見出し画像

上手に喋る方法、演説屋をやめること、つまるところ僕はあなたと過ごす時間を楽しんでいます

 最近、よく「上手に喋る方法」について尋ねられる。その度に「僕は喋るのが上手だと思いますか?」と質問するのだけれど、大抵の人は「上手だ」と答えてくれる。もちろん、そういっていただけるのはとてもうれしい。けれど、厳然たる事実として僕は「喋る」のが下手だ。もちろん、一定の経験と努力でそれなりの水準まで持ち上げてはいるかもしれないけれど、想像してみて欲しい。あなたが仲間たちとスマブラでもしながら寛いでいる部屋に僕がいたら、それは結構うざいんじゃないかと思う。

 僕が「喋りが上手い」と言われるのは、いわゆる「演説が上手い」に近いスキルだ。多くの人はこんなスキルを日常では使わない。これを日常で使うのは多くの場合、「演説で相手を呑みこんでしまう」みたいなものをコミュニケーションだと思いこんでいるタイプの人間―つまり20代半ばくらいまでの僕―だ。たしかに僕は演説を他人に聴かせるのはどちらかと言えば上手い方になると思う。そのスキルを活かして借金玉をやってると言っていい。でも、これが僕の人生におけるもっとも大きな間違いだった。

ここから先は

2,391字
発達障害ライフハックのような実用文章ではなく、僕がライフワークとして書きたい散文、あるいは詩に寄っていくような文章を書いております。いろいろあって、「善い文章」を目指して書くようになりました。ご興味ありましたら是非。

玉雑記

¥500 / 月

あまり多くの人に向けては書きたくないこと、表に出なかった商業原稿、最近の雑記など月2回~(最近は大体4回)更新します。色々あって、ツイッタ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?