続けるなど、N氏の常軌を逸した行為は続きました。これはもはや「嫌がらせ」の範疇に留まらない、不法行為としか私には思えません。

 こうした関係先への執拗な架電に加えて、私の書籍を刊行した出版社の担当者や、イラストレーター様等の関係者をつけまわすストーキング行為、嫌がらせを目的としたリプライやメールの送付等、数限りない加害行為が行われました。私への誹謗中傷や個人情報晒しだけならばともかく、ここまでされては仕事など出来るわけがありません。

 まさしくお目汚しですが、その「ほんの一部(1/1000にも満ちません)をここに引用します。

ほぼ黒塗りになってしましましたが、プライバシーを優先しました

 こういった事情でこの二年間、私は多くの友人知人関係者に不義理を尽くしてしまいました。心よりお詫びします。私と関わっていることがN氏及びその辺縁に知れるだけで、執拗な嫌がらせの対象になることを考えると、そうすることしかできませんでした。尚、上掲のスクリーンショットに見られる私の物騒な物言い、私信DMの一部については別途詳しく、自身の瑕疵も含めてご説明させていただきます。

 この数年、関係先に詫び回っては、予定されていた仕事が次々に消えていきました。いくつか、「それでも仕事をしてほしい」と本当にありがたいご提案をいただいた会社もありましたが、私はこれだけの迷惑をかけながら仕事をするくらいであれば、破産を受け入れ、身の始末をつけるべきだと考えます。

 故に、貯蓄と借り入れ金が尽きるまで何とか解決を模索してきました。しかし、それももう終わろうとしています。先日は、この状況がもたらしたストレスに耐えかね大量の睡眠薬とアルコールを服用し、昏倒状態で病院へ運ばれる醜態をさらしてしまいましたが、意思はまだかろうじて続いています。最期までやります。最早、それしか残っていません。


声を上げられない、法的措置を行うことが出来ない「クローズ就労」の障害者について

 N氏との訴訟において不法行為の認定を得たものの、案の定とも言うべきか、この過程でX(旧Twitter)上には、私の本名や個人情報がぶちまけられました。訴訟戦略の一環なのか、「正当な裁判に負けたなら、せめて人生を潰してやれ」という悪意なのか。いずれにせよ、その思惑は見事に当たり、私は潰れました。もっとも、私のごとき障害者を潰したところで何かが得られるとは到底思えませんが。

 まず前提として、私(借金玉)は発達障害者であり精神障害者で、かつクローズ(障害を明かさず働くこと)就労を希望し続けています。それは、私が書いた本がすべて「発達障害者がなんとかクローズで働き、人並みの収入を得る」ことを主眼としたものであることからもおわかりいただけるはずです。この就労形態は「世間に障害者であると知られていない」ことが前提となります。検索エンジンに本名を入れたら障害者だとわかってしまう、そのような状況を発達障害者はなんとしても避けねばなりません。

 以上の理由により、私は長いことSNS上における誹謗中傷やデマに対する法的措置に踏み切ることが出来ませんでした。

 裁判のような法的措置は本名流出の可能性が避けられません。
 現在の司法制度においても秘匿制度は存在しますが、それは確実とは言えず、ペンネームや匿名で裁判を起こす権利が各人に保証されていない以上、法的措置を行う上で、私の本名と障害が紐づけられる形で流出する可能性は避けられないのです。この懸念は現実のものとなり、私の個人情報は最早回復不可能な形で拡散されました。本名を検索すると障害者であることが容易にわかり、かつ誹謗中傷やデマが続々出て来る持病持ちの中年男、それが私です。

 極めて現実的な話なのですが、発達障害者であり精神障害者の中年男(私のことです)を、障害者と知った上で雇用してくれる職場はそうそうありません。そして、採用を検討する人間の本名をインターネット検索しない人事担当者も、まずいないでしょう。最早、私は「障害者の借金玉」として生きていくか、さもなければこの社会を去るかの選択肢しかなくなってしまいました。業務が再開できない以上、前者は選択できませんので、そう長くはここにいられないでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE2446X0U3A021C2000000/

https://www.youtube.com/watch?v=pWhjxKMeJrc

youtubeをちょっと見るだけで、このような「インターネット調査」の実情は浮かび上がります。「本名」どころか、「裏アカウント」まで探すのですからすごいものです。しかし、企業にとって人を雇うということはとても重たい決断なのですから、これは致し方ないことだと思います。自分自身が障害者である私ですら、障害者の雇用には慎重にならざるを得ません。実際に雇ったこともありますので、その重たさはよくわかります。

 一生を物書きとして暮らせる人間はほんの僅かである事実を考えると、私はどうしても「クローズ就労」の選択肢をつぶす決心ができませんでした。文章が売れなくなったら二度とまともな収入は望めない。そういった状況はなんとしても避けたい。ただそれだけを望んで生きてきた人生でした。既に事態は手遅れになってしまったのですが。

 作家として今ほど売れていなかった頃から、私はいわれのない誹謗中傷に悩まされていました。見返すだけで吐き気がこみ上げてきますが、一例を挙げるなら以下のようなものです。

この頃は借金玉をSにするくらいの気遣いがありました
引用ツイート人物のブログより引用(現在削除)
こちらは、調べたら反差別運動に熱心な大学の先生でした

もちろん、私も「社会が障害者に合わせて変化する」ことは大事だと思います。現在私が行っている主張も「社会を変えよう」とするものになりますし。一方で、「生活の困りごとを工夫や道具で解決していこう」という私のライフハックを「宗教右翼」と罵られるとは、正直思いませんでした。なんというか、こうしてみると私はあらゆる人から「何を言ってもいい相手」と認識されていたんでしょうね。

「そんな木っ端アカウントの誹謗中傷くらい誰だってあるだろ」というお話はあると思いますので、ここからは大物を出していきます。

この人は反差別を訴える大御所学者だったと思うのですが…

 私に対する誹謗中傷は苛烈を極めましたが、反差別活動で名高い学者先生にまでこのような扱いを受ける始末でした。SNSのサンドバッグ状態、長年続いた私の実情はそう言って差し支えないでしょう。

 高名な学者様が、まさか他人の個人情報(前職、極めて特徴的なので私としても本名に近い秘匿事項でした)を晒す捨てアカウントを白々しくRTするとは思いませんでした。そして、「障害者の個人情報アウティング(暴露)」すら平気で行うという差別主義者ぶりです。大学では、さぞ素晴らしい教育を行っているのでしょう。

 しかし、これほどの状況に陥っても、私は本名が流出するリスクを負ってまで法的措置には踏み切れず、また、文筆だけでは到底暮らしていけない収入状況であり、精神的にも経済的にもあらゆる意味で「きつかった」のです。当時、私にはこうした誹謗中傷やデマに対して打つべき手が本当にありませんでした。その状況は、現在も変わりません。いや、悪化しているというべきでしょう。そして、彼らはその状況を知った上で「安心して叩けるオモチャ」として私を運用し続けました。

 次回以降の記事に登場するだろう当時友人(お互いの他人にはちょっと言いにくい話を相談しあうくらいの仲だったとは記憶します)であったT氏、S氏に「こういった事情で訴訟が起こせず困っている」と酒の席や仕事の相談のついでで愚痴をこぼしたところ、「それはとても気の毒だ」とご同情を賜った覚えがあります。このあたりは、更にM氏という人物を加えて別の記事で詳細にお伝えすることとなります。前述した私の「物騒な私信」がどういった文脈のものであったのか、この三名を抜きにしては語れません。

 そんな折、著名弁護士であるK先生(無論、顧問弁護士の金川先生とは別の方です)に法律相談をさせていただいたところ、「そういった事情であるなら、むろん名誉毀損で訴えられるリスクはあるが、誹謗中傷相手の実名を開示の上公開する、あるいはその予告をすることも一つの抑止的選択肢である」とのアドバイスをくださいました。

 なるほど、と思った私は「誹謗中傷には開示による個人情報の公開をもって報復する可能性がある」と主張し、際限なく続く誹謗中傷やデマを抑止しようと試みてまいりました。むろん、この方法はK先生の仰る通り、一定のリスクを孕みました。結果として、私のこうした言動がN氏との訴訟の発端となり、現状を招く一因となったことも疑いありません。私は私の問題について、適切に裁かれるべきでしょう。その点には何の異論もございません。

 こうした私の言動を「訴訟をちらつかせた恫喝だ」と非難する声もありました。しかし、他にどういった手立てがあり得たのか、未だ私にはわからないままです。現行法の下では、この問題が着火し始めた当時、私が打てる手はK先生にいただいたアドバイスによるもの以外ありませんでした。当時は作家として売れ始めていたものの、それは副業の域を出ず私は資金もキャリアも信用も乏しい兼業作家であり、クローズ就労の障害者だったのです。

 K先生のアドバイスが間違いであったとは思いません。事実、私はそれを聞いて「良い戦略だ」と思いましたし、他に手はありませんでした。責任はすべて私にあります。

 もっとも、誹謗中傷を繰り返していた相手方としては「借金玉は訴訟をちらつかせて恫喝している」とのことでしたが。

もっとも、「借金玉は訴訟をちらつかせて恫喝している」と声高に叫ぶのも、たいていの場合は私に対して誹謗中傷を繰り返していた人々でした。誹謗中傷を続けながら相手を恫喝犯と罵るのは些か理解に苦しみますが、実行するかどうかの決心がつかないまま、私が訴訟に向けた調査等の準備、弁護士への相談、顧問依頼、訴訟資料作成などを行っていたことは事実です。

 なお、この過程で、私に対して「我々に訴訟を起こすのであれば、お前に不都合な私信を公開するぞ」という、私から見れば脅迫としか思えない事態も起こりました。当該スクリーンショットと実行者たちは次回以降のリリースで公開していく予定です。

 いずれにせよ、個人情報が暴露され、隠すものも失うものもなくなったのが私の現在です。私に対しての誹謗中傷に関する法的措置については私も顧問弁護士も事務手続きが間に合っておらず、一つずつということになり、私自身がどこまで「もつ」か正直わかりません。

 しかし、私が死んだとしても、「措置を行った」こと自体は意味を持つでしょう。少しでもクローズ就労の障害者の役に立って、席を立ちたいと私は願っています。最早、それくらいしか願えるものはありませんので。


借金玉を「黙らせる」訴訟戦略


 こうした、クローズ就労を希望する発達障害者が法的措置を行なうことのハードルを踏まえてN氏が提起した債務不存在確認訴訟を振り返ると、一見「虚無」としか言いようのないこの裁判の裏に、「障害者の個人情報を人質として借金玉を黙らせ、借金玉からの訴訟に怯えるすべての人間を救う」ことを狙った非常に高度な戦略があったように思えます。

 N氏の訴訟計画を立案された方には、ある種の敬意さえ抱きます。借金玉と特定個人が同一人物であることを証する資料すら付帯していなかった、一見すると杜撰としか言いようのないあの訴状は、換言すれば、「私は借金玉ではない」と否認する余地が私にあったことを意味しています。

 正直に言えば、私もこの選択肢を選ぶ誘惑には駆られました。もし私が借金玉であることを「否認」すれば、瞬間的にはノーダメージで済みます。訴訟は却下される可能性が高く、その場合は何事も起きません。私の個人情報が表に出ることもありません。もちろん、「借金玉は訴訟から逃げた」の大合唱は起きたでしょうが…。

 しかしその代わり、私は二度と借金玉として訴訟を起こすことができなくなります。自分が借金玉であることを否定しているからです。ある訴訟では「私は借金玉です」、別の訴訟では「私は借金玉ではありません」、そんな都合のいい行為を法が許すわけもありません。

 個人情報が表に出ることを怖れた私に、自身が借金玉であることを否定させて二度と借金玉として訴訟を起こせなくする——債務不存在確認訴訟を起こしたN氏とその支援者における一番の狙いは、まさしくここにあったのだろうと思います。これは、私に対する名誉毀損・侮辱行為を果てしなく繰り返し、私から訴訟を提起されることに怯えていた皆さんにとっては、まさしく天啓の如き戦略だったはずです。

 実際、N氏が債務不存在確認訴訟を提起してきたのは、私が脱税犯であり詐欺師でありマネーロンダリングをしており……そういった発言を数年にわたって繰り返してきた「障害者雇用で働くアライさん」ことO氏並びにその辺縁を訴える決意をし、調査・準備を終えたそのタイミングでした。そして、現在もえりぞことN氏と親しく交流しているみなさま(現在も当該人物とともに私への誹謗中傷を続けておられます)を順次訴えていく予定でした。この予定が、えりぞことN氏の債務不存在確認訴訟で崩れたのは事実です。そういう意味で、N氏の戦略は成功したのかもしれません。本人の利益はともかく、周囲の人々は訴訟が遅延ないし回避されるという大きな利益を得ました。前述のT氏、S氏、M氏の三名が筆頭です。

 私に対する誹謗中傷を繰り返していた人々は、先ほどのスクリーンショットに多数掲載された「障害者雇用で働くアライさん」ことO氏や「えりぞ」ことN氏を強力にサポートし、彼らの一方的な発言を大きく拡散したふしがあります。

 一方、司法制度には「相手方からの言論などによって自らの名誉が毀損されたとき、相手方に対して平等な立場で反論が可能ならば、自身は裁判をするまでもなく言論をもって名誉を回復すべきである」という対抗言論の法理なるものが存在します。故に、正規の裁判で正しく不法行為を認定していただき、勝訴を勝ち取りたかった私としては「裁判の続く限りひたすら沈黙する」以外の手段を選べませんでした。みなさまへのお知らせやご報告が年単位で遅れたことを心よりお詫びいたします。

 その結果、私の沈黙をいいことにN氏らは言いたい放題、やりたい放題で、私に対する誹謗中傷はますます激化しました。

 また、この訴訟に弁護士を立てれば、私が借金玉であるかどうかについて認否せざるを得ず(顧問弁護士が出廷すると「認否の留保」が事実上不可能なため)、これを認めようが、否定しようが私の負けは決まっていました。

 結局、私と顧問弁護士は窮余の一策として、この訴訟に対し、「借金玉本人が出廷し、被告が借金玉であるかどうかの認否を留保しながら同時進行で相手方の不法行為に関する証拠資料を集め、反訴(裁判手続き上別訴となりましたが)して勝つ」という戦略を採用しました。そして、判決内容には大きな不満があるものの(現在控訴中です)、N氏の不法行為が認定される勝訴となりました。

 私が本人訴訟で応じた際には、「借金玉は弁護士に見捨てられた」と解釈された方がたくさんいらっしゃったようですが、それは仕方のないことだと思います。私も無関係なギャラリーであればそう思ったでしょう。


私の個人情報はどこから流出したのか

 ところで、債務不存在確認訴訟において、私が借金玉との同一性について認否を留保すると、N氏はX(旧Twitter)上で借金玉と私の同一性を証明できる人物を「謝礼を払う」とまで言って募集する奇行に及びました。既に私には訴状が届いており、N氏は私の住所・氏名を把握していたにもかかわらず、です。

 ところで、私の住所を知悉する人間は極めて限られます。N氏は「講演会で名刺をバラ撒いていたのだから個人情報など漏れて当然だ」と主張しておりましたが、この主張に該当する人物は私が思い出せる限りにおいて本当に少数です。私は、ある時期から相手によって渡す名刺を切り替えていました。それ以前は、名刺を欲しがる人さえほとんどいない程度の人間でした。なにより、仮に私の業務実態のある法人住所の記載された名刺を持っていても、それが「借金玉」とは結びつかない形にしていました。

wikipediaにはもちろん
このように記述されています。冒頭の通り証拠として添付されていました。

 可愛らしい猫の絵の描かれた、借金玉の名刺をお持ちの方は多いでしょう。そちらをご確認ください、高田馬場の~荘という住所になっているはずです。こちらは、私がストーカー被害に遭っていた際、ダミーの事務所として運用するため借りていた物件で、訴状が届いた時点ですでに退去済みでした。また、あまりマナーのいいことではないのですが、当該名刺に書かれている~ライティングというのは法人名ではなく屋号であり、謄本を検索しても出て来ません。私が「ある程度個人情報を渡してもいい、しかし業務実態拠点は秘匿したい」と考えたみなさまの多くが、この名刺をお持ちのことだと思います。

 まして「講演会で」となると、本当に限られた人物しか可能性はありません。私は、講演会のお客様に、更に別の「借金玉」名義とメールアドレスのみを記載した名刺を渡していました。業務実体のある法人住所と上記フェイク住所の名刺をセットで渡したのは、講演における共演者の中でも「これだけの社会的地位がある人であれば大丈夫だろう、この人には今後の業務的付き合いを考えても本物の住所を伝えた方がいい」と判断した方だけです(たいへん差別的な振る舞いで申し訳ありません)。

 となると、記憶の限りにおいて該当する人物は1名ほどになってしまうのですが、これは本当にしたくない想像です。これは、幾つかの公的な資料を提示した上で、皆さまに判断を仰ぐこととなるかもしれません。

 繰り返しますが、現実としてN氏の訴状は私の住所に届きました。N氏は私の住所を知悉していたのです。それなのに、何故このような行為を行う必要性があったのか、私の如き障害者の知性では到底想像がつきません。何らかの、表に出せない情報源に依拠して私を提訴したのではないか、それ以外どんな理由があり得るのでしょう?

 借金玉と私が同一人物であることを示す証拠として添付されたウィキペディアのページも、本当にそれ以上の「裁判に出せる証拠」が手元になかったのかもしれません。あるのなら出せばいいだけのお話です。そして、実際に訴状が私の住所に届いた以上、N氏の手元に間違いなく「裁判に出したくない証拠(借金玉の個人情報)」は存在したのですから。

 私はかつて、私に対する誹謗中傷への対応方法について、今回の訴訟でN氏の代理人を務めた清水陽平弁護士や、先述の著名弁護士であるK先生に個人情報を明かして法律相談をしたことがあります。清水弁護士の結論は「クローズ就労を望むなら法的措置は諦めるほかない」というもので、まさに清水弁護士らしい「所詮他人事」という怜悧なお答えに感じ入ったことが思い出されます(とても正しいと思います)。

 まさか彼らが、私の相談時の個人情報を流用するなどあり得ないことでしょうが、それならば私が借金玉であることを知悉しているはずの相手方が、なぜはじめからその証拠を示さず、後から礼金まで払って証人を募ったのかはやはり不可解です。

 私の「本人出廷して『私=借金玉』の認否を留保する」という、傍から見れば奇行にしか見えない行動はこの点を前景化させるためのものでもあったことを申し添えておきます。

障害者のプライバシー権と障害のアウティング(暴露)について、それが司法の正しさなのか?

 それにしても「クローズ就労を望むなら、泣き寝入れ」はまさしく効果的な訴訟戦略と言えます、倫理・道徳の観点を抜きにすれば。発達障害とクローズ就労がこの10年ほどで顕在化した問題である以上、制度が未整備なのはは仕方のないことではありますが、そこを見事に突いています。とどのつまり「クローズで働く発達障害者相手は、なんでもいいからとにかく訴えれば、個人情報の流出を恐れて引っ込む」ということです。

 この手法は、間違いなく再現性があります。クローズ就労の、あるいはクローズ就労志望の発達障害者にはほぼほぼ有効に機能するでしょう。

 この弱点を見事に利用した訴訟戦略の立案者、実行者は発達障害者の弱点(あるいは私の弱点)を見事に利用しています。加えて、「予想外の訴訟に負けるなら個人情報を晒して大量のデマと虚偽と侮辱を拡散させ、せめて人生を潰してやれ」という人物(たち)が存在したのです。

 この戦略は「相手が人生を捨てて反撃に来ない限り完璧」と言えるでしょう。私が腹を括って反撃に出たら「問答無用で個人情報を暴露」までやってくれたのは、なんとも「全て予想通り」でした。最悪の意味で。実に効果的です。私は潰れました。いま、私は執念の残りカスみたいなものでこの文章を書いています。

 繰り返しますが、「クローズ就労の障害者は泣き寝入りしろ」は戦略として素晴らしい。ただし、この戦略が是とされるのであれば、弁護士という職業は、あるいは日本の司法はまさしく滅ぶべきだと、僕は独りの障害者として考えます。爆弾を抱えて吹っ飛んでいく障害者(あの手のテロ実行犯は概ね障害者だそうです)たちの気持ちが、小指の先くらいは理解出来ました。僕如きがわかったようなことを言うのはおこがましいですが。

 もちろん、これは一人の無力な障害者の私見にすぎません。

 しかし、この現実を一人でも多くの人に知っていただくことが、私に課せられた最低限の仕事だと考えています。そのためなら、最早惜しむものなど残っておりません。全国に少なく見積もって百万人は存在するであろう「クローズ就労(障害を明らかにせず働いている人)」のみなさますべてに関わる問題だからです。障害のアウティング(暴露)の問題は、クローズ就労者の人口を考えても、大いに知られなければいけません。

 誰かが声を上げなければ問題は可視化されないが、問題を可視化した人間はクローズ就労の可能性を失う。この行き詰まりを突破することが、私の最大にしておそらくは最後の目標です。それは、ある程度の知名度と発信力があり、そして何より失うもののない今の私にしか出来ないことだからです。

「あなたの仕事は手伝いたいし、あなたの本は愛読しているが、私はクローズ就労の障害者なので、貴方と公式に関わることはできない。申し訳ない」

 このような内容を複数の人物から(本当に申し訳なさそうに)伝えられた時、私の決心は固まりました。

 心苦しい言葉を吐かせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。貴方は何一つ悪くありません。申し訳なくなんかありません。自分の人生を守るのは一番大事なことなのです。申し訳ありません。

 申し訳ありません。


私は憎悪に駆られています

 これから自分自身がどうなっていくのか、私自身にもわかりません。ただ、ここから始まる一連の文章を書きあげた後、死後出版であれ最期の一冊だけは物したい。ただそれだけで生きています。そうすれば、迷惑をかけた人たちにお詫びをする資金を捻出することも出来るかもしれません。その目標を与えていただけたことに、ただただ感謝しています。ありがとうございます、本当に。何者でもなかった障害者を「借金玉」にしてくれたみなさまにはどれだけ感謝の意を述べても足りません。

 それでも、私は憎悪に駆られています。

 私は、家族も安定した職も、家も、籍を入れた家族も愛するべき子どもも、長年飼いたいと願っていた犬の一匹も、何一つありません。可愛がっていたオイカワは、私の世話不足で半数が死にました(どうしてもフィルターの掃除をしてやれませんでした、身体が動きませんでした。言い訳ですが)。最後に残ったイシガメを誰かに譲渡したら、もう生き物を飼うのはやめようと思います。

 私に嫌がらせ、犯罪行為を繰り返している人間の多くは、軒並みこれらのすべてを所有している者であることに、自分自身ですらどうしようもない怒りを覚えます。私が、人生の中で渇望して渇望して求めて求めて這いずり回り、ついに得られなかったものを全て持っている人間たちが、何故私にこのような行為をする必要があるのでしょうか。わたしにはわかりません。想像もつきません。「妻と籍を入れていなくて本当に良かった、なんとか逃がせた」と心から思っている私の、想像力が及ぶ範囲に、それは存在しないのです。貴方(方)は私から見てまさしく「幸福」を絵に描いた人物に見えます。何故、こうなるのでしょう?

 もちろん、これは私のただの感情です。

 書かずにいられませんでした、申し訳ありません。

 ただ、こうした感情をダイレクトメールで友人(だと少なくとも私が認識していた人物)に漏らした結果として起きた事案については、後続の記事で私の瑕疵も含めて隠すことなく「すべて」説明させていただきます。

 こういった内容のものについてです。何も隠すことはありません。
 簡単に言えば、「訴訟を起こせない状態で、共通の知人であるT氏に執拗な嫌がらせを受けて、ここまで思いつめてしまったが思いとどまった」という私信をS氏と交わした(内容の不適切さは私の瑕疵そのものです)ところ、それを何故か全く無関係のはずのえりぞことN氏が所有していて、上記のように利用した、ということになります。

 まさか、このDMのあと一緒に酒を飲み鰻を食いながら「いくらなんでもT氏はやり過ぎだから、自分からも諫めておく」と言っていたS氏との私信がこのような利用のされ方をするとは予想もしませんでした。

 話を戻します。
 むろん、「おまえも『持っている』側だろう、ベストセラーを出しておいて」といったご意見もあるでしょう。その通りだと思います。なので、私はすべてを捨てました。著書の著作権すら、もう私のものではありません。

 私の命はただの使い捨て宣材です。障害者がドラマチックに死ねば本が売れて、迷惑を詫びる資金が作れる。もしかすると、クローズ就労の発達障害者を取り巻く問題に対して一石を投じて解決への道筋を作れるかもしれない。ただただ、それだけのものと心得ております。

 晴れて借金と憎悪、病んだ身体と障害、クソみたいな人生にわずかばかりの大義を与えたいというあさましく見苦しい欲求。これしか持ち物のない借金玉になりました。こうしなければ、この文章すら書けませんでした。障害に加え、精神を病み、ついに身体も病みました。「いざとなればまた石膏ボードを担げばいい」という希望さえ消えてなくなりました。24時間テレビでマラソンを走ることも出来ない障害者の、おそらくはラストランです。

 やっとここに辿り着けた、そんな気持ちです。

 覚悟の過程でオーバードーズという自らに戒め続けた行為をやらかしてしまったことを、心からお詫びいたします。二度とやりません。

 やるなら、次はちゃんとやります。


金もなく、職もなく、病があり、未来のない障害者、ただし知名度と発信力だけはある。

 現在の私について一文で表現するなら、このようなものでしょう。

 もちろん、私としても「なんとか物書きに復帰したい」であるとか、「なんとか一般就労で人並みに稼ぎたい」気持ちは未だあります。なくなるわけがありません。

 何度となく自殺未遂を繰り返して、死のまさしくその瞬間まで「生きたい」気持ちが消えないことだけがよくわかりました。ただ、それを上回る怒りと意思、これは美化しすぎですね。衝動と自己憐憫と惨めったらしい承認欲求があるだけです。死にたくはないけれど、もっと「生きていたくない」。この文章も自らを捨てにいっているのか、それともまだ人生にしがみつこうとしているのか、私自身わかりません。それは、結果が決めることでしょう。

 しかし、現実問題として先述したような人物らによる嫌がらせ行為は警察の介入を経ても止む気配がなく、私に関わる皆様にこれ以上の迷惑はかけられません。以上の理由により、私は記名で他社に関わる仕事に復帰することが出来ず、一般就労どころか障害者雇用の目途すら立たない現状にあります。

 一方、法的措置や調査、資料作成に関わる費用は果てしなく積み重なり、破綻は既に目前です。資産も、借金も、ポケットの小銭まですべて使い切る覚悟です。死人はカネを使いません、残しても仕方がない。

 むろん、そうならないための努力は必死で行います。

 何度も言いますが私だって、好き好んで死にたいわけではありません。本音はいつだってそうです。おそらく、全ての自殺者がそうだったのでしょう。死んでいった友人たちの気持ちに、やっと追いつけた気がします。死にたくなかっただろう、それ以上に生きていたくなかったんだろう、そう思います。私の現在の心境はそのようなものです。

 繰り返しになりますが、ここから続く一連のリリースを経ても障害者のクローズ就労と司法の現状、そして私を取り巻く状況や展望に改善がなければ、私は最大限社会に、あるいはクローズ就労を志望する発達障害者に良い影響が与えられるよう、残りカスみたいな人生の全てを行使します。

 それが、発達障害者の困りごとにつけこんで書籍を売りつけ、稼がせていただいた(今こうして私が法的措置や各種手続きを行う費用を捻出出来ているのも、全ては読者様、取引先様のおかげです)者の勤めであろうと「勝手に思い込んで」います。

 もちろん、発達障害者に商品を売って稼いだ人間にそんな義務が発生するわけもありません。これは私が「勝手に思い込んで」やっていることです。むしろ、私以外の「発信する当事者」のみなさまは、どうか私の如き愚か者にならないよう轍としていただきたく存じます。

 これから私は複数回にわたって、これまでの数年間に何が起きていたのか説明いたしますが、次回は私の顧問弁護士事務所を巻き込んだ、「借金玉が弁護士を使ってハッタリ・カマカケで個人情報を詐取しようとした」とされる大炎上から始まる一件について、自分自身の瑕疵も含めてすべてを記します。その中で、「借金玉は恫喝魔である」のような風聞がどのように生まれたのか、自身の瑕疵を含めてご報告させていただきます。

 その結果何が起ころうと、私は受け入れます。
 どうか、貴方の人生の貴重な時間を、少しだけ私に分けてください。

 ここから連なる文章を読んでください。伏してお願い申し上げます。

 死後出版であれ、現在まとめている著作は世に出したいと願っていますが、それは(少なくとも僕自身が全てを書き上げる形では)叶わない気がしますし、ここから続くリリースは僕の人生最後の文章になるんだろうな、と思っています。もちろん、そうならないことを誰より願っているのが僕なのですが。死にたくないですよ、それはもちろん。ただ、何も改善せず悪くなり続ける人生を泣き寝入りで生きていくことが僕には出来ない、というだけです。

 どうか、ご一読を賜りますよう何卒、何卒お願いいたします。

 おれのすべてを放り投げて叩き込む一撃だ、読んでくれ。

 おれが作家なんて上等なものじゃないことは認める。「お前如きが作家を名乗るな」といったみなさま(この記事に登場する人々の総意でしょう)のご意見は正しいんだろう、認める。おれはただの病んだ障害者でしかない、その通りだ。

 それでも僕は最期までライター、書く者です。


                           借金玉                     
                        

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発達障害ライフハックのような実用文章ではなく、僕がライフワークとして書きたい散文、あるいは詩に寄っていくような文章を書いております。いろいろあって、「善い文章」を目指して書くようになりました。ご興味ありましたら是非。

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