ふつうのカレー、水槽、ハゼの死
長年、食事というものに強い関心をもってきた。人間の感性を喜ばせるものは大体みんな好きなのだけれど、食事というのは多くの人にとって大事なもので、あらゆる人に必要なもので、そういうことが出来ると人生が少し善くなるんじゃないかなという希望があった気がする。
昔、いろんな人の家を転々としながら売春で暮らす16歳の女の子が家に居ついていたことがある。その頃はシェアハウスをやっていたので、実にさまざな人間が住み着いたものだった。深夜、家に帰るとリビングにはゴロゴロと人間が転がっている。それを踏まないように自分の部屋に帰りついて文章を書き始める。誰かが小便を流す音、くすくす笑う声。
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