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雑記、若い友人のこと、支配と隷属、あなたがそこにいてくれてうれしい
若い友人と仲良くするのはそれなりに難しいことだ。僕ももう35歳だし、二十歳くらいの若い人間というのはやはり「違う世代」になってくる。そして、とても悪いことに僕には「作家」みたいなちょっと強い立場があり、彼らは僕から何か特殊な神託みたいなものが下るのではないかと期待していたりもする。現実問題をいえば、僕は自分の人生すらあっぷあっぷで生きる障害者に過ぎないし、僕のアドバイスは大体書籍に書いてあるから個別的に話を聞いたところで特段すごいことが言えるわけでもない。それでも、期待されると応えたくはなってしまう。それは、とてもよくないことだと感じる。
一方で年齢は若くとも、「若い友人」と感じない人たちもいる。僕は彼らとあくまでも対等な一個人として付き合っていて、それはとてもうれしいことなのだけれど、この違いがどこにあるのかここしばらくずっと考え込んでいた。もちろん、「若い友人」が悪いわけではない。若さは良いものでも悪いものでもない。誰かが人生を変えるような神託を下してくれると期待するのだって、僕自身覚えがある。何しろ僕は、芥川賞作家に「あんたの文章は上手い、当代一だろう。どうやったらそんな文章が書けるのか教えろ」と迫った人間なのだ。その答えは何度となくコラムに書いてきた通りで、僕もそういう答えが出来る人でありたいといつも思っている。伝わるのは10年後でいい。10年後に伝わるくらいがむしろ理想なのだと考えたい。
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