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暑中見舞い
流石に暑い。暦としてはとっくに残暑を見舞うべき時期なのだけれど、東京の暑さは毎日記録を更新し続けていて、これはもう10月くらいまで夏なんじゃないかという気もしてくる。個人的には夏が好きだから、というよりは冬が大嫌いだから、多少暑いくらいで文句を言う気もあまりないのだけれど、カーナビ代わりに使っていたスマートフォンが熱で壊れてしまう熱さはなかなかすごいものだ。そろそろ市場に秋刀魚も出回り始めたというのに、未だに秋の風情はどこにも見当たらない。
これは北国生まれの人間がする典型的な勘違いなのだけれど、彼らは「暑さで死ぬことはない」と思い込んでいるところがあって、僕も東京に来てしばらくはエアコンがつけられなかった。なんとなくそれは「贅沢」な気がしたし、月末にやってくる電気代の請求も恐ろしかった。実際のところを言えば、東京の暑さの中で独り我慢大会をやったり、あるいは暑さに耐えかねて冷房の効いた喫茶店に駆け込むくらいなら、エアコンをつけてコーヒーを淹れた方がよっぽどコストパフォーマンスは良いのだけれど。実感の伴う理解には時間と経験が必要になる。「細かくエアコンをつけたり消したりするのはむしろ不経済」だなんて、あの頃はぜんぜんわからなかった。
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