春と嘯く
これは雪国で生まれた人じゃないとピンと来ないやつだと思うのだけれど、「春」ってのは本当に汚らしい季節で。雪に埋もれていた衛生的とはとても言えないものたちが一斉に溢れ出してくるあの光景を命の芽吹きと呼ぶのは別に間違いじゃないと思うんだけれど、埋もれていた犬のフンが一斉に解凍されてくるあれを見ても春が好きでいられる人は、ちょっとした才能に恵まれて生まれたんだろうと思う。
少なくとも僕はそうじゃない。だから、僕は北国の春が大嫌いだし、東京の春はといえばちょっとだけ苦手だ。どうしても冬季鬱の反動で躁転が起きやすくなるし、春の陽気というものは、やはりちょっと怖いものがあると思う。だから、今はただただ現実的な作業に集中して、来るべき三月に向かっていきたい。来るべき時が来た時、然るべきことを然るべく成せるように。ただそれだけを考えて。
躁転してないか?
そこそこ怪しい
ちゃんと服薬しているか?
きちんとしている
最後までシラフでやれるか?
やってみせる
今、おまえはシラフか?
完全なシラフだ、いつでも尿検査に応じられる
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