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桃羊羹の夏
今年は桃が豊作らしい。ついに見切り品(あちこち茶色くなってしまったやつ)が一個100円を切り始めた。
僕は北の生まれなので、幼少期にフレッシュの桃を食べた記憶はほとんどない。まったくない、とまでは言い切れないけれど、少なくとも思い出せない。同じく北海道では一切収穫されない柿ならそれなりに食べた覚えがあるんだけれど。なので、僕にとって桃はとても高級な異邦の果物だ。実際、1個400円とか500円の桃を横目で眺めては「高価いなぁ」と思って暮らしてきた。それが今年はついに1個100円、これはもううんざりするまで食べるしかない。
桃缶はよく食べた。白桃も黄桃も、糖のテリでつやつやした塊がコロンと出てくるあれは、とてもうれしいものだ。缶に残った甘い汁も最後まで舐めるいやしい子どもだった。せっかくなので今回は、生の桃の良さと缶詰桃の良さを両獲りしつつ口いっぱいに頬張れる料理が作りたい。
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こんな感じに上手く出来上がったので、製作過程を是非読んで欲しい。
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