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ずっと、食器棚が欲しかった

 新しい自宅兼事務所に移るにあたって、「これだけは買いたい」ものが一つあった。大きい食器棚だ。運よくアメリカン・ビンテージの食器棚を手ごろな値段で見つけられて、やっと長年の夢がかなった。とてもうれしい。以前住んでいた家では、とてもこのサイズの食器棚を置くことはできなかったから、うれしさもひとしおだ。コレクションを陳列する場所がないというのはとても悲しい。花器も茶器も皿も、乏しい懐から少しずつ買い集めて、長いこと物置にデッドストックされていた。それらを表に出すことが出来て、本当にうれしい。ただただ、うれしい。

 キッチンについては既に取材をしてもらったので、近いうちに記事が出ると思うのだけれど、この「食器棚」についてはちょっと熱く語らせてもらいたい。僕は古い木の家具がとても好きで、でもそれは値段としても大きさとしても、数年前の僕が手に入れられるものでは到底なかった。本を書き、ベストセラーを二つ出して、ついに念願の食器棚を買うことができた。そのうれしさが、伝わってくれるとうれしい。出来ることなら、うれしさを伝えたり伝えてもらったりするばかりの人生を生きていきたい。もちろんそんなわけにはいかないのだろうけれど。

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発達障害ライフハックのような実用文章ではなく、僕がライフワークとして書きたい散文、あるいは詩に寄っていくような文章を書いております。いろいろあって、「善い文章」を目指して書くようになりました。ご興味ありましたら是非。

玉雑記

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