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人生をささやかに慰めるもの

 コンサータを一年半ほど休薬し、結局また服薬することにした。もちろん、コンサータ(とそれ以外にもたくさんの理由)に起因する症状が治まってきたのはありがたいことなんだけれど、それでも正直なところそこそこのショックを受けている。このまま「コンサータなしでも問題ない」になってくれればそれが一番だったし、正直言って歳を重ねるほどコンサータの副作用はしんどいなと思うようになった。わからない、少し弱気になり過ぎているのかもしれない。

 「何をやってたって、しんどいものはしんどいよ」と友人が言うので、それはそうだろうなと思った。この年齢になるとしんどさを抱えていない人なんてそうそういないし、いちいち「しんどい」なんてことを口に出したりしない。ちょっと酒が入り過ぎたとか、ちょっとだけ気持ちが緩んでいたとか、若い頃からの友人と喋っていたのでつい気持ちが20年くらい巻き戻ってしまったとか、そんな時にしか他人の本音は聞かない年齢になった。それはそうだ、他人の人生における問題を解決なんて出来やしない。そんなことを理解するのに36年くらいかかった気がする。確信を持つのにはもう2年かかった。「30歳くらいで理解出来てればよかったな」と友人は言う。その通りだ。

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発達障害ライフハックのような実用文章ではなく、僕がライフワークとして書きたい散文、あるいは詩に寄っていくような文章を書いております。いろいろあって、「善い文章」を目指して書くようになりました。ご興味ありましたら是非。

玉雑記

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